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2018年 「歯内療法専門医 井野使用Ni-Tiファイル」 (まとめ)
- 2018年7月19日 09:04
- 歯内療法日記
たまに、治療で来院される先生から
Q1、「根管治療の際のファイルって何を使っていますか?」
と聞かれますが、
一応最新の世代の4~5世代目のものを使用しています。
(4世代目になりかなり折れにくくなってきていますね)
モーターは「トライオートZX2」
https://www.dental-plaza.com/article/triauto_zx2/
私は昔からトライオートでトライオート2はEMR、トルクコントロールに優れたものでトライオート2に代えてからファイル破折は今の所「零」です!
Ni-Tiファイルですが、
抜髄の85%のケースで、Kファイルの#10穿通後には
1、ボルテックスブルー #15 テーパー06 で根尖まで形成
https://www.dentsply-sankin.com/product/detail/867/
2、プロテーパーゴールド F1 ⇒ 必要ならF2、F3 まで拡大
https://www.dentsply-sankin.com/product/detail/874/
抜髄の大臼歯なら:MB,MB2,DB根はF1 P根はF2~F3 で拡大を済ませます。
根尖をあまり大きく削らない理由は、
抜髄時、菌は根尖には殆どいないと思いますので、不必要な拡大はする必要はないと考えています。(NC洗浄で歯髄を溶かし綺麗にしています)
根尖は最終的にハンドのKファイル#25or#30で形成して整えています。
と言う、Ni-Tiファイル2~3本の組み合わせファイルで拡大を行っています。
フレキシブルなファイルを使えば、3mmの穴からでもこのぐらいの形成は可能です。
Q2、「じゃあ、残りの15%の抜髄ケースは!?」
「どんなファイルを使用しているの!?」
15%ぐらいでしょうか、
根管形態の難易度の高い場合/歯質が硬い場合は、
根尖までボルテックスブルーを2本使います。
#10Kファイル穿通後
・ボルテックスの06 #15(白)と#20(黄)を交互に使い根尖にボルテックス#15を到達させています。
ボルテックス白 ⇔ ボルテックス黄色 の繰り返し
その後、プロテーパーゴールドF1
*多くのメーカー推奨のフルレングステクニックは効率的で半分ぐらいのケースには対応可能ですが、無理に根尖を攻める&使い方に慣れていないとファイル破折のリスクも大きいのも事実です。
⇒ 難易度/症例に合わせて、クラウンダウンを取り入れた方がいいでしょう。
現在の4世代Ni-Tiファイルシステムはどのメーカーを使用しても安定した形成ができるようになっているので、どのメーカーのものを使用してもOKです!ヽ( ̄▽ ̄)ノ
Q3)
ファイルは「ボルテックスブルー」と「プロテーパーゴールド」だけですか!?
私の1つのお助けアイテムを!
それが「GTファイル(アクセサリー)」(ブキャナン先生考案のもの)
テーパー12 #35・#50 鬼太いファイルです!
このファイル根管口の漏斗状形成に持ってこい!
根管治療の難易度を下げるには根管口付近を少し大き目に削ることです。
この部分をゲイツで削る先生もおられますが、
#5,⇒#4,⇒#3と交換するのがメンドクサイのと結構折れるのでランニングコストがかかるのがネック・・・
3mmの入口からアプローチする根管治療でも、
基本は同じで根管入口の漏斗状拡大はこのGTファイルで行っています。
その方が治療がスムーズに進むのと、後のNi-Tiファイルがスムーズに入るようになります。
後、根管上部を必要なだけ削っておいた方がファイルの負担も減るので破折率も下がる気がします。
ただ、このGTファイル 2世代目のファイルということもあり、
数年前に販売が終わってしまっています。
代用品としては「Vortex orifice opener」
私も、このファイルの#25 テーパー10は使用していますが、
MB2の入り口を最初に大きくするのに重宝しています。
レングスは入口を削るメインなので16mmのものを使用しています。
*根管中部まで攻めたい先生は19mmでもいいですが、根管入口を削るには不向きです。
「Vortex orifice opener」は現在日本での販売はないので、海外通販で購入してください。
後、2カ月に1回ぐらい超湾曲根管に使用しているのが
「xp endo shaper」
http://www.hakusui-trading.co.jp/catalog/detail.php?id=720
かなりの湾曲でも削れますが、1本がかなり高いファイルなので、
イージーケースには既存のファイルで十分かと思います。
排膿がなかなか止まらないような洗浄ケースには際に
「XP-endo finisher」
も使用していますが、意外と汚れが取れてきます。
*シリンジ洗浄、超音波洗浄、ネガティブイリゲーションの限界を感じます。
あっ、ハンドファイルはマニーのKファイルを用いています。
理由1、ファイルが硬くて最初の穿通の際に用いる「プッシュ&プル」にはもってこい!
理由2、年に4回セールになり比較的安く購入可能(細いファイルはほぼ使い捨ての為)
*Kファイル以外の「H」やリーマーなどは使用していません。
極たまにC+ファイルは使用しますが、最近は殆ど使用していませんね・・・
私が使っているファイル基準は、
1、フレキシブルなファイルで折れにくいこと
2、ファイルの切削効率がよい
3、滅菌して何回か使えるファイルであること(6歯で廃棄)
を重視して選択しています。
以上、今の私の使用ファイル状況でした。
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