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根管治療後のクラウンの精度の問題

患者さんは40代女性

右上のクラウンの縁に段差があり、そこに穴・虫歯があります。

2024 EEdental YAYU (1).jpg

 過去の根管治療はしっかり出来ているのですが、被せ物の精度が低い為か歯の中に細菌感染しているように思えます。

 

口腔内

2024 EEdental YAY (6).jpg

白い被せ物がありますが、右上5の縁(マージン)は凸凹があります。

  

思うのですが、なぜ奥歯のクラウンのマージンを歯茎の奥までわざわざ入れるかが不思議

今回のケースも歯茎の中2mm以上まで削ってあり、そこは全然覆えていない(隙間がある)

 

「歯茎の中までなぜ削り込むのか!?」

メリットは1点 歯と人工物(被せ物)の継ぎ目を歯茎の中に入れ綺麗に見せる! 

ただし、デメリットは

・歯茎の中まで削るので歯茎を傷める

・型取りが極端に難しくなり、被せ物の段差が生まれやすい

・接着剤でクラウンをくっ付けた後、セメントの取り残しが多い(のちに歯肉炎になります) 

・再治療がしにくい、場合によっては骨を削って歯茎を下に下げる手術も必要

★患者さんも歯磨きがしにくい、臭いの元になることも

ホントに、審美的な面以外あまりメリットが見えない。。。

 

なのに見えない歯茎の下の部分まで白いクラウンを入れたがる!?

なぜ、メリットの少ない治療を第一選択にするのか!?

そもそも、正しい治療なのか!? 

  

とりあえず、

自分は、クラウンの下の大きな穴を処理して根管治療を行いました。

2024 EEdental YAYU (2).jpg

骨と同じレベルまで削ってありました。

顕微鏡で治療している人間としては、裸眼で見えない部分は適当に削っちゃダメ!と思います。

  

こういうケースはこの後、歯肉、骨の手術を行います。

ただ、自分はやりません!(これもメリットに対するリスクが大きいので)

「歯肉弁根尖側移動術」をやらなくなって早10年 - EE DENTAL_Blog

歯肉ちょっと縁下で形成を行い。

2024 EEdental YAYU (3).jpg 

セラミッククラウンを準備

 

口腔内

2024 EEdental YAYU (4).jpg

入れてすぐなので、後1週間もすればもう少し歯茎が馴染んできます。

 

 

自分は補綴(被せ物)の専門医ではありませんが、歯を長く持たせる観点からすると

削る位置というのは歯茎の際辺りに設定した方が再治療の際にも、ラクになるので自分の歯ならこちらを希望しますね。

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