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歯内療法日記: 2011年10月アーカイブ

生活歯髄切断後の出来た膿の袋(感染根管処置)

ブリッジをやり代えようとすると、一番奥の歯の先に病変が・・・

どうやら歯の神経の上だけを取る『生活歯髄切断』を行ったようです(><;)

 

赤丸の『黒い部分=膿の袋』

Br 7.jpg Br 71.jpg

 

『生活歯髄切断』とは、神経の全部を取らず一部を除去する方法です。

seisetu.jpg

シンプルな形態の上の神経を削って「取る」、

治療が難しい複雑な下の神経を「残す」治療 

 

 

うまく行けば下の部分の神経は生きたままです!

 

 

 この方法のメリットは

・歯の神経が部分的に残せる

・歯の先端を触らないので破折のリスクを減らせる

 

これが成功しているケース

seisetu.jpg

 

成功だけ見ると、

非常に良い治療に思われるのですが。。。

 

実はデメリットが非常に大きく

・石灰化が起こった後病変ができると再治療が極端に難しくなる

・もしくは再治療出来ず「抜歯」という選択に・・・

 

アメリカなどでは、根の治療費が払えない患者さんが行う方法とも聞きました。

ただ、

治療が失敗して感染根管(膿が貯まる)になると一般の歯科(GP)では対応できない状態になっており、そういった治療難度の高い患者さんが歯内療法専門医の歯科医院に紹介されてくるとも聞きました。 

(逆に治療費が高くついています)

 

この方法は小児の歯や幼若永久歯には適応症になりますが、

成人では失敗することがあり後で大変になることもあるのでこの治療は、あまりお勧めできません。

 

最初の生活歯髄切断が上手く行かなかった患者さん

術前 ⇒ 根管治療1年後

Br 7.jpg

 

幸いなことに綺麗に治ってくれました!((((・ω・)ノ

ただ、この歯の1本の神経管は石灰化が進んでおり、一か八かの治療でした。

因みにCTは撮っていません(笑) 

 

まぁ、駄目なら意図的再植術で治すつもりでしたがヽ(・∀・)

 

 

因みにEEデンタルでは成人の「生活歯髄切断」は行っていません。

成人の場合予後が良いというイメージがありませんので・・・ 

 

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歯竜Ⅲ-2

前回から1週間後

歯竜:「前回の下の歯に痛みは出ていないですか!?」

凪さん:「はい、全く出ませんでした」

ピノコ:「良かったですね」

凪さん:「はい、ピノコさんのおかげです」

ピノコ:「ですよね(笑)」

歯竜:「オイ!」

    :「漫談はその辺で治療を・・・」

 

レントゲン

MB3 6.jpg

歯竜:「また、この歯も長いねぇ〜」 

凪さん:「先生この歯って神経管は何本あるんですか!?」

歯竜:「3〜4本ですね」

凪さん:「1本の歯なのに!?」

歯竜:「そう1本の歯なのに!」

   :「厳密に言うと、何本とは言えず木の根のようにかなり複雑な形をしていて除去出来ている部分は限られた部分なんですよ」

凪さん:「私の歯は4本なんですか!?」

歯竜:「この歯の神経は本来4本なんですが、そのウチの1本が激細で見つからない時があるんですよ」

凪さん:「難しそうですね」

歯竜:「まぁ、簡単な根の治療は存在しませんね」(笑)

 

歯竜:「これから左上6番ネクローシスパルプの歯内療法を行う」
   :「既に歯髄は壊死していると思われるがラバーダム防湿後に根管にアプローチする各自油断しないよう」

 ピノコ:「各自って2人だけなんですけど・・・」

 

 

術中

歯竜:「ん〜、やはり!この歯の神経管は4本であったか!」

                  ここには穴が1つの時が多い

MB3.jpg

ピノコ:「先生やっぱり第4根管(MB2)が出てきましたね」

歯竜:「歯が大きいからな、あってもおかしくないな」

凪さん:「せjhヴhpmy3my・・・」

歯竜:「ラバーダムしているからしゃべれないよ(笑)」

ピノコ:「後で説明しますね」 

歯竜:「いつもみたいに寝てていいですよ」

 

ピノコ:「じゃあ、先生根管充填の用意をしておきますね」 

歯竜:「まだだ、まだ終わらんよ!」

ピノコ:「シ、シャア!?」

 

歯竜:「よく分ったな、お前ガンダム好きだろ!?」

ピノコ:「そらねぇ、毎日聞かされていれば誰でも分ります!」

歯竜:「この歯に関してはMB3を疑うべきだな」

ピノコ:「MB3!?」

歯竜:「そう超レア根管の第5根管」

ピノコ:「あるんですか!?」

歯竜:「治療とは、いつも二手三手先を読んで行うものだ

ピノコ:「シャアのパクり・・・」

凪さん:「ZZZzzz。。。....」(睡眠中)

 

