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歯内療法日記: 2025年3月アーカイブ

外科的歯内療法で治ったケース

患者さんは50代女性 昔から来院して頂いている患者さん 

先日他の歯の件で来院してもらった際に

過去に外科的歯内療法を行い、術後の経過を追えていなかった第一大臼歯(6番)のレントゲンを撮らせてもらいました。

 

この歯は

2025 EEdental SIA (1).jpg

2009年に根管治療をした歯でしたが、2017年に腫れてきてしまい、

レントゲンでは病変が大きく広がっており、。歯根破折のような所見もありました。

  

2025 EEdental SIA (2).jpg

外科的歯内療法で保存治療を行いました。

 

そこから経過が追えていませんでしたが、先日来院された際にレントゲンを撮らせてもらいました。

2025 EEdental SIA (3).jpg

綺麗に骨も出来上がってくれており、患者さんも何の症状もなく生活出来ているとのこと

  

一応、根管治療した歯、外科的歯内療法をした歯に関しては、半年後と1年後にレントゲン診察しますので来てくださいね!

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海外の患者さんからすると治療費安い!?

EEデンタル自費治療専門で保険診療に比べ治療費はざっくり10~15倍の費用を設定です。

患者さんからすると、

「高っ! 何でこんなに治療費違うの!?」

と思われると思います。  

詳しくはこちらを:自費診療専門の理由と開業の経緯アーカイブ - EE DENTAL_Blog

最近、私は一人の治療時間は虫歯1本:1時間半~2時間の時間を頂きます。(咬合面などは1時間の場合もあります)

保険診療だと1時間で4~5人の患者さんを診ます(流行っている歯科医院だと6名ぐらい)

2時間診療を行うと8人前後の患者さんとなります、またその中で自費治療を受けられる方もいると思います、そうすると売り上げは保険治療を主体としている方が大きくなります。

  

つまり8人診れるところを1人に集中するので、8~10人分の費用をもらわないと同じ売り上げを上げれません。

また保険診療のように3割負担ではないので、ますます高く感じると思います。

  

 

ただ、最近開業以来4回目の言葉を言われました。

その言葉とは、「先生の歯科医院は治療費安目ですよね

  

1回目は歯科医師の先生(顕微鏡歯科学会の飲み会で)

2回目は海外の患者さん

3回目も歯科医師の患者さん

今回も海外の患者さん

 

海外、特に医療費の高いオーストラリア、アメリカに比べると日本の自費治療費は安いですよね。

個人的には海外で受ける治療より上のクオリティー出していると思いますが(笑)

      

以前、講演を聞いた時も 一流処の先生の治療費は根管治療1本30万以上

クラウンまで一流の専門医にかかると1本70万ぐらいするのではないでしょうか。

*保険診療なら3割負担で2万円以下で治療出来ます。

   

ホント、最近海外にお住いの日本人患者さんを診る機会が増えてきています。

今年だけでも、アメリカ、オーストラリア、ドイツ、台湾、ベトナム、

 

知ってます!?ベトナムの治療費って日本の保険治療より高いんですよ!

20年までは考えられなかったです。

   

飛行機代を払って日本で治療を受けたい患者さん層がこんなにいるとは思いもよりませんでした。

 

今回の患者さんも30代女性 ドイツで右下奥歯に虫歯があり治療が必要と言われ、

EEデンタルの患者さんのお母さんからの紹介で診させてもらいました。

 

問題は虫歯の位置・・・

2025 EEdental TAA (1).jpg

歯茎の中で、凄い難しい場所に出来てしまっています。

不思議なのがこういった大きな虫歯が急に出来るのは最後大臼歯が凄く多いんですよね。

たぶん、咬む力も関係していると思うのですが、一番奥の歯はトラブルを起こしやすいです。 

  

先日も患者さんでおられたのですが、こういうケース①抜歯→インプラント、もしくは

②矯正治療+歯肉弁根尖側移動術+虫歯治療+クラウン(オール自費) と先生に言われ

「何とかなりませんか!?」と来院されましたが、

個人的には縁下から顕微鏡下でレジンで立ち上げた方が、時間もお金もかからずに予後の良い方法だと思っています。

歯茎の中まで削り過ぎたインレーで歯肉弁根尖側移動術!? - EE DENTAL_Blog

  

今回のケースも患者さんの帰国のタイムリミットがあるので、①、②の方法は取っていられません。

ですので、患者さんには今後毎日歯間ブラシは通してもらうことを条件に、縁下からレジンで立ち上げ外科なしに治療を行いました。

2025 EEdental TAA (2).jpg

 

しばらく仮歯で様子を見て、痛みや腫れのないことを確認して

2025 EEdental TAA (3).jpg

ゴールドクラウンを入れさせてもらいました。

 

個人的には第2大臼歯のクラウンはゴールドクラウンが最も予後が良いです。 

正直、最近色々な新しい材料が出てきていますが、やはり歴史ある材料は歯科では最も信頼性が高いです。

歯科材料はホント色々な材料が出ますが、一時はブームのように使われその後問題が分かり無くなる材料が多いです。つまり「最新の材料=信頼性が低い」と言えます。 

 

一応、海外からの患者さん向けに

目安として、C2(神経を取らない)なら2週間ぐらい日本に滞在できる方

根管治療が必要な方は最低1ヵ月ぐらい日本に滞在できる方(仮歯まで、本歯希望は+1ヵ月)

*問題があればフォローできる時間込みです。

参考にしてください。

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見つからない神経管と綿栓根充

患者さんは50代男性

近医の先生から根管が見つからないと紹介されました。

 

