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やり直しの根管治療は難しい

患者さんに知っておいてもらいたい1つに、

  

根管治療は1回目(抜髄)より2回目の再根管治療(感染根管治療)、

2回目の再根管治療より3回目の再々根管治療と、

回数が増えれば増えるほど治療の難易度が上がり、

しかも成功率はどんどん低くなって行きます゚(ノД`゚)゚

 

根の治療の失敗は「細菌感染」の有無です。

一度細菌感染した歯を治すのは非常に難しくなります。

 

細菌感染がない1回目の抜髄の時点で成功できたかが大きなポイントになります。

 

 

またやり直しの治療の際に難易度を上げてしまう要因が「医原性の問題」

1回目に治療した際に術者が起こしてしまった問題(穴、傷、道具の残存)

を2回目の治療の際には修正・クリアーにしてからの治療になるので、

1回目の治療より2回目、2回目より3回目のハードルの方が高くなります。

 

今回のケース

近心頬側根に少し大き目の病変があり歯ぐきから膿が出る

2018 EEdental NA (1).jpg

 

レントゲンをよく見ると、 

本来の神経管とは違う場所を削って治療している

2018 EEdental NA (2).jpg

私たちは金属のキリみたいなヤスリを使い神経の治療を行うので

道具の使い方を間違えるとこのようなことになってしまいます。

  

平面(2D)のレントゲンだと

「元の場所治療すればいいだけでしょ!?」 (・ω・;)

と簡単に思えてしまうのですが、

実際変な場所を削ってしまうと元の神経管を探すのは非常に難しい処置になります。

 

歯の保存を妨げる要因の1つが「医原性の問題」

 

因みに残っている神経管の大きさは推定0.3mmぐらいです

1.5mmちょっとの神経管の入り口から洞窟の奥のこの場所を探し、削って掃除し、その穴に薬を詰める必要があります。 

しかも見えない暗闇の部分で手探りです。

 

で、

根管充填後

2018 EEdental NA (3).jpg

二股に分かれた部分も顕微鏡で発見でき!

元の神経管&穴の開いた場所の治療OK!

*MTAを詰めています。 

 

非常に手ごたえのある症例でした。

 

 

そして、

膿も腫れもないまま1年経過し正月すぐの定期診察で

2018 EEdental NA (4).jpg

1年後にしては綺麗に治ってきてくれていますと思います!d(・ω・) 

  

 

昨日も神経管とは異なる場所が削られ、病変が出来てしまっていた患者さんの治療がありましたが、難しい治療の連続です。。。

  

まぁ、それが『歯内療法専門医の仕事』なんですけどね!

 

 

追記:1年後にセラミッククラウンが入りました。

http://eedental.jp/ee_diary/2019/03/post-1890.html 

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