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歯内療法日記: 2026年8月アーカイブ
根管治療の限界を感じる... 補綴は早目にお願いします。
- 2026年8月29日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
根管治療の先生に治療してもらっているが治らず、腫れてきて為
「抜歯した方がよい」と言われた。
何とか残せないか!?と来院
現在インプラント治療も並行して行っていて、全体的な咬み合わせの治療中である。
レントゲン
大きな根尖病変があり、根分岐部まで骨が無くなっており感染して結構な時間が経過している感じ
また隔壁もなく近心のガッタパーチャーは残ったまま・・・
まぁ、インプラントを選択肢に持つ病院であれば早目に抜いて骨頂の骨を守りたいというのも分かります。
ただ、患者さんの希望としては歯の保存なので一度トライしてみることにしました。
治療1回目に残っているカリエス除去と隔壁+根管内の人工物除去と徹底的な根管洗浄
治療2回目に根管充填+レジンコア+仮歯
近心根2根は石灰化しており穿通がなかったので、追える所まで追い根管充填(MTAセメントとガッタパーチャーを使用)
術後1年
結構しっかり骨が出来てきてくれています。
ここまでしっかり骨は出来てくれていれば本歯を入れても大丈夫と判断し
かかりつけの先生に補綴を依頼
別件の治療で来院されたのでレントゲンを撮らせてもらいました。
術後4年
仮歯はだいぶすり減ってきていました・・・
根の治療をした人間からすると、早目に補綴(本歯)して欲しい。
膿んで悪くなった歯の成否は根管治療の質
治った後の長期安定は感染しないような精密な土台と被せ物(本歯)
簡単なイメージで言えば、歯の中に細菌が入らないように1つ目の蓋が土台、2つ目の蓋が被せ物になるので、予後の見通しがついたらできるだけ早く2つ目の防御壁を製作してもらいたい。
また、別件で来院されたので
術後5年、レジンコアを形成した痕はあるもののまだ仮歯・・・
歯科も近心根に怪しい影が(泣)
そして先日
腫れた来たとのことで来院
セラミッククラウンが入っていますが、根の方は近心根を取り囲むような透過像が見られます。
ただ、根分岐部の骨はしっかりあります。
折れたかな・・・!?という所見
ただ咬合痛はないとのことで、次回外科的歯内療法で保存治療を行うことになりました。
ん~、あれだけ骨は短期でしっかり出来てくれたのですが、悲しい結果となってしまいました。
他院からの根管治療での紹介では基本この業界では、依頼してきた歯科医院で本歯を入れる流れとなっています。
たまに患者さんが引き続き本歯まで入れて欲しいと言われることありますが、必ずかかりつけに戻ってもらって先生の許可をもらってきてもらいます。
(イメージ的に2割ぐらいの患者さんは先生の許可を貰ってきてくれて、本歯まで作らせてもらっています)
ですので、かかりつけに帰ってもらって本歯を入れる時期というのはかかりつけの先生毎の判断になりますが、歯内療法専門医としては治癒所見が出てきてくれたらすぐに補綴をしてもらいたいというのが希望です。
以前、かかりつけの先生に「良くできた仮歯だから取れるまでこのまま行きましょう!」と3近く年仮歯の患者さんがおられましたが、即答で「いやダメ! 本歯入れてもらってください」と話しました。
仮歯は取り外しが出来るように仮歯用の接着剤を使用しますが、この接着剤は唾液に溶けるので徐々にセメントが溶け歯の中に唾液と共に細菌が入っていきます。
本歯の場合、仮歯より適合が良く歯と被せ物の隙間が少なくでき、レジン系の溶けない接着剤を使うので歯の中での細菌感染リスクが減らせます。
たまに患者さん判断で数年仮歯の患者さんいますが、長期の歯の安定を求めるなら1年ぐらいで本歯にしてくださいね。
お願いします!m(_ _;)m
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歯の長さが長い歯の根管治療
- 2026年8月28日 09:00
- 歯内療法日記
歯の長さは患者さん毎にまちまちで長い人もいれば短い人もいます。
ただ、体の法則として犬歯は横揺れに耐えれるように一番太く、長い根が埋まっています。
歯が長いということは歯の寿命面で言えばメリットが多く
歯周病になってしまった際にも歯が長い人は歯を支える骨もしっかりあり
歯周病でもなかなか歯が揺れてきません。
逆に歯の長さが短い人は揺れが早く出てしまい、咬めなくなってきてしまいます。
