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歯内療法日記: 2018年1月アーカイブ
感染根管治療で治らない歯 ⇒外科的歯内療法
- 2018年1月30日 09:11
- 歯内療法日記
一度細菌感染した歯を抜歯せずに治癒にもって行ける割合は
歯内療法専門医でざっくり70~80%と言われています。
私の成功率もおおよそこの範囲内だと感じています。
患者さんからしたら、100%にならないの!?と思われますが、
そこは医学には不可能な数字です。
逆に言えば、成功率95%とか100%とか数字を出されたら
それは一般的な数字ではないので疑われた方がいいと思います。
では通法の根管治療で治らない歯はどうするのか!?
術前時 近心根に中程度の病変が見られます。
やり直しの根管治療をおこないました。
治療回数:2回
経過観察をするも・・・
病変が治って来る傾向なし。。。
こういった場合「外科的歯内療法」で治療を行います。
*MTA根管充填をしていたのでカットのみ
外科後1年
骨が出来てきてくれているのを確認できます!
というように通法の根管治療で治らない場合
最後の方法として「外科的歯内療法」で歯の保存を試みます。
何とか残せれてひと安心!ヾ(・∀・)/
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続・歯内-歯周病変
- 2018年1月25日 09:01
- 歯内療法日記
「歯内・歯周病変 感染根管治療+外科的歯内療法」
http://eedental.jp/ee_diary/2017/08/post-1628.html
術後
外科手術後支えている骨が殆どなく、プラプラだったのに
骨もだいぶ回復してきてくれています!
もちろん歯ぐきからの膿も出ていないので上手く経過してくれていますd(・ω・)
側切歯は根の形状が複雑で、抜歯率が高い歯なので側切歯の根管治療でトラぶった際には歯内療法専門医に早目にかかった方がいいと思いますよ!
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今私に出来る根管治療
- 2018年1月24日 09:16
- 歯内療法日記
患者さんは中部地方から関東に引っ越しをされた方で
現在通っている歯科医院の歯内療法専門医に2回治療をしてもらうも
「この歯はもう抜歯しかない」と言われ、
何とか歯を残せないかとEEデンタルへ
術前時
近心・遠心、根分岐部に病変が見られます。
専門医といっても同じ術式をとる訳ではありませんが、
前の先生は隔壁などしないんですね。。( ̄。 ̄;)
患者さんは私にやるだけやって欲しいということで、
治療スタート
*私は、折れていない、ぐらぐら過度に揺れていなければ私は保存処置を行います。
まず1回目に行ったのは隔壁、GPの除去
隔壁は治療中、治療と治療の間に菌が入らないようにする治療の基礎工事です。
(穴の開いたコップに水をそそぐようなものです・・・)
また、GPの除去は汚染された人工物を除去して洗浄効率を上げる為です。
で、
治療回数2回
違和感も減ったことから、もう一度徹底的に根管洗浄を行い⇒根管充填
4根管
治療後1カ月、今までの違和感も消え快適!とのこと
今月に入り【3か月後のレントゲン検診】
おぉ~~、わずか3か月でだいぶ骨が出来てきてくれています!
3か月でこの雰囲気であれば抜かずにすみそうですね(  ̄ー ̄)ノ
歯内療法専門といっても腕、能力値はバラバラなので、
A先生が無理と言った歯でもB先生なら残せることが可能な場合があります。
逆に言えば私が無理と判断した歯でも能力値の高い先生が行えば治る可能性もあります。
*専門医でみた時に私はそこまで能力値が高い方ではありません。(たぶん平均的)
もう3か月ぐらい様子をみて、かかりつけの先生にクラウンを入れてもらいます。
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膿の出続ける大きな根尖病変 『根管治療+外科的歯内療法』
- 2018年1月18日 09:04
- 歯内療法日記
近医で根管治療を続けるも治らないので
歯内療法専門医へと来院された患者さん
レントゲンを撮ると
CBCTで垂直方向で見てみると
これは、デカイ。。。
病変は下顎管に接するぐらい大きく、
舌側の皮質骨も首の皮1枚といったところ
患者さんにこのまま抜歯しても、かなり骨が無くなり
その後の処置も大変になるので、残せれば残した方がいいと説明して治療開始
再根管治療のポイント
病変の大きな歯の抜歯率が高いので病変の大きなケースほど
早目に『歯内療法専門医』に頼った方がいいと思います。
治療開始を開始してみて、通常の治療を繰り返すこと5回
術前時から腫れや痛み、膿が全く止まらない為
最後の方法の「外科的歯内療法」で保存を行うことに
http://www.eedental.jp/surgery.html
ポイント2
私は同じ「洗浄」というステップを3回繰り返しても膿が止まらない歯は外科処置でしか治らないと割り切って外科処置に移行します。
*この場合外科的歯内療法の費用の半分だけ負担してもらいます。
根管充填+外科処置
排膿の見られた遠心根のみカット
自分が出来ることは全てしました!(・ω・)ノ
外科後4カ月
また右側が痛むとのことで来院してもらい
レントゲンチェック
?
