治らない歯の見極め
- 2025年3月 6日 09:00
- 歯内療法日記
自費専門で歯内療法専門医をしていると、残すには凄く難しい歯が多いのです。
ただ、来院してくれる患者さんの希望は何とか残したいという希望をどう叶えるか!?
一応歯内療法専門医ですが、
顕微鏡下における虫歯治療、特にレジンも同じぐらい専門です。
言い方を変えると、
「歯を長く残すにはどうすればいいのか!?」が専門です。
患者さんは50代女性
腫れてきてしまい近くの歯科医院に行くと
以前の根の治療に問題があり膿が溜っていると言われた。
とのこと
レントゲンを撮ると・・・
左上6には、根尖病変が見られるのですが、頬側2根は手づかず。
また口蓋根も上顎洞に入り込むオーバー根充。
左上5は大きくパフォレーション。。。
保険診療は何処でも同じ治療が受けられるという建前ですが、そこはやっぱり差は出ますよ。
特に歯科治療はかかった先生の腕が結果に直結するものです。
今回のケース、左上6近心根は保存不可能と判断しました。
理由は支える骨がないから、私が抜歯と判断するのは、
①歯が折れている
②歯を支えている骨がなく、グラグラする
この2つは残念ながら抜歯した方がいいと説明します。
今回のケースは患者さんの年齢でまだ抜きたくはないということで、根管治療をして近心頬側根だけ分割抜歯(トライセクション)を計画
根管治療後(抜く予定の頬側近心根は根管充填せず)
近心頬側根を分割抜歯
抜いた歯を観察すると、たぶん根尖病変がかなり長期的にあったのでしょうね根尖(根の先)に歯石が見られます。
*根尖に歯石が付くのは稀です。(だいぶ前から何らかの治療が必要で、治療の時期が遅すぎることを意味します。 患者さんが悪い訳ではなく病態を指摘をしない歯科医師が悪い)
根の先端に歯石が付いているということは、根尖口外感染を起こしており(歯の中の細菌が歯の外まで感染している)一般的な根管治療では治らないことを意味しています。
こういったケースは頑張って何度も何度も、1年治療しても治ることはありません。
抜いた後の結果論ですが、見立ては合っていたとなります。
次は、左上5 どう治すのが歯を残せるか!?(>。<)
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