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歯内療法日記: 2010年7月アーカイブ

根管内洗浄まとめ(Irrigation) サンディエゴのAAEのことを踏まえ

本当に放置しまくりで書き始めたのが、4月末。。。

存在すら忘れかけていたのですが・・・

 

根管内洗浄について、

2年前にAAEに行った時にはこればかり聞いていたのですが、今年は最終日近くに2セッションに参加してきました。

 

前回の

「いかに歯の中の余分なもの(死んだ神経、細菌)を歯の外にだすか」

の続きにもなるのですが。

 

細菌、たんぱく質(神経の死骸)効率的に出す方法として

機械的清掃(削って余分なものを外に出す)

化学的清掃(液体を使用して余分なものを溶かす)

の2種類があり根管内洗浄は化学的清掃の方にカテゴライズされます。

 

前に書いたGT-Xファイルなどは機械的清掃の方になります。

http://eedental.jp/eeblog/2010/04/post-77.html

 

興味があれば、昔何度か書いています。 ( 探してくださいm(_ _)m )

http://www.eedental.jp/blog/archives/category5.html

 

 今回は、

化学的洗浄の根管内洗浄(イリゲーション)にスポットを当てて

 

日本ではあまり関心がない根管内洗浄ですが、数年前まで海外では非常にお熱で研究も盛んに行われていたのですが、一時期に比べ研究報告のピークは過ぎたみたいですね。

大分考え方が決まってきたようです。.

「ジャーナル」(AAEの学会誌)も2007年がピークだったとスライドがありました。

 

では、効率的な洗浄システムをみていくと。

まず、どんな消毒剤(洗浄液)を使用した方がいいのか?

 

因みに11年前大学で教わった「次亜塩素酸ナトリウム+過酸化水素(オキシドール)」

この組み合わせは過去のものであまり期待できる消毒効果は得られないと思います。

(完全に私見ですよ、ウチのブログですから自由に書かせてもらいます^^;) 

 

と言うか、「次亜塩素酸ナトリウム+過酸化水素(オキシドール)」だと、お互いが直に中和してしまいあまり効果的でないような・・・

 

消毒効果を得る為には、ある程度薬剤が浸透する時間が必要なのですが、

AAEでも「次亜塩素酸ナトリウム+過酸化水素(オキシドール)」の組み合わせは全く出てきていませんでした。。。 

 

現在(2010年現在)良いだろうとされている組み合わせは、

・1〜7%次亜塩素酸ナトリウム(注1)+2%クロールヘキシジン

・1〜7%次亜塩素酸ナトリウム+15〜17%EDTA

・1〜7%次亜塩素酸ナトリウム+MTAD

になるそうです。

みたいです^^;

(注1、1%次亜塩素酸ナトリウム(NC)はあまり期待できる効果はないとの報告もされていました)

 

次亜塩素酸ナトリウム(NC)について細かく見ると、
・温度 Kamburis et al, JOE 2003
・洗浄時間 Sassone et al, 2003
・濃度 Gomes et al IEJ 2001
・量 Goldman et al,000 1981
・多剤との組み合わせ Hasselgren et, JOE 1988

お勧め出来るのはNCを加温することです。(in vitroの研究ですが^^;)

冷えたNCと温めたNC、溶解作用は温めたNCの方がありますから、治療前に少し温めた方がいいですね。

 

超アナログ歯科医院EEデンタルでは

用意するもの

・2Lのペットボトル(お〜いお茶、使用)、

・500mlのペットボトル(ポカリスエット使用)

・10mlのシリンジ(テルモのロック式の物)

で下の部分で適当にカットしてください。

NC (1).jpg

 

ペットボトルに熱湯を注ぎシリンジをさすだけ。

NC.jpg 

 

20分もすると冷えるのでお湯を変えてください。

これで洗浄効果を上げています。(これはお金がかからず次の日から実行可能!!) 

 

その他の薬剤(MTAD、2%クロールヘキシジン、15〜17%EDTA)ですが、

MTADは極たまに使用していますが私的にいうと「?」です。

(ただただ高い洗浄液のような気も・・・ 日本では購入することが出来ないので海外通販で購入します)

難治性のものから多く検出される「Enterococcus faecalis」にターゲットにしているようなのですが、使っても治らない時は外科的歯内療法で治療するしかないですね・・・

 

日本ではあまりまだなじみのない2%クロールヘキシジン

浸透性は良く、NCに比べ生体にも為害作用が少なく、

薬効が持続もしますし良いとは思うのですが、まだ未知数。。。

 

 

以前、師匠が教えてくれたのですが。。。

 

忘れました(笑)

 

ただ、1〜7%次亜塩素酸ナトリウム(注1)+2%クロールヘキシジン

で使用すると泥状の沈殿物が根管内にできるので除去するのにちょっと厄介。

 

私は極たまに難治性のケースに使用しています。

 NC+EDTAでフィステルが消えないケースには「MTAD」

でも消えない⇒クロールヘキシジン

 

年に2本ぐらいですけどこの方法を使うことがあります。

(完全に臨床的な感です、科学的な根拠は皆無です) 

 

一般的に世界では2番目の組み合わせ、

「1〜7%次亜塩素酸ナトリウム+15〜17%EDTA」の組み合わせが多いですね。

この組み合わせがコスト的にも安いですしね(笑)  

・有機質溶解には次亜塩素酸ナトリウム

・無機質溶解にはEDTA

 

で、もう一度先ほどの物を

・1〜7%次亜塩素酸ナトリウム(注1)+2%クロールヘキシジン

・1〜7%次亜塩素酸ナトリウム+15〜17%EDTA

・1〜7%次亜塩素酸ナトリウム+MTAD

 

ではなぜ2種類も洗浄液を使用するのか!?

