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根尖病変の痛み すぐに取れる場合。取れない場合
- 2023年12月 8日 08:55
- 歯内療法日記
以前書いたブログの続き
膿が酷いので取り除けない難しい状態の歯!? - EE DENTAL_Blog
術前時の大きな根尖病変
以前ブログでも書きましたが、道具が入りずらい側の神経管は手づかずのままのこともあります。
これはある面仕方がないことで、専門性的な道具とテクニックが必要になるので、全ての先生が奥歯をきちんと治療出来る訳ではありません。
今回のケースは、穿通(根の先まで探る)するとそこから排膿(膿)があり、近心根が感染源のようにも思えます。
2回法で根管充填+レジンコアまで
根管充填後はレジンコア(土台)のまましばらく様子を見て行くことにしました。
咬み合わせは殆どないようにしています。
根管充填後も痛みがあり、
術後1カ月:腫れはないが、時々うずく感じが多くなってきている(1日5~6回)
術後6か月:痛みは弱くなってきている、疲れるとたまにうずく
レントゲンでは、術後6か月でだいぶ根尖病変は小さくなり骨も出来てきてくれています。
術後8ヵ月:たまにうずく感じが疲れた時に出る3日に1回ぐらい
術後9か月:たまに顎からエラに痛みが出る
術後1年1カ月:腫れと痛みが肩コリと同時に出る、肩こりが落ち着くと痛みは無くなる
レントゲン
特に気になる病変はありません。(たぶん術後1年なのでCBCTで診査すればまだまだ透過像はあるかもしれません)
今週、術後2年のレントゲンを撮らせてもらいました。
患者さんに「痛みと腫れは!?」と聞くと
「ないですよ!」
と、痛みを主張してきていた患者さんが痛み・違和感なく生活できています。
このように術後多少の痛み・違和感があってもしばらく経過を見ることで痛みが引く場合があります。
条件は治療した歯が、①腫れてこない、②膿が出ない、③レントゲンで6~12か月後に治癒傾向がある
ここ10年以上この基準でやっています。
患者さんが知っておいた方がいいのは、
①細菌感染による痛み
②脳が作り出している痛み
の2つに分かれます。
①は治療である部分解決できます。
②は精神的な痛みなので、気にしないことを心がけてもらいます。(治療をしても痛み方が変わらない人は指定するペインクリニック(井川先生)に行ってもらっています。)
後、私の経験則ですが、
術前時に症状が長く出ていた歯ほど、症状が落ち着くまでに時間はかかります。
以上、根管治療後の「痛み」の話でした。
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