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大きな根尖病変 根管治療では治らず外科的歯内療法
- 2025年12月10日 09:00
- 歯内療法日記
の予後報告
患者さんは40代女性 富山県からわざわざ来院頂きました。
(通院が車で5時間って凄い!)
主訴の歯は左上6 2019年に矯正治療を行う際に根管治療を行った。
その後2022年ぐらいから頬を押すと違和感が出てきた後、一度腫れてきた為切開を行っている。
クリーニングには定期的に通っていたが、先生には膿(病変)が大きので抜歯しかないと言われた。
レントゲン
レントゲンに収まらないぐらい大きな根尖病変があります。(開業以来トップ5に入るぐらい大きな病変)
歯肉を見ると頬側にフィステル(膿の出口)があります。
検診で定期的に歯科医院に行っていたのにも関わらずここまで大きな根尖病変を見逃されていると・・・
とりあえず患者さんには歯を残す方向で治療をしましょうと説明し
①通常の根管治療を行う
②それでダメなら外科的歯内療法
の2段構えで行くと説明させてもらいました。
治療1回目 隔壁を行い人工物を除去まで行いました。
口蓋根は過去の治療でかなり削られておりパフォレーションギリギリでした。
穿通したものの根管内からは排膿は見られませんでした。
治療2・3回目
歯肉にあったフィステルは無くなったのですが、頬を押すと感じる違和感は消えず。
根管内も綺麗だし、根管内でやることないので根管充填材を詰めて様子を見ることに
治療4回目 根管充填+レジンコア+仮歯まで
根尖病変の輪郭部分にも骨のような所見が出てきており待てば治るパターンか!?
ここから経過観察を行いました。
1年近く経過良好だったのですが、1年1ヵ月経過した所で腫れてきてしまいました。。。
患者さんに説明を行い、外科的歯内療法を行う必要があるがCTで見ても原因の根が分からないので
もう少し待機診断をさせてもらい原因の根の断定をしてから外科介入すると説明
とりあえず抗生剤で今回は散らしました。
また腫れを感じるとのことで来院して頂いた時のレントゲン
レントゲンでは術前に比べ骨は出来てきている所見アリ
原因の根はMB根だと分かってきたので、ここで外科的歯内療法を行いました。
MB根をカットして逆根管充填
先日来院して頂くと
病変はかなり小さくなり、病変があった部分の副鼻腔の所見も戻ってきてくれています。
とりあえず、もう半年待って経過観察しましょうと説明させてもらいました。
大きな根尖病変ケース
抜いて治すことが手っ取り早いんで一般的ですが、今回のように残す治療も手間と時間をかければ可能ですよ!ということを言いたいです(>。<)
ホント遠方からの通院ありがとうございます。
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