手付かずの近心頬側根...
- 2024年11月23日 09:00
- 歯内療法日記
奥歯の神経治療
基本的に奥歯の神経管の数は4本であることが多いのですが、きちんと4本仕上げるには相当大変です。
4本のうち2本は道具がまだ届きやすい場所に神経管があるのですが、
3本目の神経管は道具は届きにくく、神経管も曲がっている為かなり治療しにくくなってしまいます。
また4本目に至っては3本目より更に見つけにくく、道具が更に入りにくい場所にあります。
レントゲンを撮るとよくあるパターンは2本のみ治療がされておりガッタパーチャーは2本見られるパターン
黄色の矢印の場所に神経管が1~2本あるのですが、ほぼほぼ手づかず。
こういったケースは小柄の女性患者さんに多いです。
その理由は口の開く量が少なく、道具が入れにくいからです。
レントゲンのケースも開口量の少ない女性患者さんでした。
患者さん的には歯科医師の技術不足、怠慢のように思えますが、個人的に保険診療費では仕方がないと思います。
この場所をきちんと仕上げる為には技術・道具・時間・お金がかかります。
原資となる治療費が安過ぎるので、ある程度の所でキリにするのは経営的には仕方がないと思います。
で、結果再治療・再再治療となり歯が無くなり患者さんが困る訳なのですが・・・
これだけ物価が急激に上がっている現状で、日本の保険歯科治療費は全く変わっていません。
ただ、材料費は2倍近くに上がっているものもありますし、殆どの道具は5年前の価格では購入できません。
今後ますます負のサイクルに入っていくと思います。
先のレントゲンのケース
根尖病変やクラウン不適による大きな虫歯があった為治療をさせてもらいました。
1本につき治療回数2回 根管治療+レジンコア+仮歯まで
きちんと治療を行うと、このように3本の白い線が見られます。
*3本目と4本目の神経管は重なって見えることも多々ありますので、4本線を映す為にはちょっとレントゲンの撮り方を工夫する必要があります。
基本的に奥歯の神経管の治療は歯科治療の中でも難しく、多くの先生が嫌がる所です。
もし最初からきちんと治療したいという患者さんがおられましたら、保存系の専門医や歯内療法専門医などに相談されるといいかもしれませんよ。
うまく行けば神経を保存できる場合もあります。
銀歯の中の虫歯の有無は殆ど分かりません。 - EE DENTAL_Blog
今回の患者さんのケースも根尖病変があったので、半年仮歯で生活してもらい経過をみたいと思います。
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