これは生まれ持った因子であり、後天的に歯を長くすることはできません。
ただし、後天的に歯の長さを短くすることは可能で、矯正治療をおこなうともれなく歯の長さは短くなります。
成人歯科矯正のリスクとデメリットよく考えてからやってね。 - EE DENTAL_Blog
今回のケース
50代女性 治療をしているがなかなか治らず咬めるようにしたいとのこと
治療中の右上4・5は歯根破折を起こしている所見だったので残念ながら抜歯
右上3は大きな虫歯で穴が開いており、要根管治療
レントゲン
この犬歯かなり歯が長くて作業長が28mm近くありました。
基本的に私がよく使うファイル(ヤスリ)は21mmと25mm
この長さになると年に数回しか使わない31mmという長いファイルを使用します。
ほんと滅多に使わないので、ファイルもGTXファイルという2世代ぐらい前のファイルで形成しました。
因みに、年に数回しか使わない短いファイルは16mm、長いファイルの半分の長さのものです。
ボンデントニッケルチタンファイル - EE DENTAL_Blog
1回法で治療を行いました。(治療時間1時間45分)
神経は既に死んでおり神経からの出血はありませんでした。
根管治療(ガッタパーチャー使用)+レジンコア、レジン充填
今年初めて使ったGTXファイル、やはり今の自分の好みのファイルではなかったので
終売が決定している私のメインファイルのプロテーパーゴールドの31mmに総替えしました。
ニッケルチタンファイルは今安いジェネリックファイルが主流になってきていますが、
個人的には高くても使い慣れた安心できるファイルが精神的にも落ち着きます(笑)
*正直、ファイルなんて20年前と異なりどのファイル使ってもそんなに大きな差はないと思います。
ただ、根管形成のポイントは根管上部を上手に処理するにことに尽きるので、この部分を効率よく削れるプロテーパーの「SX」はおススメです。
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色々な場所が痛む女性患者さんの治療
- 2026年8月21日 09:00
- 歯内療法日記
基本的に男の人は良い意味で鈍感な人が多く、術後もあまり痛みを訴えられるようなことは少なく感染源さえ取れば痛みが長期化することが少ないです。
逆に女性は男性に比べ痛みを感じやすく、長期的に痛みに悩まされる傾向があります。
今回のケース患者さんは60代女性
痛みが色々あり、色々治療を受けているが今は右上のどの歯は痛いか分からない。
右上4、右上6の神経を取ったが痛いので、右上4は2回根管治療を行い
右上6は先生に痛みの原因は歯の中のファイル破折と言われ、既に3回根管治療をしている。
(結局ファイルは取れずMTAセメントで根管充填を行った)
それでも痛みが取れず、外科的歯内療法を行うと言われている。
一度、転院してみたが途中で治療を断られた。
現在は右上の歯の奥の方がド~ンと痛い、1分ぐらいの痛み方
右上5が痛い気もする。
と治療を繰り返して痛みがどこか分からなくなってしまったように感じました。
正直、こうなると痛みを取るには正確な診断と適切な処置を行ない、経過を見ながらの長期戦になってきます。
患者さんにも経験則で痛みが殆どなくなるまでには、かなり時間がかかることを説明させてもらいました。
先日ビックリしたのは、開業医の先生が痛みが取れないということでペインクリニックで出すような三環系抗うつ薬を処方され、怖くて転院してきた患者さん
実は痛みの原因は歯であり歯を治療するとしばらく後には痛みは無くなりました。
個人的には開業医がペインで診断して処方するような薬は安易に処方しない方がいいと考えます。
歯科治療で治す病気を薬で治そうとしても、それは治りませんよ・・・
個人的にはペインクリニックへは、口腔内の方をまずきちんと治療してから受診すべきかと思います。
転院先で先生に治療を断られたとのことでしたが、歯科医師の手に負えないと判断されたからだと思います。自分の範疇で治せるのか、治せないのか!?判断することは非常に大切なポイントだとは思いますが、この場合大学病院などを紹介するのが良かったと思います。
まずレントゲンを撮らせてもらったのですが、
確かに右上6にファイル破折がありますが、取りに行ったが故にかなり太く削っており
たぶん根の先にはパフォレーション・・・
そもそも論ですが、歯の中のファイルは痛みの原因になることは99.9%ありません。
金属が痛みの原因になるのであれば、歯茎から骨の中に入れるインプラントはどうなるの!?
