親知らずの根管治療は難しい
- 2023年10月25日 09:05
- 歯内療法日記
基本的に私はあまり親知らずの根管治療はしません。
理由は、上下できちんと咬んでいる機能している親知らずが少ないこと
歯磨きが奥まで出来ずに虫歯にしてしまった歯なので、再び虫歯にするリスクが大きい
親知らずの神経管は複雑を極め治療が難しい&ラバーダムが出来ないポジションの歯もあること
などから、親知らずに問題がある場合抜歯を勧めることが多いです。
今回の患者さんは50代女性
4ヵ月前に親知らずの虫歯の治療を行った。
1ヵ月前ぐらいからズキズキ痛みが出てきた、今は冷・温水痛があり痛みには波があり大きな痛みが出ることも
治療した歯科医院で知覚過敏のコーティングはしてもらったとのこと
レントゲンを撮ると
詰め物の下に虫歯が残っており、かなり大きな段差のレジン充填+根尖にも透過像が出始めています。
下歯槽管と根尖が重なっており、麻痺の可能性もあるのでCBCTで診察
根の先と太い神経管とは離れているが、歯の中の神経管は複雑でかなり細い・・・
患者さんには虫歯が大きくて神経が弱ってきてしまっていることを説明
患者さんは第2小臼歯が先天性欠如で、親知らずが左上7がきちんと咬んでおり
親知らずがきちんと機能しており仕事をしている、抜歯すると咬みづらくなることが予想され
患者さんに残す方向で治療をするか提案
患者さんも残したいとのことで治療スタート
2回法で治療をしました。
歯茎の中にかなり大きくレジンが詰められており、その除去に時間をかなり取られました。
正直、このレジン治療はやらなかった方が良かったと思います。
神経管も複雑で細く、クネクネしており0.06mmのファイルを駆使しても根尖まで届きませんでした。
とりあえず開けれる所までを良く洗浄して、レジン充填で修復しました。
術後6か月のレントゲン
1カ月前に痛みが一度出たとのこと、ただ、術前時にあった疲れると首から肩まで痛みが広がっていた症状が治療後からは出ていないとのこと
レントゲンでも歯根膜腔が綺麗な所見になってきており、問題ないように見えます!
親知らずの治療は虫歯の取り残しが頻繁に見られますし詰め物も段差が多いです。
患者さんが歯磨きしにくい場所は、歯科医師も治療しにくい場所で予後が悪いです。
患者さんには虫歯にしないように奥まで歯ブラシ入れて下さいね!と言っていますが、今回の患者さんは非常に綺麗に磨けておりある部分安心しております。
この後、1年予後のレントゲンを撮って終わりとなります。
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