違和感の続く歯の根管治療
- 2024年11月27日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性 左上の違和感がずっとあるとのこと
レントゲン
セラミッククラウンの入っている左上6
根尖病変は無いのですが、赤丸の部分の骨が溶けているように見えこの部分が怪しい・・・!?
ただ、この歯も例に埋もれず、近心頬側根未治療
手付かずの近心頬側根... - EE DENTAL_Blog
治療を行うと、髄床底部に大きなパフォレーション
前の先生が頑張って近心頬側根を探しに行った為か近心頬側根付近にもパフォレーション×2の合計3つのパフォレーション。。。
大きなパフォレーション部分のレジンコアを除去すると、膿が出てきました。
根尖病変もないし、膿も出るということから違和感の原因はパフォレーションと思われます。
また前の先生が頑張って探しに行った近心頬側根は石灰化しており閉鎖していました。
閉鎖した根尖病変のない根管はわざわざ削る必要もないので、開いている根管のみ根管充填
同日にレジンコアまで1回の治療で仕上げました。
また、前後の右上5・右上7に大きな虫歯があり
患者さんにほおっておくと神経取る様な大きな虫歯があること
神経を取ると今回のような膿が出てくる状況になりやすいので治療をしておいた方がいいですよ!と説明
2本とも虫歯はかなり大きかったですが、症状が無いことより普通のレジン充填
術後1年
症状もなく普通に使えているとのこと
レントゲンも悪くはないですし、これであったらセラミッククラウンを入れても問題無いでしょう!
裸眼で頑張る先生は0.1mm程度に細くなった神経管を見つけるのは至難の業
個人的には抜髄であれば、神経管を何度も何度も探すより無いと割りきってすぐにレジンコア入れた方が予後は良いと思っています。
この辺りは顕微鏡のある・無いでも差の生まれてしまう所ですが、
歯のような小さな組織の治療(修復)であれば、拡大視野下で治療を受けるというのは
歯を長く持たせる為にはマストだと思っています。
一応専門医なので、顕微鏡下で怪しいと思えば超音波でピンポイントで怪しい場所を削り
細い神経管でも0.06mmのヤスリ(Kファイル)で探しには行きますが、無いと判断したら無理に歯を削って根充剤(ガッタパーチャー)をいれるような行為(←治す為の治療ではない)は行いません。
今回のケース治ってくれて一安心です。
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