痛みを取るにはまずきちんとした診断の上に行わないと・・・
根尖病変もないですし、私は右上6が痛みの原因になっているとは考えませんでした。
来院2回目
明確に右上7が痛んできている。
何もしなくても多少痛む、ジィ~ンとした痛みが数分で落ち着く、1日2~3回出る。
そこまで大きな虫歯もレントゲン上ではなさそうなので、一度覆髄治療を行ってみました。
術前のレントゲンでははっきり写ってきていませんでしたが、インレーの下に大きな虫歯がありました。
ただ、2週間後、普通にしていてもズキッとする、歯に物が触れると痛い。
と言うことで、歯髄保存は失敗したと判断し根管治療を行いました。
*基本的に術前時に症状のある歯の覆髄は失敗することが多いです。
根管治療(抜髄即充)
ゴールドアンレーSet
2週間後 ジィ~ンとする感じが1日に4~5回数分出る感じ
その後、痛みは左上に移り、ここから右の方の痛みはしばらく無くなる。
左上の治療を行いましたが、痛みは出たり引いたり
レントゲンを撮り患者さんに悪い所見は出ていないことを説明
とりあえずは歯触らず経過観察を行うことに
術後1年9ヵ月
1年半を越え、痛みはようやく無くなってきてくれ順調とのこと
先日久しぶりに来院され全顎検査をさせてもらいました。
問題無さそうです。
今回のように痛みが出た後何本も治療を行うと、どこが痛みの原因か分からなくなり
何度も同じ歯の治療を行い、あげく抜歯 ⇒ 非歯原性歯痛に移行 などたまに見ます。
不思議なことにこれは女性患者さんに多く見られます。
痛みがなかなか引かない患者さんにつきましては、早目に大学病院など専門機関を紹介してもらった方が良いと思います。
私も、自分の治せる範囲まで治療して、痛みが取れなければ井川先生に丸投げです(笑)
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不思議な形の大きな病変
- 2026年8月14日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性 家族からの紹介
前歯から膿が出て、抗生剤を飲んで収まるを3年前から繰り返している
何とか前歯と残せないか!?
という主訴
レントゲンを撮らせてもらうと
図①
大きな病変が3つ見えるのですが、
左のレントゲンでは右上2に大きな病変が見え、右上1の病変はかなり小さく見える
左のレントゲンでは右上1に大きな病変が見え、右上2の病変はないように見える
凄く違和感を感じるレントゲンでCT(CBCT)を撮らせてもらうと
確かに病変は右上1・2、左上1にあります。
ただ・・・
右上1にターゲットを合わせると
だるま状に病変が2つあり、最初のレントゲンを見ると確かに病変が被ったように見えます。
小さな骨欠損の裏に大きな骨欠損があると思われます。
この所見が分かったので、別方向でCTを見てみます。
上のレントゲン(図①)の左側は赤い線のレントゲン線の入り方で、口蓋側の骨のない部分を投影している為右上2にはっきり病変が出てきています。
図①の右側のレントゲンは黄色の線の方向でレントゲン線が入っており、口蓋側の青で囲んだ健康な骨が映ってきているので病変の映りが悪かった。
と推測できます。
レントゲンというのは術者を助けるツールなのですが、
この白黒画像というのは、術者の経験則からイメージ、想像を行い病態を把握します。
ただ、今回のケースは超レア
(CBCTの矢状断の所見などは初めて見ました。)
患者さんに説明を行い、3本の根管治療を行いました。
1回法で側切歯(MTAセメント使用)
左右上1も1回法で
術後6ヵ月
術後腫れも痛みもないそうです。
根尖の所見的には黒い濃い小さな丸部分が消えてきてくれているので治ってきてくれているように見えますが、もう少し経過を見る必要がありそうです。
ただ、今回のようにだるま状に繋がった病変形状は初なのでどのように治って行くのか!?