治ってきているのか!?
ポイント3
私は診断に困る時にはCBCTを撮らせてもらい診断します。
診断が、歯科治療で最も大切だと考えます。
患者さんにCTを撮らせてもらい比較すると
これ、骨が出来始めてますね。
(*左写真の黒い部分が骨の無い部分、右写真黒かった場所にうっすらと白い骨の像が見られます)
ということで、他の歯を疑うべきだと判断して
上の歯のレントゲンを撮ってみると、
上の歯にも根尖病変が見られ、今回の痛みはそちら側と推測
よって、最初に治療した右下6は経過観察をすることになりました。
いやいや、大きな病変・・・
やりがいのある治療の1つです(・д ・ゞ)-☆
今日はこの後夕方から、春日井歯科医師会で2時間の講演です。
愛知県の北の春日井市、南の豊橋市(EEデンタル)電車で1時間
スライドは力作!
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続:レッジ修正からの根管充填
- 2018年1月11日 09:12
- 歯内療法日記
昨日と同じようなレッジケースです。
術前 「治療後もずっと違和感の続く歯」
歯の中に感染があり根の先に病変が見られます。
解説
昨日とは異なり歯には穴は開いていません。
一度治療して改善するか見てみましょうとなり。
根充後(治療回数:2回)
今回の場合イスムス+MB2があったので
そこから攻めてみたらMBと合流しておりレッジを無事修正することができました。
*MB根、P根はMTAを詰めています
術前⇒術後
綺麗に治療出来たので治って欲しいですね!ヽ( ̄▽ ̄)ノ
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やり直しの根管治療は難しい
- 2018年1月10日 09:10
- 歯内療法日記
患者さんに知っておいてもらいたい1つに、
根管治療は1回目(抜髄)より2回目の再根管治療(感染根管治療)、
2回目の再根管治療より3回目の再々根管治療と、
回数が増えれば増えるほど治療の難易度が上がり、
しかも成功率はどんどん低くなって行きます゚(ノД`゚)゚
根の治療の失敗は「細菌感染」の有無です。
一度細菌感染した歯を治すのは非常に難しくなります。
細菌感染がない1回目の抜髄の時点で成功できたかが大きなポイントになります。
またやり直しの治療の際に難易度を上げてしまう要因が「医原性の問題」
1回目に治療した際に術者が起こしてしまった問題(穴、傷、道具の残存)
を2回目の治療の際には修正・クリアーにしてからの治療になるので、
1回目の治療より2回目、2回目より3回目のハードルの方が高くなります。
今回のケース
近心頬側根に少し大き目の病変があり歯ぐきから膿が出る
レントゲンをよく見ると、
本来の神経管とは違う場所を削って治療している
私たちは金属のキリみたいなヤスリを使い神経の治療を行うので
道具の使い方を間違えるとこのようなことになってしまいます。
平面(2D)のレントゲンだと
「元の場所治療すればいいだけでしょ!?」 (・ω・;)
と簡単に思えてしまうのですが、
実際変な場所を削ってしまうと元の神経管を探すのは非常に難しい処置になります。
歯の保存を妨げる要因の1つが「医原性の問題」
因みに残っている神経管の大きさは推定0.3mmぐらいです
1.5mmちょっとの神経管の入り口から洞窟の奥のこの場所を探し、削って掃除し、その穴に薬を詰める必要があります。
しかも見えない暗闇の部分で手探りです。
で、
根管充填後
二股に分かれた部分も顕微鏡で発見でき!
元の神経管&穴の開いた場所の治療OK!
