若い人の骨の治るスピード
- 2023年10月14日 09:05
- 歯内療法日記
昨日書かせて頂いた骨の治りの遅いケースとは対照的なケース
根管治療 成功と取るか、失敗と取るか!? - EE DENTAL_Blog
患者さんは14歳の女の子
経過:顔の右側全体がパンパンに腫れてしまい総合病院の小児科受診
小児科の先生は上顎洞炎を疑いCTを撮影後、上顎洞には問題なく歯に原因があると思われ
同病院の口腔外科へ紹介
口腔外科にて3日間抗生剤を処方され腫れは徐々に引いて来たとのこと
口腔外科で根管治療スタートすると神経管の方から膿が出たとのことでオープン(仮蓋なし)の状態
お母さんがEEデンタルの患者さんで、根管治療するなら歯内療法専門医がいいとのことで
口腔外科からEEデンタルへ
レントゲンを撮ると
大きな透過像あり、仮蓋はなく、過去に詰めたレジンの下にも虫歯が見られます。
推測になりますが、
過去の虫歯治療の際に虫歯が大きく、そこから神経が徐々に死んでしまい今回の腫れに繋がったようにも思えます。
大きな虫歯治療後は数年後に神経が死んでしまい膿んでくることもたまにあります。
患者さんにはとりあえず、根管治療を行い予後が悪ければ外科的歯内療法で歯を残すと説明
治療1回目、一度過去のレジンを外しきちんと隔壁を作り根管治療スタート
若い患者さんだったので、根尖径は比較的大きい
こういったケース、歯の中には水酸化カルシュームをよく使いますが、
私は、根管内には無貼薬という名の『次亜塩素酸ナトリウム』
をよくやります。
むしろ9割は無貼薬という名の『次亜塩素酸ナトリウム』貼薬
膿の見られる1割は『水酸化Ca』
治療2回目 腫れ痛みもないことより根管充填
ガッタパーチャー使用
今月もおられましたが、根管充填材 MTAセメント希望
話を聞いてみると、
「根管充填はMTAセメント使った方が成功率が高い」と受診した保険医療機関で言われ、自費根管治療を勧められたとか
私:「MTA詰めた方が成功率が高い!?」
「未だに世界の歯内療法専門医はガッタパーチャー使用していますよ!?」
「それが事実であれば、世界の歯内療法専門医はMTAセメント使っていますよ」
「私の場合、MTAセメントはパフォレーションリペアにはマストアイテムですが、根管充填においてはケースを選んでしか使っていませんね」
保険医療機関では建前上、治療の中に自費材料を1つでも使わないといけないので、
根管充填材はMTAセメントがいいという説明だとおもいますが、保険治療やっていない人間からすると
自費治療で根管治療したければ、保険医療機関辞めればいいだけなのに・・・
と思います。
で、膿が大きくてもガッタパーチャーを使用させてもらった本ケース
(根尖も破壊されていない為MTAセメントを入れる必要はないと判断しています)
6か月後のレントゲン検診
患者さんは特に痛みや違和感は感じないとのことでレントゲンを撮ると
「骨の治り早っ!」
デンタル上ではもう殆ど根尖病変消えてきてくれ骨が出来てきています。
ね!中に入れる材料で結果が決まる訳ではありません。
骨の治りは個人差がありますが、経験上10代の方の骨の治り早いなぁと思います(。・∀・)ノ゛
ここまで治りましたが、1年予後まで経過を見て行きたいと思います。
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