抜歯する前に出来ること
- 2024年10月11日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
咬むと痛い症状が続いており、お盆明けに腫れてきてしまい抗生剤を飲んだ。
かかりつけの先生には前に「抜歯」と言われている。
レントゲン
近心根に根尖病変が見られるのですが、歯頚部あたりの黄色の丸部分に凄く違和感を感じる所見
過去に2回根管治療をしているとのことなんですが、根管充填材がレントゲン上で全く入っていない・・・
患者さんには1本の歯に2か所問題があること、赤い丸は細菌感染により起こる極々一般的な病気
問題は黄色の丸部分、可能性として①虫歯、②過去の治療で削り過ぎたパフォレーション、③外部吸収
治療してみないと分からないが経験的に②、③の可能性が高い
クラウン、メタルコアを除去すると歯の中に広がる不良肉芽。。。
*赤色の部分が歯肉 本来この部分は健康な歯がある場所です。
このケース②のパフォレーションのような気がしましたが、ただここまで削る!?という所まで削ってあったので、そういった面からは③の外部吸収も考えられます。
歯質も多少凸凹しておりザラザラだったので外部吸収かも!?
今回の穴は骨の辺りまで進行しており、骨からの出血をコントロールしながら隔壁を行い各根穿通、拡大洗浄まで
術中のレントゲンでは綺麗に隔壁は作れています。
裸眼で行う根管治療は見えずに手の感覚で治療を行うので削り過ぎもたまにあるのですが、ただ穴を開ければ多量の出血があるので先生も患者さんには一言いうと思います。
1回目の治療から3週後
腫れや痛みも無いとのとで根管充填+レジンコア+仮歯まで
術後のレントゲンで確認しましたが、綺麗に治療出来ています。
この後、半年仮歯で様子をみてもらい、半年後にレントゲンで確認を行います。
こういった難しいケースをやっていると、難しいケースを集めているかのようになりますが、
正直、1回目の治療からさせて頂ければわざわざこんな難しいことしなくてもいいのにな・・・
とは思います( - ω - ;)ゞ
根管治療は回数を重ねる度に、治療の難易度も上がり成功率も下がり残る健康な歯質も無くなって行きます。
自分の歯を長く残したい患者さんは、1回目から歯内療法専門医に治療してもらうのが個人的にはいいと思います。
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