Home> 歯内療法日記 > ファイル破折(根管治療)

ファイル破折(根管治療)

 そう多くはない、初めてこのブログを読む方へ(笑)

神経の治療=根管治療って分りますか!?

予備知識としてhttp://www2.ha-channel-88.com/soudann/soudann-00037612.html

 

根管治療は『歯が残る前提の治療ではない』ことを知っておいてくださいね。

一応今回のネタは誤解を生みやすいネタなので先に

dora9.jpg 

 

 

 

根管は神経の治療の際にどうしても起ってしまう偶発症の1つ『ファイル破折』

私も折ってしまうことがたまにあります(p・Д・;)

 

神経を取るヤスリの道具のことを「ファイル」、「リーマー」と言いますが、

神経管が急に曲っていたり、神経管が細かったりすると、この神経を取る道具が「ポキッ」と折れます。

何回か使っていると金属疲労を起こして「ポキッ」と折れることもあります。。。

 

そうしないようにある程度使用したら捨ててしまいます。

 私もニッケル・チタンファイルは高い(1本1500円ぐらい)ので、滅菌をして何回か使用します。

滅菌をして使う分には、大きく劣化することはありません。

 

ただ何十回も使いまわすと・・・

金属疲労を起こし「ポキッ」と折れます

 

稀に新品のファイルでも不良品、無理な使用をすると金属が折れてしまいます(> <;)

折れる前にファイルが伸びることもあります。

http://eedental.jp/eeblog/2012/03/post-477.html 

 

どこの歯科医院でも折れないような配慮はしていますが、それでも折れます。

過去の歯内療法学会のアンケート報告でも卒後2年目で100%の歯科医師がファイルを折った経験があるそうです。

私もそうでした。

 

またアメリカの歯内療法専門医のデーターを見ても

hasetu1.jpg

日本の治療費の10倍以上もらっているアメリカの専門医が、

2.4%、4.6%の割合でファイルを折ってしまっているそうです。

(個人的には専門医で4.6%は多いような気がしますが^^;)

 

私のファイル破折の連続記録・・・

http://eedental.jp/eeblog/2011/06/post-303.html

  

と言うようにアメリカの専門医でも神経を取る道具は折ってしまう現実があります。

ただ、きちんと滅菌したファイルを使用していて、歯の中で止まっていればまず問題になることはありりません。

 

問題なのは歯の外に出たファイル

fwairu a.jpg

他院で最近セラミックを入れたが歯がずっと痛むと2年ぶりに来院された方

 

こんなに歯の外にファイルがでていると。。。

抜歯も1つの選択肢になってきます。

 (抜かずに治す方法考えますけどね〆(・ω・。) )

 

 

ファイルの太さが1mmであればいいのですが、0.1〜0.5mmの道具なので・・・

油断していなくても折れます。

 

 

歯の中で折れたファイルは、顕微鏡を使用してファイルを取ることも可能です。

 

'> 

 

顕微鏡で取れた破片を患者さんに見せると、多くの患者さんが、

「えっ、この大きさ!?」

mazi.jpg

 

と言われます。

 

 

神経を取る道具は折れてしまうものだという言い訳をさせてもらいましたが、

ただ、私が問題に思うのは

「日本ではファイルを折っても患者さん告知することが少ない!」ega a.jpg

 「もの申す!」

 

確かに折っても分らない時もありますが、

根の治療の感覚が鋭くなると90%ぐらいは折れた瞬間に手に伝わってきます。

そして、大量の汗をかきます。(お、おっちゃった・・・)

fwairu (1).jpg

 

一方アメリカの専門医のアンケートを見ると

 ファイルが折れているレントゲンを見つけると95.3%の先生が患者さんに告知するようです。

 

日本のアンケート結果はありませんが、告知率は低いように思います。

私も医院で全顎検査をさせて頂いた患者さんには口全体のお話をします。

 

ファイルが折れていれば客観的にそのことを話して、歯の中に留まっていれば、

このまま置いておいても問題はないことを話します。

 

 

すると、90%以上の方は、

mazi.jpg

 

 ええ、

aa1.jpg 

 マヂで!

 *昔はシルバーポイント(銀の金棒)を最終的な詰め物として、入れていた時代もありました。

 

 

もし自分が患者さんだったら

折れたら報告してもらいたいですね(。・Д・。) 

   

 

たしかに、日本の保険治療費は考えられないほど安い治療費

http://eedental.jp/eeblog/2009/10/post-10.html

の為器具は消毒して何回も使いまわさないと赤字が続く現状があります。

 

例えば写真は、昨日私が治療をさせてもらった患者さん1本の歯の神経を取る為に使用したファイル

DSC04039.jpg

色々な色がありますが、これ全部のファイル代だけで13000円ぐらいですφ(・ω・ )

(根の治療にかかる材料費はファイルだけではないですからね^^;)

 

私は保険治療していないので、折れないようにする為の治療費を患者さんに頂きますが、

保険治療では2回目の根管治療は300円(:窓口負担90円) 

*この中にラバーダム、麻酔、消毒剤の費用が含まれます。

 

どうでしょう!?

300円の治療で13000円分のファイルを使い捨て出来るでしょうか・・・!?

 

無理です!( ゚Д゚;

医療はボランティアではありませんのでね(;・∀・) 

 

日本という先進国にいながら、根の治療においては後進国並みの治療費の為。。。

安いということは良いことです。

ただ安過ぎるというのは何か弊害を起こします(>。<;)

 (ファイルは折れるものであることも術前に説明しておく必要がある時代だと思います)

 

こんなことを書くと歯科界から抹殺されるかもしれませんが、

「治療費が安くて繰り返し使わないといけない」と言うのと、

【患者さんに折ったことを告知しない】

というのは別問題の気がします( 'ノω')

  

 


 

どうでもいいのなら、それもかっこいいけれど
僕たちの力で変えることもできるさ ♪ (「透明な戦場」♪Jude)
 

関連エントリー

Index of all entries

Home> 歯内療法日記 > ファイル破折(根管治療)

購読
Powerd By

Return to page top