口蓋側に抜けるようなスルー&スルー状態なので貫通した部分の骨が出来るには結構時間がかかるでしょうね。
毎回膿が出る、抗生剤で抑えるを繰り返しているとどんどん骨が溶けていくので、根尖病変(骨)の治りもかなり時間がかかってきます。
個人的には抗生剤で散らすなどは2回までかなと思います。
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歯の側面の骨吸収
- 2026年8月11日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代女性
3週間前からズキズキし始めてかかりつけで咬み合わせの調整をしてもらった。
1週間前に腫れてきて、その後痛みは治まったが今度は歯茎から膿が出てきた。
抗生剤を処方され3日間飲んでいる。
レントゲンを撮ると
左上4・5の間に透過像があり、どちらとも根尖病変はありません。
原因歯の特定の為に左上4・5の電気歯髄診断を行うと
左上4は正常、左上5の歯髄反応が弱い(殆ど死にかけている)
と言うことで、今回の腫れ・痛みの原因歯は左上5と判断しました。
治療をスタート
銀歯とベース材を除去していくと過去の治療で小さな露髄(神経が出る)をしていたようで、
露髄面からの出血はなく、神経は死んでいました。
裸眼で治療していると、0.1mm程度の露髄だと分からないことが多いともいます。
治療2回目に症状が落ちていていたので、
ガッタパーチャーで根管充填+レジンコア
術後6か月 腫れや症状はないそうです。
術前に比べ病変は小さくなってきています。
術後
術前時よりは病変は出来てきていますが、術後6か月に比べ大きな病変の改善は無さそうです。
患者さんにはかかりつけでクラウンを作ってもらい1年後にももう1度レントゲンを撮ろうと思います。
もし症状が出るようなら、外科的歯内療法で対応しようと思います。
小臼歯は2割近くに側枝があると言われ、そこの側枝に感染が起こると今回のような病変が横に出来ることがあります。
ここまで病変が大きくなったのは数年はかかってると思いますので、可能なら2年に1回ぐらいレントゲンを撮ってもらった方がいいと思います。
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治療が難しい外部・内部吸収
- 2026年8月 4日 09:00
- 歯内療法日記
過去に診させて頂いている患者さんの外部・内部吸収というケースがちょくちょくあります。
不思議なんですが、勤務医の頃などは吸収ケースなんて数年に1ケースあるかないかでしたが、開業してからは年に1~2件コンスタントに出会います。
今回のケース
2014年に全顎的な虫歯治療をさせて頂いた50代の女性患者さん
以前から検診の際に痛みがあると言っていたのですが、問題無いと経過観察をしていたみたいなんですが・・・
レントゲンとCTを撮らせてもらうと
2021年のレントゲンに比べ明かな吸収所見が見られます。
2021年時は咬むとジーンとする症状があり、温かい物が凍みる症状が半年前からあると言われてレジン充填を行った既往がります。
過去のレントゲンを比べてみても
特に悪い所見はありません。
患者さんに残す治療はトライ出来るが、かなり難しい治療になると説明させてもらいました。
口腔内所見
患者さんは前からかかりつけに症状を言っていたのに、見つけてもらえなかったことに悲しんでいましたが。。。
こればっかりは仕方がないような気もします。
理由は先に書いたように、吸収ケースはかなりレアであり歯内療法専門医のように経験本数が多ければ見つけれるのですが、一般歯科の先生だと疑いをかけるのは難しいかもしれません。
またこの吸収は外から見ても分かりません、レントゲンを撮って初めて見つけることができます。
一般的な歯科医院の保険メンテナンスは、歯石取りが中心であり虫歯や吸収を積極的に見つけにいくものではないので歯科医師的には仕方がないと前の先生をかばう言い方になってしまいます。
ただ、時間とお金を使って健康を維持させる為に歯科医院に行っていた患者さんからすると解せないとは思います。
ホント、歯の吸収を見つけるのは疑いをかけるという経験値が必要となります。
こちらの患者さんも3件歯科医院に行っても原因が分からなかったケース:歯科医院3軒でCTまで撮ったが痛みの原因が分からない - EE DENTAL_Blog
患者さんに了解をもらって治療することになりました。
吸収部分は歯の中から外まで貫通しており、1回目の治療で止血しながら穴の開いた部分をレジンで修復
(根管治療前の下処理だけで2時間を使いました・・・)
治療2回目
4本の神経管を見つけ、掃除&消毒
治療3回目
根管充填+レジンコア+レジン充填
術後
腫れや症状もなく、レントゲン所見でも悪い感じはない。
今回のケース、かなり大きく吸収が起こってしまっていましたが、ホント何が原因で吸収が起こるか知りたいです。
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