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サンメディカル系の根管治療材

先に、今回の内容はサンメディカル材料大好き先生を敵に回すような内容です(笑)

 

  

歯科治療は色々な材料があり、何を使うかは先生の好みによる部分が大きいです。

 

基本的に私はメリットよりある程度デメリットを重視する派です。

歯科治療は誰が治療を行っても必ずやり替えの時期が来るので、特に再治療の際に困らないような選択をします。

 

すると、

①強度・接着力ばかりに気を使わない(実験室の環境と実際の臨床は大きく異なります) 

②特殊な材料ではなく極々一般的な材料で次の先生が見た時も判断がしやすい(マイナーでない)

③操作性がよく、10年ぐらいは問題が起こらない材料(永久材料など存在しない) 

という感じです。

 

私的には、

自分のやった処置は完璧だから再治療のことなど考えない材料選択

というのは、「待て待て!」と突っ込みたくなります(笑) 

  

  

今回のケースは、私の苦手メーカーの材料を使われていたケース

  

世界一を誇るほど強力な接着剤を開発しているサンメディカル社 

日本の接着マニアな先生が好んで使うのですが、これが超厄介!

   

患者さんは50代女性

左下の奥歯が腫れて来たとのことで来院

2023 EEdental ARY (1).jpg

根の先に透過像(膿)が見られます。

根管治療も遠心根にうっすら根管充填材が見られますが、近心根は何も手が入っていない。

   

患者さんが初めて来院した2020年時には病変がなかったのそのままにしておいた歯なのですが、正直手を入れたくなかった歯

 

理由は反対側の歯の治療がメチャクチャ大変だったから

2023 EEdental ARY (2).jpg

歯質ペラペラになるまで削らており、ジルコニアクラウンはスーパーボンドで固められ、

その下のコアから根充剤全てサンメディカル系材料で治療がしてありました。

サンメディカルの材料はネチャネチャ残りガッタパーチャーのように溶かして除去しにくい!

  

ですので、患者さんにはたぶん同じ先生の治療なので反対側は再治療が大変とは伝えてありました。

 

が、今回腫れの原因である根尖病変ができてしまった為、右下7も治療を行うことに

2023 EEdental ARY (3).jpg

ジルコニアクラウン除去後に出てくるレジンコア

イメージ的に白い部分はネチャネチャ系のレジン(灰色をしていました)

  

基本的に私はレジンコアに関しては無注水で水をかけずに切削するのですが、

このネチャネチャするレジンは水をかけながら除去しないと、削る道具に材料がまとわり付く

しかもこの歯、かなり下の方(根分岐部)まで削ってあり、注水しながらだと必要以上に削ってしまい歯に穴を開けるリスクが高い・・・

  

30~40分ぐらいかけチマチマレジンコアを除去

すると、全くの手付かずの近心根がない!

そして何となく感じる違和感・・・

 

切削する道具を超音波に代え、怪しい部分をピンポイントで削ると、またネチョっとレジンっぽい物が削れる。。。 

  

「はぁ!?」

「これって、スーパーボンドじゃん!」

 

たぶん前の先生は近心根の根管口が分からずこちら側だけ透明のスーパーボンドを流して蓋をしたみたい・・・

図にすると

2023 EEdental ARY (4).jpg

図の青い部分に透明のスーパーボンドが入っており、まさにトリック!

レントゲンで見る分には2種類のレジンが入っていると推測も出来ません。 

 

ぶっちゃけ、顕微鏡があったから分かったようなもので

裸眼では2000%識別できない罠!

 

内心、「わざわざ土台の色変えんなや!」と心の中で突っ込みました(笑)

     

またこのケースも女性で開口量が少なかったので、患者さんに頑張って大きく開いてもらい

その隙に近心の2根を探し無事3根管に根管充填+レジンコア

近心根は入り口を見つけ0.1mmのオープナーで突き、#08Kファイルでターン&プルで少しずつオリジナルの根管を根尖まで見つけ、レシプロでガイドを大きくしてニッケルチタン(セミナーでやっていることそのままです)

2023 EEdental ARY (5).jpg

なんとか綺麗に根管治療が終わりました。

   

   

かくいう私も若い頃は材料選びはもの凄くこだわっていました。(特に根管充填材)

が、ある時に講演後の林先生に「先生は頭の中が根充剤で一杯 そうではないんだよ!」と臨床の基本となるべき部分を教えてもらいました。

  

また林先生もサンメディカル系の先生ですが、そういった所を理解して材料を選ぶことはホントの重要だなとこの年にして思います。

  

材料にこだわるのは悪くはないと思いますが、特殊な材料を用いたからといって成功率が飛躍的に上がる訳ではありませんし、根管治療なら虫歯をきちんと取る、隔壁をする、ラバーダムをするなど材料選択前にやるべき点は色々あります。

  

個人的には世界のトレンドにも入らないサンメディカル系の根管治療材料は再治療しにくいのでわざわざ使わない方がいいと感じます。(特別優れた材料なら世界の歯内療法専門医も使うはずです)

成功率が100%の先生なら再治療も必要ありませんが、そんな先生この世の中にはまずいないと個人的には思います。

*あくまでも個人の感想ですので(笑)

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