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神経の横枝とCTの有用性!?

患者さんは20代女性 

10年以上前に前歯の神経を抜いたが、3年前から歯茎にフィステル(膿)が出てきた。

激痛になる時期もあったが今はたまに痛むぐらいで、歯茎を触ると違和感がある程度

  

レントゲンを撮ると、患者さんは左上1を疑っていましたが、どうやら今回の原因歯右上1 

その証拠に膿の出口は真ん中より右側にある。

2024 EEdental TOA (3).jpg

体の法則として、左の歯が原因であれば必ず膿は左に出ます。

正中(真ん中)を越えて反対側に膿の出口はできません。

(これ知っておくと便利)

 

患者さんには右上1の根管治療を行う必要があると説明

1回法で 根管治療+土台+レジン充填まで 

2024 EEdental TOA (2).jpg

レントゲンを撮ると、

「おっ、側枝だ!」*神経の横枝

  

側枝まで人工物が充填出来ているのであればきちんとその辺りは消毒出来た証拠

  

術前のレントゲンを見返すと、

2024 EEdental TOA (1).jpg

あぁ、側枝もあって感染して骨がないわ!

  

今のトレンドはCT(CBCT)を撮ってより病態を把握して緻密な根管治療をしましょう!という流れ

  

ただ、こんな部分の側枝の治療が狙って出来るのは神業をお持ちの先生

たぶん、日本でも2~3名ぐらいじゃないでしょうか!?

当然凡人の私は狙ってこの部位の出来ません^^;

 

私が今回CTをわざわざ撮らなかったのは『中切歯の神経管の本数は必ず1本』

例えば複数本神経管が出てくる歯であれば神経管の見落としがないかCTを撮るのも有効かもしれません。

今回のケース被爆量が最も小さなレントゲンで原因歯と治療法が決まったので、患者さんにわざわざ被爆してもらいCTを撮る価値は私にはないと判断しCTは撮りませんでした。(オールドタイプの治療です)

 

 

今月も転院してきた患者さんで、何件かでCTを撮っているのでCTは撮りたくないです。

という患者さんがいましたが、虫歯治療でなぜCTを撮る必要があるのか!?自分には理解できません。

(歯科医院はCT撮れば、医業収入が得られるのが主な理由だとは思いますが・・・)

医療被曝大国!? - EE DENTAL_Blog

 

私もCTは週に2~3回ほど撮影しますが、決まって奥歯の複数神経管がある膿んできてしまった歯

*因みにEEデンタルCT代は治療費内に含めていますので、CT撮ろうが撮らまいが費用は同じです。またCTを撮るかの判断は私が行います。(被爆の問題もあるので不必要には撮りません)

 

今回の患者さん、半年後に小さなレントゲンを撮って経過観察を行います。

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