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歯内療法日記: 2011年8月アーカイブ
根管治療後の『意図的再植術』
- 2011年8月29日 08:41
- 歯内療法日記
今回は、
何とか歯を保存できた一症例を(-c_,- 。)
術前 一番右の歯の根管治療
顕微鏡で根管を探してみるもののなかなか根管が見つからない
3回ほど顕微鏡で根管を探してみましたが、全く根管の手掛かりもなく
消毒だけ徹底して行い根管充填
術後しばらく病変が治るか経過を見て行ったのですが。。。
(根の先の黒い影が治るか見ています)
意図的再植術に踏み切ることにしました。。。
意図的再植術
一度歯を抜いて根の周りを掃除して戻す治療です。
詳しくは動画をご覧ください。
'
今回取れたレントゲン上の黒い影(肉団子のような物)
大きさは約4mm程度
抜いた歯を戻した所(一番下の歯)
手術後写真
根の先端の白い物はMTA
3ヶ月予後
一層黒い部分が小さくなってきたかな!?
(黒い部分が減る=骨が回復してきた)
6ヶ月予後
だいぶ骨が出来あがって来てくれました。
これなら大丈夫そうです!(^―^)
外科処置は歯を残す最後のオプション治療になります!
やり直しの感染根管治療って難しいんですよ ( ゚Д゚)ノ
神経を取らないように、
もし神経を取ることになったら1回目の根の治療にこそ質の高い根管治療を受けられてくださいね!
しかし、根管見つからなかった。。。(><;)
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大きな病変(膿の袋)
- 2011年8月 9日 19:50
- 歯内療法日記
http://eedental.jp/eeblog/2011/05/post-294.html
右のレントゲンではその黒い部分が減って行っているのがお分かりになるでしょうか!?
たまたま上手く行きそうですが、
『病変が大きい=即抜歯』
にはならないと言う一例ですね!(・∀・)
注意)今回のケースかなり骨の治りが早いですヾ(゜∀゜)
後、9ヶ月経過を診て行きます!
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演題名「癒合歯での根管治療の経験」
- 2011年8月 8日 17:05
- 歯内療法日記
演題名「癒合歯での根管治療の経験」
所属 EEデンタル
事前抄録
下顎の過剰歯の出現率は上顎の37.8%に比べ2.0%とかなり少ない。
なかでも、下顎第二大臼歯が臼傍歯と癒合するケースはかなり稀である。
北村らの報告によると根管の形態は非常に複雑で治療には困難を極めると言う。
今回演者は下顎第二大臼歯と臼傍歯の癒合歯に対し、根管治療を行ったのでその概要を報告する。
患者は、30代、女性、『近医の歯科医院で病変を指摘され』来院。
患歯は左側第二大臼歯で、過去に留学先のカナダでレジン充填を施されている。
癒合歯であったが保存を第一目標とし、抜髄を行った。
治療、特に根管の把握では歯科用コーンビームCT、マイクロスコープがその一助になった。
癒合していた大きな神経管にはMTAを用いて根管充填、正常な形態であった根管には
垂直加圧法(コンテニアスウエーブ)を用いた。
また、歯冠修復では、複雑な辺縁形態の鋳造冠を避け、コンポジットレジンを用いた。
現在術後9ヶ月を経過しているが、問題は全く認めない。
抄録でした。。。
中部歯内療法学会のスライドは7割完成!
