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2019年「根管形成」 トライオートZX2+ニッケルチタンファイル
- 2019年4月17日 09:13
- 歯内療法日記
レジンセミナーとかの質問である
「今何のファイル使ってますか!?」
という質問
ブログで書く、書くと言って放置していました(笑)
偶然昨日も材料屋さんから
「Ni-Tiファイルって何がお勧めですか!?」
と聞かれましたが、
今回は完全に歯科関係者向きのブログになります。
(たぶん読んでいる人の半数は歯科医師だと思います。。。)
ぶっちゃけ、最近のファイルは何使ってもそんなに大きな差がない時代です。
好みのファイルでOKです。
(安さ重視であればエッジエンドでも良いんじゃないかな!?)
一応、私の今の道具ですが、
モーターはトライオートZX2
https://www.dental-plaza.com/article/triauto_zx2/
使った感じ使いやすいですし、ファイル操作時ににもEMRが取れているので安心して使えます。
後、前のモデルに比べるとトルクコントロールが格段に良くなっていますね。
トライオートZX2を使い始めてファイルを折らなくもなりました。
操作としては、
抜髄のファイル操作は、穿通は#08 ⇒ #10Kファイルが通ればロータリーへ
最近は#15まで開けておらず、湾曲度が強い場合は#10+M4コントラでレシプロ運動させガイドを作ります。
「M4コントラ」廃盤なので同じものは ⇒ナカニシX35L(ライトあり) X35(ライトなし) どちらでもOKです。
http://www.japan.nsk-dental.com/products/contra-angles/ti-max_x/endodontics_applications/x35l/
穿通後ファイルを根尖から1~1.5mm出して立てておき、そこにコントラをかませて拡大します。
(ん~、説明しずらい。。。)
穿通は1、#08をそっと入れプッシュ&プル(ファイルは回さない)
すんなり入れば#10へ
入らなければ、#08の先をベンディングしてプッシュ&プル
抵抗ありで穿通出来た場合は、#10の穿通難易度を下げる為に#08を根尖から約1mm~1.5mmファイルを出した状態で
ファイリング(基本根管軸の外側方向に外に外に根管を広げます)をしてガイドを太くしておきます。
そうすることで#10がすんなり穿通できます。
*ファイル操作の大原則はレッジを絶対作らないことです。←これ誰も言わないけど大事!!!
で、#10も同じように根尖から約1mm~1.5mmファイルを出した状態でファイリング
をしてガイドを太くしておきます。
ガイドを太くすればするほど、Ni-Tiファイルにストレスをかけずにすみますが、
#20で穿通などはそれなりに根管(歯)にストレスを与えます。(破折リスク↑)
先に書いたように湾曲が強かったり、「S」字は、
レシプロでNi-Tiが折れにくいようにガイドを作成はこの後非常に重要になります。
(月に1本ぐらいの頻度ですが・・・)
基本的に私はファイル操作時には根管内にNCを入れておきます。
だいたい手先の感覚で#08、#10ぐらいであれば穿通したかは分かります。
今、使用しているニッケルチタンファイルは、
・ボルテックスブルー(06 #15のみ)
・プロテーパーゴールド(SX、F1~F5)(*ユニバーサルよりかなり折れにくい)
・ボルテックスオリフィスオープナー(海外通販:https://www.smile-us.com/item1179.html )
・XPエンドフィニッシャー(感染根管の時 抜髄では使いません)
を使っています。
#10Kファイルで穿通後(根尖から1~1.5mmほど出しているので#12~#13ですね)
ボルテックスブルー 06 #15 で根尖を目指します。
#10で大体の作業長を把握しておいて、根管内にはNCを入れておきます。
(RCプレップやグライドは作業長を測るときだけ入れます)
そおっと、ボルテックを入れ、抵抗が出たら引き抜いて、牙粉チェックの繰り返し。
ファイルのどこに牙粉がつくかチェック、ファイルの先端に牙粉が付く時は注意
基本はファイルの先端2~3mm上から牙粉が付くこと。
Ni-Tiはなるべく先端をフリーにして先端で削らないことです。(ファイルの側面で削るイメージです)
最初から作業長の3/4まですぐに行けばボルテックスで根尖まで触りますし、
作業長1/2付近からファイルの抵抗が強い場合は、無理せずプロテーパーゴールドF1と交互に入れ替えをして根尖を目指します。
*交互に使う理由は、ボルテックスの抵抗部分をF1で解消させボルテックスを根尖方向に徐々に進行させる。
