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MTA直接覆髄後の樋状根の根管治療
- 2024年10月 5日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは30代女性
4年前ぐらいにMTAで覆髄処置を行ったが、3ヵ月前から咬合痛が現れその後フィステル(膿)が出てきた。
近医の先生からの紹介
レントゲン
大きな根尖病変があり、見るからに樋状根
歯髄の湾曲も強く根管は見えるが、攻め方を少し間違えるとレッジ(段差)を作りそうな難易度の高目の歯
こういったケースはフルレングステクニックではなくクラウンダウンが基本になります。
5年前のブログですが、神経を取るためにこんなことしています:2019年「根管形成」 トライオートZX2+ニッケルチタンファイル - EE DENTAL_Blog
このまま根管を攻めると赤い軸(急角度)
ただ黄色の部分を処理すると
急角度な軸を緩やかな黄色の軸にできます。
我々歯科医師が使う道具は真っ直ぐな金属の細いヤスリをつかいますので、
ストレートタイプなら問題を起こしにくいのですが、湾曲が強いと根途中までしか攻め切れません。
まず根の2/3ぐらいまで辺りをつけ、上を必要なだけ削ります。
1回目の治療終了時のレントゲン
綺麗に根の先まで根管形成+根管洗浄を行いました。
個人的にはこの部分の削除は根管治療の為の便宜形態だと思っています。
根尖病変が大きく樋状根で根管形態も複雑だったので、根管治療2回目はフィステルチェックと根管洗浄
幸い1回目の治療である程度綺麗になったようでフィステル(膿の出口)は無くなりました。
根管治療3回目
根管充填+レジンコアまで
この歯は歯質もしっかり残っているのでクラウンではなく、最終補綴はメタルアンレーを提案し
仮歯は入れずコアのまま経過を見ることにしました。
こう言ったエンド三角の部分を処理することで、湾曲の強い根管の湾曲度をなだらかにして根の先まで掃除します。
今回のケースに関しては3か月後にレントゲンで診査を行います。
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