歯竜:「じゃあ、MB3探すから例の道具くれ!」

ピノコ:「理事長見たら高くて怒られる道具ですね」

歯竜:「なぁ〜、あいつ嫌な奴だな!」

ピノコ:「理事長も先生のことで同じこと言ってましたよ」

歯竜:「 。。。、  さてお仕事するか!」

 

 

歯竜:「はい、どぉ〜ん!」

MB3 (1).jpg

ピノコ:「やっぱりMB3ありましたね!」

歯竜:「ドレン、私を誰だと思っているのだ?」

ピノコ:「もういいですよ、キャスバル・レム・ダイクンは」

歯竜:「おぉ〜、それ言いますか!」

   :「『私は、良い友を持った』 あっ、これガルマ・ザビな!」

凪さん:「ZZZzzz。。。...」

 

 

 ピノコ:「先生レントゲンできました」

 正放線         偏心投影

MB3 6 (1).jpg MB3 6 (2).jpg

 

歯竜:「よし、バッチリだな!」

   :「礼をいうよ、私に華を持たせてくれて」

ピノコ:「シャアはもういいですから、先生凪さんに説明を」

歯竜:「そうですね。。。」

 

 

 

凪さん:「先生、今日もよく寝れました」

歯竜:「寝て起きたら治療が終わっているのが一番理想ですからね」

凪さん:「そうですね、全く痛くないし安心です」

歯竜:「じゃあ今日の歯の説明しますね」

   :「先ほど歯の神経は3〜4本と言いましたが・・・」

   :「なんと凪さんの歯の神経はそれより1本多い5本の神経がありました」

凪さん: 「えっ、5本ですか!?」

歯竜:「そうなんですよ、たまたま見つけたんですけどね」

凪さん:「珍しいんですね」

歯竜:「大体0.5%ぐらいと言われていますが・・・」

   :「実は今年3本目なんですよ(笑)」

凪さん:「へぇ〜、0.5%で3本だと、先生は今年600本治療したんですね」

歯竜:「ピノコ、今年上顎第一大臼歯何本治療した!?」

ピノコ:「えっと、18本です」

歯竜:「ですって」

凪さん:「先生・・・、16.6%ですよ」

歯竜:「け、計算早いですね、まぁ、たまたまですよたまたま」(笑)

ピノコ:(そこで、「ドレン、私を誰だと思っているのだ?でしょう)

歯竜:「何か言ったか!?」

ピノコ:「凪さんよかったですね、細い神経まで見つかって!」(汗)

凪さん:「はい、よかったです!」    

歯竜:「教科書的に綺麗に出来たケースですよ」(笑)

ピノコ:「はっ!!」(先生、凪さんが寝ている時だけシャア言葉・・・)

歯竜:「ん!?」 

凪さん:「どうしたんですかピノコさん!?」

ピノコ:「あっ、いえ何でもないです」

 

歯竜:「凪さん根の先まで綺麗に治療出来たんで麻酔が切れた後、しばらく違和感出ると思いますが日にち薬で落ち着いてきますからそんなに心配しないで下さい。」

   :「2〜3日痛かったら痛み止めを飲んでくださいね」

凪さん:「はい、歯も治りましたし、よく寝れました」

    :「先生、ありがとうございました。」

 

 ぴのこ:「また来週来て下さいね」

     :「おだいじに」

 

 

診療後

歯竜:「今年3本目か、これだけタマタマが続くと怖いなぁ〜」

ピノコ:「先生、凪さんが寝ている時だけシャアモードなんですか!?」

歯竜: 「キグナン・・・私はクワトロ大尉だよ」

ピノコ:「キグナンって誰!?」

歯竜:「ゼータだよZガンダム!」

ピノコ:「もぉ〜、それでも男 ですか、軟弱者!

歯竜:「おぉ〜」

   :「アルテイシア、そんなにファーストガンダム好きなのか!?」(笑)

ピノコ:(笑)

 

 

 

 

 

歯竜Ⅲ完」

(フィクションですからね^^;)

 

 

今年は異様にMB3が見つかり過ぎる1年になりそうです。

 

 

今回、チンプンカンプンの方は

*一応

シャア=キャスバル・レム・ダイクン=クワトロ大尉

セイラ=アルテイシア(シャアの妹です)

これ書き始めると更に長くなるのでこちらで調べて下さい。

 

『ガンダム ORIGIN』

を読むと話が繋がります・∀・)ノ゛

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歯竜Ⅲ

ピノコ:「先生〜、凪さん(仮名)が左側が腫れてきたとのことです」

歯竜:「あの人、まだ右下の治療中だったな」

      ↓

CI3.jpg

ピノコ:「どうします!?」

歯竜:「とりあえず、応急処置だな」

   (次に治療する予定の爆弾(歯)が先に腫れたのか・・・)

 

 

凪さん(仮名)来院

歯竜:「あ〜ぁ、凪さんアンパンマンのように腫れていますねぇ。。。」

凪さん:「先生、歯が原因で目の下まで腫れることあるんですか!?」

歯竜:「ありますよ!虫歯放っておいたり、根の病変があるとたまにね」

    「まぁ、虫歯で死ぬ人もいるから気を付けた方がいいですよ」

    (しかし、左側だけアンパンマンだな。。。)

