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前歯のレジン(中切歯)

先週東名高速の通行止めに巻き込まれた院長です(★。★)

何でたまたま横浜に行く日に。。。

 

今回は前歯のレジンの事でも、

当たり前のようで知られていない本当の話しを1つ、

「歯の色・形は様々であり、どれ1つ同じ色・形はありません」

 

もう1つ、ブッチャけて言うと、

 「レジン、セラミックで完全に色を合わすことは不可能です。。。」(><;)

 

光の関係なのですが、光源が変わると歯の色はカメレオンのように変わります。

ただレジン、セラミックはここまでファジーに変化が出来ない材料なのです。

 

 *たまに本物の歯と全く同じ修復を求められますが、「無理です」    ガ━━Σ(゚Д゚|||)━━ン!!

 天然の歯=鉱物(水晶、サファイヤ、オパールなどの石)と同じ

 治す材料  =プラスチック、陶材

ですから、全く同じには出来ないんです、化学式も構造も違い過ぎます。。。

 

と身も蓋もないことを言ってレジンブログスタートです(笑)

(でも よりリアルにを追求しますよ、一応目指せ『一流半』の審美歯科医院としては^^;) 

 

 

口の中には同じ色、同じ形で治さないと綺麗に見えない場所が存在します。

 

それが上の前歯(中切歯)なのです。

例えば、上の写真は非常に見た目が悪く見えてしまいます。

前歯.jpg 

これを下の様に同じ形(に近い)に治すとどうでしょう!? 

 

見た目がよく見えませんか!?

 

この場所の修復は左右対称に見せないといけないので非常に気を使いますし難しいです(泣)

 

以前、私が尊敬する超一流セラミストの方と話していた時も

「前歯(中切歯)1本の修復が最も気を使う」

と話されていました。

 

なぜ、難しいのか!?

先ほど書いたように、この真ん中の前歯2本は『色』『形』を揃えないと綺麗に見せることが出来ないからです(´-ω-`;)

言わば、双子の歯を作る必要があるから難しいのです。

 (生まれた時は双子の歯でも1本治療をすると=1人が整形手術を受けブッカコウに。。。みたいな状態になります( ̄▼ ̄|||) )

 

口の他の部位ではこのような「色」と「形」まで揃えないといけないという部位はありませんφ(・ω・ )

 

 

まず、歯の『色』

色の基本のルールなのですが、1色では歯の色は表現出来ないので何色かチョイスする必要があります。

歯のターゲットシェードを決める(大体のベース色を合わせる)のにもこのように3段階ぐらいに訳色診断を行います。

⇒象牙質シェード(歯の中の層)

⇒エナメル質のシェード(歯の外の層)

⇒透明感の度合い(歯の艶)

 

これを細かく言うと、

歯の中で中切歯(真ん中の歯)は口の中で最も白い色をしている

歯は歯ぐきよりで黄色味が強く、歯ぐきから離れるにつれ白くなる

(鏡で見てみてください)

*象牙質の色 「歯ぐきより」、「歯の中央」、の2か所のターゲットシェードを見た方がベターかなと思います。

*エナメル質の色に関しては使用するレジンの色調再現性にもよって使い分ける必要があります。(←これ非常にマニアックなので飛ばしてください^^;)

例えば、

エンプレスダイレクトを切端よりで使用すると勝手に弱いハロー効果が出ます。

プレミスなどのクリアーではハロー効果は出ません。

ポイント4などのT1では勝手にハロー効果が出ます。

ハロー効果のないレジンを使用した場合、ハロー効果の出る色を入れる必要が出てきます。

   ハロー効果:アムロが作ったロボット「ハロー」。。。

         ではなく歯の縁に出る青白いラインです。

*量、透明感の色味(ブルー、グレー、イエロー)

例えばこのケース

前歯2.jpg

    セラミック  と  ↑ レジンで治療しましたが、

レジンの透明感はブルーの絵具レジン(ティント)を使用しています。

 

光の屈折で青白く見える部分を青いレジンを用いて演出するとこういった具合になります。

 

更にマニアックに充填するなら、白い部分、白、茶色の線、その他(グレー、オレンジの汚れ)

 などを見ていく必要があると言われています。 

 

 

 

次に『形』

形も抑えないといけないポイントは色々ありますが・・・

私の場合、その場の雰囲気に合わせて詰めていきます。

 

例えば、非常に歯の色が白い女性の方(A1ベース)

AAA.jpg

このケースは5色使いましたが、「白いなぁ〜、透明感強いなぁ〜」で、ほぼ直感です。。。 

 

詰め終わった直後は歯が乾燥して白っぽく見えるので、ある程度これを計算して詰めます(。-`ω-)

 歯ぐきを押す道具も使用していたのでブラックトライアングルが。。。

(真ん中の歯の黒い逆三角形のすき間)

 

 

計算は、『大嘘』です。

 

計算というよりこれも感覚です(*ノω<*)

 

治療後2週間

AAAA.jpg

歯ぐきも元に戻ってきました。

このケースは白くて透明感が非常に強い難しいケースです(私的に^^;)

 

次に歯の色が濃い男性の方(A4ベース)

BBB.jpg

こちらのケースは

「色」を合わせる前に『形』に問題があり、

 1本治したように見えますが、実は2本治療しています・∀・)φ.....

かけている歯1本だけ治療すると左右の歯のバランスが悪くなり綺麗に演出出来ないので

(左の歯(削った歯)の幅が0.2mmぐらい右(削っていない歯)より歯が大きくなる)

 

双子の歯を作る為には健康な歯にも整形手術を受けてもらう必要があるのです。

(ただし、一切削らずレジンを盛るだけです。一重まぶたを二重まぶたにする感じでしょうかね( -∀-))) 

 

先に削っていない右側の歯に0.15mmぐらいレジンを盛って研磨後

 ⇒欠けている右上1番にレジンを充填

 

幅を同じにしてやるとこう演出することができます。 

 

 

 術後2週間写真

A4.jpg

 

 真ん中の前歯の治療は非常に気を使いますφ(。・c_,・。)

 

 

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