正直、こういった案件で紹介してくれる先生は凄い患者さん思いだと思います。

分からず頑張り過ぎてしまってパフォレーション・・・、患者さんに告知なしで蓋だけして終了しているケースはちょくちょくあります。 

 

患者さんの話を聞くと、

過去に神経の治療をしていた歯、固いものを咬んだ拍子に歯がバキッと折れてしまった。

前々からぐらつく感じはあったとのこと

 

レントゲン

2025 EEdental OOY (1).jpg

折れてしまった為か歯茎の上に健康な歯はなく、先生が仮歯を入れてくれていました。。

小さなレントゲンでは神経管は映っていません。

*神経管が映らない=神経管が細い、もしくは無くなった

 

ただ、CTを撮るとうっすら神経管が!? 

矢状断で見ると、神経管も少し唇側側にありそうです。

2025 EEdental OOY (5).jpg

ただ、水平断で見ると、  

2025 EEdental OOY (6).jpg

どの面で見てもかすかにあるか!?という感じ

仮詰めのレジンを全て削り取り、根管を探すも

「ん~、よく分からない・・・」

CTと睨めっこを行い、歯の中心から唇側を怖がりながら攻めると

何か人工物を見つける、なんだこれ!?と除去してみると

2025 EEdental OOY (2).jpg

もの凄い細い綿栓(綿)が出てくる。(こういう綿栓って歯に張り付いていることが多いので取るのが大変、今回はNi-Tiファイルに巻き付かせ除去しました)

 

綿栓が出てきたということはこれがオリジナルの神経管!?

 

歯の位置的に中心よりかなり唇側にあり、パフォレーションではないことを祈りつつ治療を進める

2025 EEdental OOY (3).jpg

穴が2つありますが、上がオリジナルの神経管、下がフェイクの神経管

*このケースはラバーなしで治療を行いました。

前歯の深い場所の捜索は、ラバーすると周りの歯の軸が分からず変な場所を削り過ぎる傾向があるので、私はこういったケースはラバーなしで治療を行う事があります。

ラバーダム絶対信者ではないので(笑)

 

術後レントゲン

2025 EEdental OOY (4).jpg 

過去の治療でガッタパーチャーを使っていればレントゲンにもヒントが現れもっと治療がスムーズに行ったと思うのですが、歯の中に入っている綿はレントゲンに写らない為、非常に難しい診断&治療となってしまいました。

   

治療後にCTを見直していると、

2025 EEdental OOY (7).jpg

なるほど、この白い点が綿栓で根管に蓋をしていたのか!と分かりました。

*今回の綿栓もの凄く細かったので、裸眼ではまず見つけれないレベルでした。

  

大昔は、神経治療後に綿を詰めていた時代もありますが、ここ最近では珍しいケースでした。

自分の頭の中にも綿栓根充という考えは無かったので、こういうケースもあるのかと良い経験が積めました( >ω<)b 

 

この後、患者さんには仮歯で1~2ヵ月生活してもらい、症状が出なければかかりつけの先生にクラウンを作ってもらいます。

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治らない歯の見極め

自費専門で歯内療法専門医をしていると、残すには凄く難しい歯が多いのです。

ただ、来院してくれる患者さんの希望は何とか残したいという希望をどう叶えるか!?

 

一応歯内療法専門医ですが、

顕微鏡下における虫歯治療、特にレジンも同じぐらい専門です。

言い方を変えると、

「歯を長く残すにはどうすればいいのか!?」が専門です。

   

患者さんは50代女性

腫れてきてしまい近くの歯科医院に行くと

以前の根の治療に問題があり膿が溜っていると言われた。

とのこと

 

レントゲンを撮ると・・・

2025 EEdental SUY (1).jpg 

左上6には、根尖病変が見られるのですが、頬側2根は手づかず。

また口蓋根も上顎洞に入り込むオーバー根充。

左上5は大きくパフォレーション。。。

  

保険診療は何処でも同じ治療が受けられるという建前ですが、そこはやっぱり差は出ますよ。

特に歯科治療はかかった先生の腕が結果に直結するものです。

 

 

今回のケース、左上6近心根は保存不可能と判断しました。

理由は支える骨がないから、私が抜歯と判断するのは、

①歯が折れている

②歯を支えている骨がなく、グラグラする

この2つは残念ながら抜歯した方がいいと説明します。

 

今回のケースは患者さんの年齢でまだ抜きたくはないということで、根管治療をして近心頬側根だけ分割抜歯(トライセクション)を計画

根管治療後(抜く予定の頬側近心根は根管充填せず)  

2025 EEdental SUY (2).jpg

近心頬側根を分割抜歯

2025 EEdental SUY (3).jpg

抜いた歯を観察すると、たぶん根尖病変がかなり長期的にあったのでしょうね根尖(根の先)に歯石が見られます。

*根尖に歯石が付くのは稀です。(だいぶ前から何らかの治療が必要で、治療の時期が遅すぎることを意味します。 患者さんが悪い訳ではなく病態を指摘をしない歯科医師が悪い)

  

根の先端に歯石が付いているということは、根尖口外感染を起こしており(歯の中の細菌が歯の外まで感染している)一般的な根管治療では治らないことを意味しています。

こういったケースは頑張って何度も何度も、1年治療しても治ることはありません。

  

抜いた後の結果論ですが、見立ては合っていたとなります。  

次は、左上5 どう治すのが歯を残せるか!?(>。<)

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