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歯内療法日記: 2017年11月アーカイブ

抜歯宣告を受けた歯の再根管治療

30代の男性患者さん

定期検診で根尖病変を指摘され歯ぐきから膿も出ていた為

治療を始めた所、途中で抜歯宣告をされ何とか残せないかとEEデンタルに

 

レントゲンを見ると

2017 EEdental KH1 (1).jpg

根尖病変とは別に黄色の部分にパーフォレーションがあります。

前回の治療で大きな金属の土台を入れる際に歯に穴を開けてしまい

そこにも感染がみられるようです。

 

根管治療は治療の度に大きく歯が削られます。

特に奥歯などの土台の除去は盲目的に手の感覚で行われますので、

より健康な歯の部分が犠牲になってしまいます。

 

そういう場合顕微鏡は非常に有効で、裸眼に比べ削除量を抑えることができます。

(*健康な部分を一切削らない訳ではありませんが・・・)

 

患者さんには非常に残すのは難しい状況であるがトライしてみましょうということで治療を開始して1年後

2017 EEdental KH1 (2).jpg

綺麗に治ってきてくれました! 

 

根の治療は何度も治療ができません、今回のように2~3回目の治療で抜歯宣告となります。

なるべくなら1回で問題ないように済ませた方が患者利益は大きくなりますね(・з・)ノ

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再外科後5年

5年前に歯根端切除を受けた患者さんが久しぶりに来院されて

5年ぶりにレントゲンを撮らせてみらいました。

2017 EEdental HS (1).jpg

かなり太いメタルコアが入っている為

かかりつけの先生は口腔外科でオペを依頼され歯根端切除術をしたが

膿が止まらないというケース


 
根の問題で外科を行う場合、従来の歯根端切除術より

歯内療法専門医の外科的歯内療法の方が成功率が30~40%高くなります。

  

今回のケースは、かなり条件の悪い歯の治療であることを説明して、

チャレンジケースで再外科を行うことに

 

外科後

2017 EEdental HiS (2).jpg

この後、抜糸をしたのですが、そこから来院がなく

 

1度も定期診断をしておらず予後が拾えていませんでした。

 

 

他の歯に問題が出た為久しぶりに来院され 

5年後のレントゲン

2017 EEdental HiS (3).jpg

綺麗に骨が出来上がってくれています!

 

EEデンタルで歯内療法・外科的歯内療法を受けられた患者さんにつきましては

3か月後、6か月後、1年後のレントゲン診査に来てくださいね。 

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全顎治療 下顎編

根管治療をしてから違和感が消えず仮歯ままという患者さん

  

の治療がフィニッシュ!

2017 EEdental IY0 (3).jpg

*術前の口腔内写真を撮っていませんでした。。。

左下7、右下5、左下4、左下6 レジン

右下5・6、左下5セラミッククラウン

 

主訴の根管治療

右下5・6

2017 EEdental IY0 (1).jpg

左下6

2017 EEdental IY0 (2).jpg

綺麗に治ってくれて、症状も改善しました!

 

根管治療の主訴 ⇒ 根管治療後 ⇒ 他の歯も見て!

という患者さんが最近多くなってきています。

(1本治療を受けて治療に安心できそうと判断したとのこと)

   

ただ、スタート時から全顎治療希望の患者さんは術前から口腔内写真など

を撮るのですが、根管治療1本の主訴の場合私は口腔内写真を撮らないので

どうしても術中からの写真になってしまい、すみませんm(_ _ )m

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長く持つセラミッククラウンを作るには、まずは根管治療!

悪い所は治したいという40代の女性患者さん

  

前歯のレントゲン

2017 EEdental SK3 (1).jpg

歯根破折を疑わせる所見が・・・

 

患者さんに折れている可能性があることをお話して、

まずは根管治療

 

仮歯で様子を見ること1年3か月

2017 EEdental SK3 (0).jpg

徐々に骨もでき

その間、腫れ痛みなども出ていないことから

 

4本の前歯のセラミッククラウンの印象を行い

2017 EEdental SK3 (2).jpg

色合わせ(キャスマッチ使用) 

 

セラミッククラウンSet 

2017 EEdental SK3 (3).jpg

綺麗に入れることができました!(・∀・)ノ

 

 

Set後のレントゲンチェック

2017 EEdental SK3 (4).jpg

病変は綺麗に治ってきてくれています。

*左上2は根尖が#80の為MTAを使用 

 