*MTAを詰めています。
非常に手ごたえのある症例でした。
そして、
膿も腫れもないまま1年経過し正月すぐの定期診察で
1年後にしては綺麗に治ってきてくれていますと思います!d(・ω・)
昨日も神経管とは異なる場所が削られ、病変が出来てしまっていた患者さんの治療がありましたが、難しい治療の連続です。。。
まぁ、それが『歯内療法専門医の仕事』なんですけどね!
追記:1年後にセラミッククラウンが入りました。
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2018年 1日目 「内部⇔外部吸収」
50代の女性患者さん
奥歯の歯ぐきが腫れ2件歯科医院に行ったが「歯周病」ということで
よく歯磨きをするように指導されて終わるが、なかなか腫れが引いてこない。
とのことで来院
口の中、歯周病といわれればそうなのだが・・・
レントゲン
何か黒い像が気になる
*よく言われるのが、「EEデンタルのレントゲンはよく見える」と言われますが診断ツールにはお金をかけていますからね!ヾ(゚∀゚ )ノ
黒い怪しい所めがけファーケーションプローブを突っ込むと
「ズボッ」とかなり深く入り、この黒い部分は虫歯でその穴に汚れが貯まり腫れてきたと推測!
歯ぐきのだいぶ下の問題なので、通常であれば「抜歯」となるでしょう。
ただ、歯に揺れもなく今まで普通に咬めていた歯なので
患者さんは「残せれば残したい」
ということで、
患者さんに歯が持つまでという条件で治療をさせてもらいました。
電メスで歯ぐきを除去して穴にアプローチすると
かなり大きな穴が開いているのですが・・・
削った感じこれ虫歯ではないな(汗)
(削ると虫歯は健康な歯に比べ軟らかいので手の伝わり方が違います)
顕微鏡下で汚れを除去していき、虫歯の染出し液で染めても殆ど染まらず。。。(p・Д・;)
治療を進めて行くと、すぐに露髄(神経が出る)するも
虫歯でもない象牙質に小さな穴がポツポツ開いておりそこから出血してくる
上の画像から更に削ると、
また小さな穴が2つあり、そこから出血してくるヽ(゚Д゚≡゚Д゚)/
これは虫歯ではなく「内部・外部吸収」だな!
*自分の体の細胞(破歯細胞)が歯をムシャムシャ食べてしまう状態
電気メスで小さな穴の出血を止め削るを繰り返し、
破歯細胞による吸収部分を全て削り取り
側面にかなり大きな穴が開きました。
*赤い部分は露髄した神経部分
この部分をレジン充填(OA3単色)
1日目で穴の処理、銀歯を外して、
3mmの穴から根管治療(拡大形成・洗浄まで)
治療2回目の今日
患者さんに症状を聞くと
1回目の治療後3~4日痛んだ後からは腫れなどは一切ないとのこと
ということで、根管充填+咬合面のレジン充填
*個人的には時間さえあれば1回法で治療出来たなと思いました。
治療後、患者さんには大きな穴は人工物で封鎖しただけだから
歯磨きの磨き残しが出たらまた腫れる⇒次は抜歯!
とくどいように伝えました(笑)
個人的には縁下からレジンで立ち上げても、患者さんの歯磨き能力が高ければ
開業以来ほぼというか、全く問題は起こっていませんヾ( ̄o ̄;)
*かれこれ20ケース以上縁下からの立ち上げをレジンでやっていますが、1ケースも抜歯どころか、腫れてもきません。
昔は縁下(歯茎の下)=歯周外科と教科書的な考えを持っていましたが、
1本程度のはであれば、そんな外科などしなくても大丈夫だと考え方が変わりました。
*1本の歯の為に歯周外科する方がデメリットが大きい
(外科が必要、歯肉が下がる、歯間乳頭が無くなる、歯頸線が凹むため清掃性が悪くなる、隣在歯にも少なからず影響が及ぶ)
**歯頚部に詰めてもプラークの付着の少ないレジンなど出てきています。
今回のような歯髄でもない健全象牙質から出血するようなケースは
外科的に外部吸収を治す際に何度か経験しており、その経験から今回の穴は虫歯ではなく吸収であると診断を付けました。
さてこの歯何年持ってくれるのか!?
年始から、かなりのレアケースを治療させてもらいました(・ω・;)
治療回数:2回
歯内療法+土台+レジン充填
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