凪さん:「そうなんですか・・・」

  

歯竜:「大丈夫、大丈夫、とりあえず今日はレントゲン撮りましょう!」

ピノコ:「先生CTも・・・」

歯竜:「いらねぇ〜」(即答

ピノコ:「先生、CT買ったのに先月1枚も撮っていないんですよ!」

    「理事長大怒りですよ!」

歯竜:「『診断に経済持ちこむな』言っとけ!」

ぴのこ:「いいんですか!?知りませんよ」

歯竜:「あ〜、ウソウソ理事長には・・・」

凪さん:「先生弱っ!」

歯竜:「雇われなんでねぇ〜」

   :「まぁ、とりあえず小さなレントゲン1枚撮りましょう」

 

レントゲン

MB3 6.jpg MB3 6.jpg

歯竜:「奥から2本目の歯が虫歯によって化膿してしまっている」

ピノコ:「膿出す為に切開しますか!?」

歯竜:「イヤ、今切ってもたいして膿も出ないから抗生剤で消炎処置だけ行う」

 

凪さん:「先生、どうすれば・・・」

歯竜:「3日分抗生剤出すからそれで様子を見させてください」

凪さん:「明日には腫れひきますか!?」

歯竜:「いや、腫れたままでしょう」

凪さん:「では明後日!?」

歯竜:「いや、腫れたままでしょう」 

   :「多少は引くと思いますが4〜5日はそのままだと思います」

凪さん:「先生、そんなぁ〜」

ぴのこ:「先生、何とかならないの!?」

歯竜:「ならない!!」(即答)

   :「ん、じゃあ抗生剤止めておく!?」

   :「飲まなかったら2週間ぐらい腫れているよ」

凪さん:「の、飲みます!そして5日我慢します」

歯竜:「OK」

   :「凪さんこれに懲りて早目に他の虫歯も治した方がいいよ」

凪さん:「昔先生に言われた通り腫れてきてしまいましたので・・・」

    :「治します!」

    :「言うか治してください。。。」

 

歯竜:「次に腫れていなければ、先に右下咬めるように治して」

   :「その次に左上の腫れた所治しますね!」

凪さん :「先生、大丈夫ですか!?」

歯竜:「まぁ、泥船に乗った・・・」 

   :「いや、間違えた大船に乗ったつもりで」(笑)

ピノコ:(「泥船」って、沈没するんじゃないのか・・・)

 

歯竜:「凪さんに今出来ることは十分睡眠をとることです」

   :「体が治るのは寝ている間だから、最低6時間は寝てね」

凪さん:「寝ます、寝ます倍の12時間以上」

歯竜:「寝過ぎ、寝過ぎ」(極端な人だ(汗))

 

 

1週間後、

凪さん:「先生、大分腫れ少なくなりました」

歯竜:「よかったですね」

   :「でも原因は除去されていないから疲れるとまた腫れてくるよ」

凪さん:「仕事も少し休みをもらって、睡眠時間を確保しました」

歯竜:「それが一番ですね」

   :「だいたい日本人は働き過ぎなんですよ」

ピノコ:「イヤ、先生は・・・」

歯竜:「?」

   :「きさま、ブッ飛ばすぞ!」

 

凪さん:「先生、漫談はその辺で治療を・・・」

歯竜:「あっ、はいはい」(汗)

   :「右下の痛みは!?」

凪さん:「全くありません」

歯竜:「じゃあ、今日でこの歯の根の治療をお終いにしましょう」

 

歯竜:「これから、ラバーダム防湿後にNC、EDTAによる根管内洗浄、根管形態確認後コンテニアスウエーブにて根管充填を行う」

   :「術後の判断はレントゲン撮影で行う」
   :「なお、オペは1時間半を予定する

 

治療後、

ピノコ:「先生レントゲン現像できました」

CI6.jpg

歯竜:「はい、OK!」

ピノコ:「凪さんの歯って長くないですか!?」

 

歯竜:「長かったねぇ〜」

   :「奥歯で作業長23mmの歯ってそんなにないなぁ」

 

 

治療後

凪さん:「先生どうですか!?」

歯竜:「ん!?ばっちりだよ」

ピノコ:「凪さんの歯凄く長かったみたいですよ」

凪さん:「えっ、歯に長い、短いあるんですか!?」

歯竜:「あるんですよ、日本人は比較的短いんですけど・・・」

   :「凪さんの歯は外国人のように長いんですよ」

凪さん:「長いとどうなるんですか!?」

歯竜:「根管治療する私が少し困る!」

      (道具が入りにくいから治療しにくいんですわ)

   :「ただ歯としては長い方が色々有利だから親に感謝だね」

凪さん:「残りの虫歯も早目に治します・・・」

歯竜:「来週から腫れてきた左上治療しましょう」

凪さん:「よろしくお願いします」

 

長くなり過ぎたので、 つづく

次回、「今年の発見率は異常事態」

 

 

 

 

これ、フィクションですからね(笑)

    

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