 

患者さんには見えない基礎工事をしっかり行うことで、

上の綺麗な被せ物も長期間使用することができます。

 

例えれば、

積み木の一番下の段をいかにきちんと積むかによって、積み木の崩れ方は異なります。

被せ物は積み木でいうと一番頂上ですから、積み木の下の段に問題が出てしまうとすぐに取り除いてまた作り直ししなければなりません。

 

セラミック治療前の根管治療って大切なんですよ!( ・з・)ノ 

http://www.eedental.jp/endo.html 

 

注)来年から審美目的のセラミック治療は止めます。

http://eedental.jp/ee_diary/2017/09/post-1648.html 

根管治療後の簡単なセラミック治療は引き続き治療を行います。

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腫れの原因は側枝×3 感染根管治療

患者さんの主訴の歯は10年前に一度虫歯の治療を行った

その後2~3日痛みが続き、その後からずっと腫れている。

  

近医の歯科医院に行き5月から根管治療を続けるも腫れ・膿が止まらない・・・

 

レントゲンを撮らせてもらうと

2017 EEdental HM 1(1).jpg

健康な歯が多いので小さな穴からアプローチしたようですが・・・

 

髄角部分の神経が全く取れていません(・Д・;)

この状態だと中長期的に歯の色が茶褐色に変色しやすくなってしまいます。

  

 

治療スタート

1回目にまず、虫歯残っている髄角部分の神経の処理を行い徹底的に消毒を行いました。

2017 EEdental HM 1(5).jpg

前歯をきちんと治療しようとすると、裏側はある程度削ることになります( ̄ー ̄;)

 

1回目の治療で歯の中を顕微鏡で見て確認して、

かなり綺麗にすることができました。

   

 

2週間後の治療2回目 

膿・腫れが治まっていません。。。(・Д・;)

 

たまにあることなので、

2回目の治療は削らず消毒メインで治療をすることに

  

歯の中を見ると歯の中にも膿が出ている状況

「ん~、原因が分からない」

 

診療後CTで色々な方向から見ていると

2017 EEdental HM 1(2).jpg

これか!

2017 EEdental HM 1(3).jpg

神経の横枝がから感染が外に出ている。。。

 

徹底的な超音波洗浄(キャビテーション・アコーステックストリーミング)で綺麗に処理出来なかったようです。 

 

治療3回目

2017 EEdental HM 1(4).jpg

CTで側枝の場所を計測して、その部分に超音波チップの先が当たるように加工・調整を行い側枝の切削を行いました。

 

「これでどうだ!」ヽ(゚Д゚≡゚Д゚)/

 

 

治療4回目:膿・腫れは止まっていません(>。<)

仕方がないので根管充填をして外科的歯内療法で残す方向に

外科的歯内療法⇒http://www.eedental.jp/surgery.html 

2017 EEdental HM 1(6).jpg

 

 

外科をしてみると

2017 EEdental HM 1(7).jpg

側枝・側枝・側枝

側枝(神経の枝)が3つ!

オレンジ色○の部分は前回のCTを見てアプローチした場所

根充剤(MTA)が半分まで入っていました。

赤色の側枝に関しては何も充填されていませんでした。

  

3つの穴を外から掃除してMTAで逆根管充填

 

レントゲンで確認

2017 EEdental HM 1(8).jpg

変色を防ぐためにMTAプラスで側枝を充填

(デンツプライのMTAに比べ造影性が弱い)

 

 

自分なりには綺麗に外科出来たと思います(・。・)ノ

 

さて、これで腫れ膿が止まり、骨が出来てくれるか!?

今後経過を見て行きます。

 

私見ですが、

今回のように長い間膿が出ていた歯は感染が歯全体に沁み渡ってしまい

通常の根管治療だけでは歯の保存ができない場合があります。

歯ぐきから膿が出ているような歯はあまり長期間放置しない方がいいでしょう。 

 

 

また、根管治療を受けて、3か月も腫れ・膿が止まらなければ

早い段階で歯内療法専門医を頼った方がいいと思います。

 

先生も膿の原因も分からないまま治療を続けるのは。。。(-`ω´-,,)

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歯科治療「2Dのレントゲン(デンタル)と3Dレントゲン(CT)」 違いと特性 [根管治療編]