私はフルレングステクニックはイージーケースに使用し、
抵抗があれば無理せず根管口付近を削り、その後ファイルを先に進める手順です。
ですから私のファイル操作のベースは「クラウンダウン」で操作をします。
*基本的にフルレングスはちょっとアドバンステクニックです。
*シングルファイルは難易度が高いのと、全ての根管に対応できないので最初はあまりお勧めしません。
(シングルファイル押しの専門医も全ての根管をシングルファイルで対応している訳ではありませんのでね・・・)
拡大操作は、上を削って下にファイルを少しずつ進めるというのが原則ですので、
「クラウンダウン」最初にマスターしておくと結構融通がききます。
根管上部を削るのに有効なのが、『ボルテックスオリフィスオープナー』
(今も廃盤のGTファイル アクセサリーは使っています)
・Tip:25 Taper:12
・Tip:40 Taper:10
は根管口付近~入口1/3のストレートラインを作る為にはかなり使えるファイルです。
*MB根、MB2にはかなり有効です。
*根管口付近を多少太目に削っておくと細いファイルにストレスがかかりにくく折れにくいです。
テクニックがあれば、顕微鏡下でプロテーパーゴールドのSXでエンド三角部分を削るのも有効です。
*最初からSXで調子に乗って根管中央まで攻めると先端がバインドされて折れます。
ファイルを折らないコツは
1、ガイドを太くする(#15~#20)←メンドクサイので私はやっていません
2、トルクコントロールが優れたモーターの使用
私はトライオートZX2でトルク強めにしています。トルクが強いのは好みの問題です。
3、なるべく新しい世代のファイルを使用すること&なるべく使い回しを少なくする
*私は6歯で廃棄しています(白水のセーフティーメモディスクでカウント)
4、ファイルの特徴を知る(自分の好みにあったファイルを使用)
*私は切削効率が良いものが好みで、それを慎重に臆病に使用する
5、ファイルに抵抗を感じたり、同じ所からなかなか進まなければ一度根管口付近を削り直す
*フルレングス⇒クラウンダウンに変更
ファイル操作の基本はクラウンダウンだと思っています。
根管形成は
上顎前歯はプロテーパーゴールドのF2
下顎前歯はプロテーパーゴールドのF1(下顎前歯の抜髄は年に1~2本しかありませんが・・・)
小臼歯は上下プロテーパーゴールドのF1~F2
上顎大臼歯 MB、DB、MB2根はF1 P根はF2
下顎大臼歯 MB、ML、DB、DLはF1 D根が1根の場合F1~F2
と抜髄の場合必要性最低限の形成でなるべく当日根管充填+コア
毎年同じこと書いていますが、今回は2019年版ということで
2018年
http://eedental.jp/ee_diary/2018/07/post-1789.html
後、声を大にして言いたいのは、
抜髄は細菌感染させないことが最も大切で、
「先端まで穿通させること」
「ガッタパチャーを根尖まで入れること」
が大切な訳ではありません。
セミナーでよくいうのが、
抜髄は神経をどこのディメンジョンで処理するかの話であり、
大学などでは根尖で切れと教えられるが、それがまず間違い
感染さえしていなければ、根管口で切っても良い訳です。
その際、止血と封鎖さえ気を付ければいい。
たぶんGPの先生だったら、この方法の方が簡易的で成功率は高い気がします。
抜髄時のなかなか引かない大きな痛みの多くは細菌感染しているから長く痛みが続くのです。
そもそも抜髄は何回にも分けて長期間治療しない方がいいです。
(盲腸の手術、「今日はここまで」と複数回に分けないでしょ!?)
私が大学関係者なら根管治療前に生活歯髄切断を徹底的に実習で教えますね!
(全然大学と関係ない人間なので好き勝手いえますわ(笑))
話がズレました。
私の現在の根充法
目安は、ファイルで真円に削り終わった歯はシングルポイント法
だ円形に形成が終わった歯はコンテニアスウエーブ
シーラーはBCシーラーを使用しています。
この辺は去年書いていますね。
http://eedental.jp/ee_diary/2018/09/2018-3.html
後、大体大臼歯の抜髄は3mm程度の穴からのアプローチで済ませています。
何故か小さく削る根管治療って否定されますが、この穴からMB2も十分処理できます。
手術(根管治療)の際の切開(髄腔開口)は小さい方が何かといいと思うのですが・・・
何故か歯科では否定形が多いですね( ・ ε ・;)
興味のある先生は参考にしてください。
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