上顎洞炎になる前に
- 2024年8月14日 09:00
- 歯内療法日記
最近ちょくちょく、副鼻腔炎(上顎洞炎)になってしまい耳鼻科に行ったら歯科の問題という方がおられます。
私が患者さんに説明する時
鼻の両方に問題がある場合は殆ど耳鼻科の問題
右・左 片側に起る副鼻腔炎の場合は歯科の可能性がある。
何故鼻の問題なのに歯科なのか!?
歯が原因で副鼻腔に問題が起こるのは歯の中の細菌感染(根尖病変)
炎症が徐々に歯の外に広がり、骨を溶かしその炎症がやがて歯の隣の組織である上顎洞に達すると副鼻腔炎(上顎洞炎)となります。
特に多いのが、第1大臼歯、第2大臼歯
歯からくる蓄膿症(歯性上顎洞炎) - EE DENTAL_Blog
極たまに小臼歯が原因になることもありますが、かなりレアです。
珍しい第2小臼歯からの上顎洞炎 - EE DENTAL_Blog
これは副鼻腔のとの位置関係にもよりますが、下の歯が原因で副鼻腔炎が起こることは1000%ありません。
今回のケースは、40代女性
全顎検査を行うと右上7に根尖病変が見られ、根尖病変が副鼻腔を上に押しています。
過去に2回ほど根管治療をしたようで、残っている歯質もかなり少ない・・・
またよくあるMB根が治療の不備から根尖病変に
*MB根は治療が難しくこういったケースは多い(ある面保険診療では仕方がないと思います)
治療回数は2回
MB根はレッジ(前の治療で付けられた傷)があり、その部分を修正してオリジナル根管を清掃
P根は過去に入れたガッタパーチャーを外すと根の先から膿が出てきました。
2回目の来院時に症状もないことから、3根管を全て綺麗にして根管充填
レジンコア(土台)と仮歯を入れさせてもらい。
1年経過後のレントゲン検診
綺麗に根尖病変が治ってくれています。
また押し上げられていた副鼻腔も元の位置に戻り、ここまで正常所見に近くなれば
副鼻腔炎などのリスクはほぼ無くなったと考えてもいいでしょう!(^。^)
奥歯の治療は道具が入りずらいのでどうしても今回のようなケースになることが多々あります。
特にMB根の治療はコツや専門的な道具が色々ありますので、一般歯科の先生も第2大臼歯の根管治療に自信がなければ歯内療法専門医を頼ってもらった方がいいと思います。
それにしても1年で綺麗に治ってくれましたね!
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