ここ最近、再根管治療(感染根管治療)の際にはCTを撮らせてもらっています。

 

理由は平面の2Dのレントゲンでは見えなかったものが見え治療方針の大きな参考になる為です。

 

こんな患者さんが今月来院されました。

6年前に神経を取り、3年経過した辺りから痛みが出始めた。

先生に見てもらうと、

「咬み合わせや・歯ぎしりによって痛みが出ることがある」

と言われ経過観察することに

 

今年に入り大きな痛みが出た為、近医で抗生剤をもらい薬で散らし

EEデンタルに

 

レントゲン(2D)を撮ってみると

2017 EEdental KM (0).jpg

近心根に病変があるように見えます。

   

次にCT(3D)を見てみると

2017 EEdental KMa  (1).jpg

「えぇ~~~!」というぐらい骨がなくなっています。

また3本ある根のウチの内側の太い根が大きな病変の原因になっているようです。

これは2Dのデンタルでは全く分かりません。

  

骨の欠損度合いを計測してみると

2017 EEdental KMa  (2).jpg

約15mm 親指の第一関節ぐらい骨が無くなっています。

 

2Dと3Dのレントゲンで何でこんなことが起こるのか!?

 

骨は2層構造で外側が骨の密度が高い「皮質骨」

その中の内側が骨の密度が低い「海綿骨」

分かれます。

 

2Dのレントゲンは皮質骨の吸収が起こると所見がはっきり出てくるのですが、

海綿骨が大きく減っていても、外側の皮質骨が吸が健康だと

レントゲンに病的所見が出てきにくいという特性があります。

2017 CT.jpg

 

  

今回のケースCTをパソコンで動かしながらよく見ると

2017 EEdental KMa  (3).jpg

病変が隣の5番の歯にまで達する大きさ。。。

 

病変が大きくなり長期間経過すると、隣の歯の神経まで死んでしまうことがあります。

http://eedental.jp/ee_diary/2014/07/post-992.html

こんな怖いことにも起こります。

(そんなに頻繁に起こる訳ではありませんので、安心を)  

 

 

治療方針を決める為次に5番の電気歯髄診査を行うと、

5番の神経生きていました。

 

6番の影響で5番の根の先の大切な部分の吸収が起こってきていますが、

まずは5番は触らず6番だけの根管治療をしようと方針を出しました。

 

歯科治療はまず診断です。

診断が間違えていては、いつまで経ってもゴールにたどり着けませんのでね。 

 

 

さて、今回の患者さん来週から治療をスタートします。 

経過はまたブログで! 

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骨ができるには時間がかかる

歯の中に起こった細菌感染

レントゲンで黒くなった部分は炎症で骨が無くなっています。

 

この無くなった骨

原因である歯の中のクリーニングを行い上手く行くと、

2017 EEdental OT2.jpg

徐々に骨が出来て来てくれます。

 

ただし、この骨の溶けた部分年単位で溶けていますので、

骨が完全に出来上がるのも年単位となります。

 

言わば、骨はゆっくり、ゆっくり出来上がります。

患者さんの中には治療後すぐに骨ができるイメージを持っている患者さんがいますが、

それは違いますのでね(p・Д・;)

 

一度感染した根の治療は非常に難しく、専門医でも全ての歯が残せる訳ではありません。

また再根管治療に関してはより高い専門性が求められますので、

もし歯を残されたかったら根管治療だけ専門医に頼るのも1つの選択肢だと思います。

 

今回久しぶりに来院されレントゲンを撮らせてもらいましたが、治ってくれて良かったです!ヾ(・∀・)ノ

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綺麗なファイル根充

何年ぶりでしょうか、飛び込みで

コアごと被せ物が取れたと来院されました。

   
レントゲンを撮ってみると

2017 EEdental MR.jpg

綺麗にシルバーポイントで根充がしてあるみたいなので

患者さんに、

「虫歯除去後に一度根管治療を行いファイバーコアを製作して仮歯を入れます」

と説明

 

で、

 

治療を行ってみると

2017 EEdental MR(2).jpg

シルバーポイントに見えたのは10mm近いファイルが2本

それにガッタパチャーが絡みレントゲン上ではファイルの凹凸が消えていました(笑)

 

根尖でバインドされており除去は30分かかりました(・Д・;)

 

しかし、作業長を測って折ったかのような神がかった治療痕でした(-ω-;)ゞ

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