外科的歯内療法回避!
- 2024年5月24日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは50代男性
少し痛みがあり、近所の歯科医院に行ったところ膿が溜っていると言われた。
レントゲン
近心・遠心根に根尖病変が見られます。
患者さんに痛みが続くようなら治療をして改善するか様子をみた方がいいと説明
根管治療をさせてもらうと
近心根は根の先の方が石灰化しており、根の先まで穿通できず。。。
患者さんには開けれる所までは治療したと説明
*最初の抜髄であれば、95%ぐらい根尖まで穿通出来るのですが、1回目の治療で中途半端に治療してあると、2回目の根管治療はこのように途中までしか治療出来ないことが半数近くであります。
ただ、私は根の先まで人工的に削っては治療せずオリジナルの根管だけを治療するのでショート根充になる場合も多々あります。
患者さんには可能な限り消毒はしたので仮歯を入れて様子を見ましょうと説明し
1年後
症状などは一切無くなったのですが、レントゲンの影は消えてきていません。
患者さんには、次の治療は外科的歯内療法を行うか!?このまま被せ物を入れて症状がぶり返すようなら後で外科的歯内療法を行うか!?
と話し合い、とりあえずゴールドクラウンを入れることにしました。
遠心根は治って来てくれているみたいです。
術後2年
患者さんは症状は一切なく使えているとのこと
術後3年 ボトックス注射をしに来て頂いた際にレントゲンを撮らせてもらいました。
あれ、骨出来てきていないか!?
患者さんも一切症状はないとのことで、このまま使ってもらうことにしました。
誰だって歯は抜きたくないですし、外科も受けたくはないと思います。
外科的歯内療法は1ヵ月に1件程度はしていますが、行う歯は決まって膿が出てくる歯
今回のように、症状アリ→症状ナシになり 腫れが無い場合はたまにこのように待機診断を行う場合がありますが、今回の様に2年後ぐらいから骨が出来てくるように見える場合も極たまにあります。
積極的に白黒付けるよりは、白よりのグレーであればそのままという選択肢もありかなと思います。
ただ、この辺は歯内療法専門医でも先生毎に考え方の違いはあります。
特に私のような積極的に外科的歯内療法やらない専門医からすると、待って治るならそれはそれでいいんじゃない!?と思います。
もちろん痛みや腫れが見られる場合には外科も含め検討はしますよ。
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