神経を取った歯の変色
- 2019年4月 2日 09:14
- 歯内療法日記
歯の神経を取ると、歯の新陳代謝が無くなり、徐々に茶褐色に変色してきます。
特に前歯だと気になってくる方も多いと思います。
実はこの変色、神経の取り残しが歯の色に大きく影響しており、
歯冠部の神経の取り残しが多いほど早く茶色になってきます。
例えば、
【この患者さん若いから、前歯は被せずに残して上げたいので歯の裏側から小さく削って神経の治療をしてあげよう!】
という治療方針のケース
この場合に多く変色歯が現れます。
図
黄色の部分が神経を取った部分
赤色の部分が神経が残りやすい部分
この赤い部分は厚みが細い所で0.1mm程度しかなく
この部分の神経はほぼ透明なので、見えない為に取り残してしまいます。
つまり、
歯を残してあげようとする=変色に大きな影響を及ぼす。
ことにもなります。
私の経験でも多くの場合、顕微鏡で治療を行うとこの赤い部分に神経の取り残しが見られ、
死んだ神経が茶色として残っており、この茶色が歯の色に影響しています。
*前歯といえど顕微鏡を用いて治療した方がいい理由の1つでもあります。
歯内療法専門医の神経へのアプローチ
実は前歯ほど意外に大きな穴を開けて治療します。
(私は奥歯でも3~3.5mm程度の穴から治療をしていますが、前歯の方は4mm程度は削ります)
結論を言えば、
ここの部分をきちんと処理しないと変色が早く、濃く出てしまいます。
上の患者さん
歯冠部の残った神経を取り、インターナルブリーチをして、ここまで色が改善しました。
*傾向として、歯ぐきよりのエナメル質が薄い部分は改善が薄い傾向があります。
でもどうでしょう!?
術前よりは自然感があります。
(切端側の透明感も出てきています)
セラミッククラウンで大きく削って被せてしまうのも1つですし、
根管治療+ブリーチで色の改善を図るのも1つの方法です。
変色した歯どう治しましょう!?( ・ ω ・)
ha
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