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ボンデントニッケルチタンファイル

先日の顕微鏡学会で茂久田商会のブースで知り合いの業者さんに会い

「これ新しいファイルです」と話を聞いたのですが、今のプロテーパーにあまり不満はないので、

『ふ~ん』という感じで話を聞き流していたのですが、隣に置いてあったショートファイルに興味深々 

 

 

世界のトレンドはフルレングステクニックであり、短いタイプのニッケルチタンは絶滅危惧種

一般的なファイルの長さは21mm   

*オールドタイプの私はニッケルチタンファイルの基本はクラウンダウンだと思っている派 

 

欧米人に比べ日本人の歯は短く、開口量も少ない為

21mmの長さだと歯の中の根管内(神経管)に物理的に入れることが難しいことがたまにあります。

 

細いニッケルチタンを削ったりして色々カスタムするのですが・・・

  

何でショートファイルを売らないのか!?(答えは簡単 売れないから!)

まぁ、海外製品を輸入している状況なので、アジア人コンセプトの商品は殆どない。

*自分のオークリーのサングラスもアジアンフィットでサングラスはアジア人用があるのに・・・

 

で、茂久田商会のブースで見つけたのが、

【ボンデントファイル】

ボンデント NiTi ファイル ベビー ショート | mokuda 商品発注サイト "Dental Portal Site m.find"

このファイルは16mmと一般的なファイルより5mm短い

*歯内療法の分野において1mmはかなり大きな違いがあります。

  

これを使用したケース

患者さんは60代女性

担当の先生はあまりレントゲンを撮らない先生で被せ物をやり替える際にもずっと痛いと言っていたのにどんどん治療が進んでしまい、他の歯科医院でCTを撮った所、根尖病変を指摘された。

  

レントゲンを撮ると

2023 EEdental TAK (1).jpg

仮詰めの状態で、第2大臼歯に根尖病変が見られMB根は手づかずの状態

第1大臼歯も同じようにMB根は手づかず(ただ、根尖病変はないので治療する必要はないと説明)

  

MB根の治療はファイル(削る道具)を入れるのが難しいのでこうなってしまいがちです。

特に小柄な女性で開口量の少ない人だとこうなる傾向があります。

 

患者さんにはレントゲンの所見的に折れている可能性も多少あるが、一度やってみますか!?と話

治療スタート  

 

実際治療をしていると、破折線は見られませんでした。

顕微鏡で手づかずの根尖病変の原因であるMB根の入り口ははっきり見えているのですが、一番短い21mmのハンドファイルも入らない・・・

その後、更に短いC+ファイルを試すも入らない。。。

  

#06(0.06mm)のファイル先端4mmを削ると先端が0.14mmで長さが17mm

*歯内療法専門医はこういった細かな単位の計算をして根管にアプローチします。

 

患者さんに頑張ってもらい大きく口を開いてもらうとかろうじて根管に入った! 

 

ただ、ここから更に大きく削るニッケルチタンファイルなのですが、今ある一番短いニッケルチタンも入らない。。。

 

どうするよ!?

 

と思った瞬間! そうだ先週買ったボンデントファイルの出番!

いつもは抜去歯で練習してファイルの癖を覚えてから使うのですが、今回はぶっつけ本番

(滅菌はスタッフが終わらせてくれていたのでいつでも使える状態) 

 

また患者さんに頑張ってもらい口を大きく開いてもらいボンデントファイルを使用

ブルーワイヤーで切削感はボルテックスブルーに似ている。(よく削れるが急に折れる系だろうな・・・) 

#20/04⇒#20/06⇒#25/04 で拡大を行い、これまた茂久田商会のエディーで徹底的に洗浄し 

1回法で根管充填+レジンコアまで

2023 EEdental TAK (2).jpg  

白い線が1本増えました。

 

次回仮歯を入れ、半年後にレントゲンを撮り経過を見て行きます。

 

 

頻繁に使うことはないと思いますが、あると便利なファイルでした! 

興味ある先生はアソートセット1Set買ってもいいと思いますよ。

(自分もアソート1セット買いました。)

  

因みに茂久田商会からは1円も貰っていませんので利益相反はありません(笑) 

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