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2018年 1日目 「内部⇔外部吸収」
50代の女性患者さん
奥歯の歯ぐきが腫れ2件歯科医院に行ったが「歯周病」ということで
よく歯磨きをするように指導されて終わるが、なかなか腫れが引いてこない。
とのことで来院
口の中、歯周病といわれればそうなのだが・・・
レントゲン
何か黒い像が気になる
*よく言われるのが、「EEデンタルのレントゲンはよく見える」と言われますが診断ツールにはお金をかけていますからね!ヾ(゚∀゚ )ノ
黒い怪しい所めがけファーケーションプローブを突っ込むと
「ズボッ」とかなり深く入り、この黒い部分は虫歯でその穴に汚れが貯まり腫れてきたと推測!
歯ぐきのだいぶ下の問題なので、通常であれば「抜歯」となるでしょう。
ただ、歯に揺れもなく今まで普通に咬めていた歯なので
患者さんは「残せれば残したい」
ということで、
患者さんに歯が持つまでという条件で治療をさせてもらいました。
電メスで歯ぐきを除去して穴にアプローチすると
かなり大きな穴が開いているのですが・・・
削った感じこれ虫歯ではないな(汗)
(削ると虫歯は健康な歯に比べ軟らかいので手の伝わり方が違います)
顕微鏡下で汚れを除去していき、虫歯の染出し液で染めても殆ど染まらず。。。(p・Д・;)
治療を進めて行くと、すぐに露髄(神経が出る)するも
虫歯でもない象牙質に小さな穴がポツポツ開いておりそこから出血してくる
上の画像から更に削ると、
また小さな穴が2つあり、そこから出血してくるヽ(゚Д゚≡゚Д゚)/
これは虫歯ではなく「内部・外部吸収」だな!
*自分の体の細胞(破歯細胞)が歯をムシャムシャ食べてしまう状態
電気メスで小さな穴の出血を止め削るを繰り返し、
破歯細胞による吸収部分を全て削り取り
側面にかなり大きな穴が開きました。
*赤い部分は露髄した神経部分
この部分をレジン充填(OA3単色)
1日目で穴の処理、銀歯を外して、
3mmの穴から根管治療(拡大形成・洗浄まで)
治療2回目の今日
患者さんに症状を聞くと
1回目の治療後3~4日痛んだ後からは腫れなどは一切ないとのこと
ということで、根管充填+咬合面のレジン充填
*個人的には時間さえあれば1回法で治療出来たなと思いました。
治療後、患者さんには大きな穴は人工物で封鎖しただけだから
歯磨きの磨き残しが出たらまた腫れる⇒次は抜歯!
とくどいように伝えました(笑)
個人的には縁下からレジンで立ち上げても、患者さんの歯磨き能力が高ければ
開業以来ほぼというか、全く問題は起こっていませんヾ( ̄o ̄;)
*かれこれ20ケース以上縁下からの立ち上げをレジンでやっていますが、1ケースも抜歯どころか、腫れてもきません。
昔は縁下(歯茎の下)=歯周外科と教科書的な考えを持っていましたが、
1本程度のはであれば、そんな外科などしなくても大丈夫だと考え方が変わりました。
*1本の歯の為に歯周外科する方がデメリットが大きい
(外科が必要、歯肉が下がる、歯間乳頭が無くなる、歯頸線が凹むため清掃性が悪くなる、隣在歯にも少なからず影響が及ぶ)
**歯頚部に詰めてもプラークの付着の少ないレジンなど出てきています。
今回のような歯髄でもない健全象牙質から出血するようなケースは
外科的に外部吸収を治す際に何度か経験しており、その経験から今回の穴は虫歯ではなく吸収であると診断を付けました。
さてこの歯何年持ってくれるのか!?
年始から、かなりのレアケースを治療させてもらいました(・ω・;)
治療回数:2回
歯内療法+土台+レジン充填
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