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腫れの原因は側枝×3 感染根管治療
- 2017年11月16日 09:10
- 歯内療法日記
患者さんの主訴の歯は10年前に一度虫歯の治療を行った
その後2~3日痛みが続き、その後からずっと腫れている。
近医の歯科医院に行き5月から根管治療を続けるも腫れ・膿が止まらない・・・
レントゲンを撮らせてもらうと
健康な歯が多いので小さな穴からアプローチしたようですが・・・
髄角部分の神経が全く取れていません(・Д・;)
この状態だと中長期的に歯の色が茶褐色に変色しやすくなってしまいます。
治療スタート
1回目にまず、虫歯残っている髄角部分の神経の処理を行い徹底的に消毒を行いました。
前歯をきちんと治療しようとすると、裏側はある程度削ることになります( ̄ー ̄;)
1回目の治療で歯の中を顕微鏡で見て確認して、
かなり綺麗にすることができました。
2週間後の治療2回目
膿・腫れが治まっていません。。。(・Д・;)
たまにあることなので、
2回目の治療は削らず消毒メインで治療をすることに
歯の中を見ると歯の中にも膿が出ている状況
「ん~、原因が分からない」
診療後CTで色々な方向から見ていると
これか!
神経の横枝がから感染が外に出ている。。。
徹底的な超音波洗浄(キャビテーション・アコーステックストリーミング)で綺麗に処理出来なかったようです。
治療3回目
CTで側枝の場所を計測して、その部分に超音波チップの先が当たるように加工・調整を行い側枝の切削を行いました。
「これでどうだ!」ヽ(゚Д゚≡゚Д゚)/
治療4回目:膿・腫れは止まっていません(>。<)
仕方がないので根管充填をして外科的歯内療法で残す方向に
外科的歯内療法⇒http://www.eedental.jp/surgery.html
外科をしてみると
側枝・側枝・側枝
側枝(神経の枝)が3つ!
オレンジ色○の部分は前回のCTを見てアプローチした場所
根充剤(MTA)が半分まで入っていました。
赤色の側枝に関しては何も充填されていませんでした。
3つの穴を外から掃除してMTAで逆根管充填
レントゲンで確認
変色を防ぐためにMTAプラスで側枝を充填
(デンツプライのMTAに比べ造影性が弱い)
自分なりには綺麗に外科出来たと思います(・。・)ノ
さて、これで腫れ膿が止まり、骨が出来てくれるか!?
今後経過を見て行きます。
私見ですが、
今回のように長い間膿が出ていた歯は感染が歯全体に沁み渡ってしまい
通常の根管治療だけでは歯の保存ができない場合があります。
歯ぐきから膿が出ているような歯はあまり長期間放置しない方がいいでしょう。
また、根管治療を受けて、3か月も腫れ・膿が止まらなければ
早い段階で歯内療法専門医を頼った方がいいと思います。
先生も膿の原因も分からないまま治療を続けるのは。。。(-`ω´-,,)
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