開口量と治療難度
- 2023年10月 3日 09:06
- マニアックレジン
基本的に奥歯の治療は前歯に比べ、奥に生えているので治療がやりにくいです。
特に小柄な女性だと男性の口の開く人に比べ、道具が奥まで入らない為
開口量の問題で難易度が1つ上がります。
難易度が上がるということは当然予後も悪くなります。
患者さんは30代女性 以前虫歯治療で来院されておりその際見せてもらった時には
左上7は咬合面から頬側にかけてメタルインレー不適(銀歯が浮いている)、咬合面から近心にかけてセラミックインレー、頬側の歯頚部にかけて虫歯の取り残し+不適合レジン
という状態で最低でも3回治療を受けた後がありますが、見えない難しい治療なのである面仕方がありません・・・
奥の見えない所なので、当然詰め物も段差も出来やすいですし、磨き残しも出やすく虫歯にしやすいです。
この時は、治すとすればクラウンになるかも!?と説明
先日 2年ぶりに電話があり「銀歯が外れた」と来院
患者さんには口蓋側の機能咬頭がしっかりしているから、クラウン前に
ゴールドアンレー(4/5冠タイプ)にしてみてはどうか!?と提案
患者さんもなるべく削りたくないとのことで、ゴールドアンレー(金歯)で治すことになりました。
小柄な女性で、ミニヘッドの5倍速やカスタムしたダイヤモンドバー、EENOスフィアなどを駆使して虫歯を除去
術中(技術のない私ではラバーなど出来ない開口量でした)
*手前はセラミックインレーですが、小さな段差はあるものの今はきちんと磨いてもらえばOK
左上7はペラペラの近心頬側咬頭が残りました。
メタルアンレーにするにはこのペラペッラな部分を削るのですが、
30秒考え患者さんに「レジンで治してみる!?」と提案
患者さんからの「OK」をもらい。
レジンはこのペラペラの歯質でも支柱の役目をするので、ないよりあった方が良いです。
アンレータイプのレジン充填
『術前⇒術後』のレントゲン
なるべく削らない方法で修復を終えました。
間接修復を行う為には「便宜形態」といって、詰め物を作る為に健康な歯を削ってしまいます。
逆に言えばレジン治療は便宜形態がインレーに比べかなり小さく抑えられますので、
自分の歯を削りたくない人に向いている方法かと思いますが、治療する側がレジンを詰める技術があれば現代はこんな治療も可能です。
最後大臼歯にレジン充填で怖くないか!?という質問もあるとは思いますが、基本的にモノブロック処理している為か、私の臨床ではレジンでも全くトラブってきていませんね(^。^)
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