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マイクロスコープで分るイスムス
- 2011年8月 7日 17:11
- 歯内療法日記
イスムスのことを書こうと思って早3ヶ月が経過。。。
またスライドネタなんですが、
マイクロスコープ(歯科用顕微鏡のこと)
ちまたでは
『根の先端まで観察出来ないんだから根管治療には意味ないよ』
とおっしゃる先生もいるそうなんですが。。。(*ノω<*)
マイクロスコープがあると、ある程度イスムスに対する処理ができます。
根管上部のイスムス
解説図
赤丸の部分がイスムスと言って細い溝状の神経です。
近接した神経管と神経管の多くにはこのようにお互いが手を取り合ったような形で細い溝で繋がっていますd(・ω・ )
当然この部分の神経も除去した方が良い訳なのですが・・・
実はこの溝(イスムス)裸眼では殆ど見えません(; ̄Д ̄)
見えた所で綺麗になっているかも確認出来ません(; ̄Д ̄)(; ̄Д ̄)(; ̄Д ̄)
左の赤丸の中の「白いカス」のように除去しきれていませんでした・・・
顕微鏡があると上部のイスムスの有無、
綺麗になっているかの確認ができます! ヾ(・∀・)/
次に根尖近くのイスムス
2本の神経管のうち、1本(頬側根)の根の先に病変が出来てしまっていました。
青丸の部分が根の先の方のイスムス
白い線が神経管2本の白い線の間を繋ぐように横に白い線があります。
こんな根の先でも神経管は繋がっています(-ω-;)
こんな深い所の神経管が繋がっているのが分るのか!?(;@3@)
実は顕微鏡の使い方で分るんですねぇ〜
分っているから、
そういった方法の根管充填法をチョイスするんですねぇ!(。→∀←。)
と言うスライド・動画を作っています。
講演の時に話します(´-ω-`;)ゞ
と言うか、本編のイスムスブログ残り3割作らなくては。。。
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ここ20カ月の根管治療の平均値を調べてみた!
- 2011年8月 5日 20:06
- 歯内療法日記
ここ最近のデーターを取ってみた(スライド作りの為に)
このデーターは根管治療スタートから根管充填までの回数をカウントしました。
http://eedental.jp/eeblog/2010/04/or.html
最近の流れとして少ない回数での治療が流行りなのですが、
さてさて、私の治療回数平均は!?
また中途半端な期間の20カ月(´-ω-`;)ゞ
『抜髄総本数 33本』
前歯 2本
小臼歯 7本
大臼歯 24本
*Necrosis Pulp(壊死した神経)は感染根管の方でカウントしました。
前歯2本
治療回数
1回 0本
2回 2本
平均:2回
小臼歯7本
治療回数
1回 0本
2回 5本
3回 2本
平均:2.3回
大臼歯24本
治療回数
1回 0本
2回 4本
3回 16本
4回 4本
平均:3.0回
『抜髄 平均2.79回』
*1回の治療時間約1:30分
治療期間7〜10日に1回
『感染根管総本数 168本』
前歯 56本
小臼歯 42本
大臼歯 70本
前歯56本
治療回数
1回 11本
2回 34本
3回 8本
4回 1本
5回 2本
平均:2.1回
小臼歯42本
治療回数
1回 3本
2回 29本
3回 7本
4回 1本
5回 1本
6回 1本
平均:2.3回
大臼歯70本
治療回数
1回 1本
2回 31本
3回 25本
4回 5本
5回 3本
6回 1本
7回 2本
10回 1本
11回 1本
平均:3.1回
『感染根管 平均2.54回』
こうみてみると
やはり感染根管処置(やり直しの治療)割合が多いですね!
5倍近く差があります。(「凄い!5倍以上のエネルギーゲインがある」byアムロ)
まぁ、専門でしているので必然的に感染根管の割合が多くなります。
また、虫歯が大きくても顕微鏡で丁寧に虫歯を除去していくと神経守れることも多いので抜髄自体の本数はあまり多くないですd(・ω・ )
http://eedental.jp/eeblog/2011/04/post-274.html
ある面、抜髄が少ない歯科医院が理想ですね!
↑出来るだけ神経・歯を守っている指標になりますからd(・ω・ )
ただ、治療の難度でいうと抜髄より圧倒的に感染根管の方が難しいですけど・・・
来院回数を見てみると、
感染根管の方が平均来院回数少なくなっています。
(たぶん普通は逆になると思うのですが)
考察、
抜髄の方は大臼歯の割合が多いこと。
(奥歯の方が神経管の数が多くて、治療は複雑になる分治療回数はかかってきます)
私は抜髄の場合必ずペリオドンを1回貼薬して、2回目から根管を触るので、カウントが1回増えてしまいます。
一方感染根管は1回目の治療から根管内のガッタパチャーを除去しにに行きますので、この差が数字に出てきているのかなと思います。
しかし、感染根管の10回、11回って。。。
多いですね( ̄‥ ̄;)
さてこのデーターをスライドに!
疲れたから、明日やろう・・・(><;)
成功率のデーターも取りたいのですが・・・
上手く行っているのか、痛みがでていないのか・・・
1年後のレントゲン診査に来て頂ける方が少なく。。。
今月から電話で定期レントゲンのお知らせの方をさせて頂きますm(_ _;)m
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