NC1種類では駄目なのか!?

 

右側に書いた『15〜17%EDTA、MTAD』

 これらはスメア層に対しても有効に働きます。

 

次亜塩素酸ナトリウム(NC)はスメア層の下の細菌を殺すことが難しいとされています。 

洗浄液の主役はNCで、主役の演技をより引き立たせる為には、よい助演男優が必要になる訳です。

この助演男優が『15〜17%EDTA、MTAD』なのです。

 

 

では、「スメア層」とは何ぞや!?

歯の中は象牙細管と言うストローの束のような構造になっており、ハチの巣・洞窟様に穴がたくさんあります。

a.jpg

     細菌              細菌

この穴の中にも細菌が入り込んでいるのですが・・・

洞窟の入り口は汚れ(スメア層)でバリアされていて、頼みの綱のNCも入っていけません。

 

このスメア層は 神経を取るファイル(ヤスリ)を使用すると必ず出来てしまい、削りカス(デブリ)が穴の出入り口を塞いでしまいます。金属で歯を擦ると出来ると言われています。

洞窟内に逃げ込んだの細菌を殺すにはまず、入り口の削りカスをどかした方が洗浄効果が上がるのです。

aa.jpg

          細菌

このカスを溶かすものが15〜17%EDTA、MTAD

細菌を殺す薬が次亜塩素酸ナトリウム

 

ですから2種類を使用した方が細菌を効果的に減らすことが出来、ベターな訳です。\(^_^=^_^)/

(2010年現在:10年後の考え方は分りません

 

しかし、日本では・・・2%クロールヘキシジン、MTAD 購入が出来ません。(薬事の関係)

高濃度のEDTAも購入しにくい・・・

(ウルトラデントから高濃度のEDTA購入できますが、ジェル状なので。。。 ジェルにすると根管上部だけしか消毒できないような・・・ジェルにする必要が見えない(_ _|||) )

 

 

17%EDTAは海外通販では安く買えます。(と言いつつ最近購入先を師匠に教えてもらいました)

スメアクリーン(3%)よりはかなり安く購入できますが、ここでも薬事が・・・ 

 薬事は良い面もあるのですが、医療の発展を著しく妨げている面もありますね(><;)

 

先ほど書いたように、洗浄液は「種類」の他、「量」、「温度」、「時間」、「濃度」でも差が生まれるのですが、メンドクサイので割愛(笑)

 

で洗浄液の洗浄効率を上げる為には、

・根管形成(テーパー、根管の太さ、根尖径、)も重要です。

 

液体を還流させるにはある程度の角度と太さが必要ということです。

(かなりマニアックになってきました。一般の方はついてきているのか(笑)) 

 

ストローみたいな平行な状態より、すり鉢状(アリ地獄の様な!?)の方が下の方まで洗浄液が入りやすいです。

根の治療は出来るだけ根の先端部分の処理が大切になるので出来るだけ洗浄液を根の先端方向に進めたい訳です。

テーパーを06(0.06)以上付けることで洗浄効率も上がるとか。  

 

で簡単に06テーパーを付けようとすればNi-Tiファイルを

DSC01025.jpg

下から04、06、08テーパー(正確に言うと0.04、0.06、0.08テーパーです)

 

Ni-Tiを使用する場合グライドパスをさせてから

下の写真のファイル2本で根管形成は済みます。

 

『洗浄効率が高い根管を作るには』

・06テーパーのニッケル・チタンファイルを使用する

・02テーパーのKファイルで0.5mmずつステップバックを行いテーパーを付けるか

(こちらは結構メンドクサイです、テーパーの話を読んでください・・・)

 

私は08テーパーのニッケルチタンでブラッシングモーションでファイル操作を行うのでテーパーは10ぐらい付いているかと思います。

08テーパーのもので根管形成をすれば根管は08以上になっている訳です。

 06より08の方が根管充填もしやすいので。

 

 

大昔に書いたものですが、今も9割方この考え方です。

http://www.eedental.jp/blog/archives/2007_12_20_64.html

 

 

また数年前から洗浄液をどう効率的に奥の奥の細菌まで届かせるか!?という所に目が向けられ。

・洗浄道具(洗浄針、音波or超音波)

 も注目されています。

 

 洗浄液を揺らして隅々まで効率的に洗おうという考えです。

 

ここで1点、NCなどを根管内に入れて放置する洗浄をたまに見ますが・・・

消毒液をただ入れておくだけでは、一番消毒液を浸透させたい根の先端、この部分って直に気泡が貯まってしまい殆ど消毒出来ていないようです。

 この実験動画を見た時は、 見えないが為に思いこみで治療すのはマズイなと。。。

 

出来るだけ針の先を根尖側に持って行った方がいい訳ですが、そこで気をつけなければならないのが『圧力』

針先の穴が横に開いている物などを使用しないで、過大な圧力をかけると。。。

洗浄液 圧力.jpg

まさに水鉄砲!! (この歯根尖の数多いですね^^;)

この横穴使用の針(ニードル)は色々なメーカーから発売されていますが、私個人の意見は洗浄液のMTADに付いてくる針が一番腰もあって使いやすい。

(単品で売ってくれないかな・・・、デンツプライ)

 

で、今現在一番安全で理想的と言われる洗浄システムが、 『ENDO VAC』

(*日本での発売は今の所ないです、認可は取りに行っていると聞いていますが)

ENDO VAC (1).jpg

 

金属部分の先端に穴が12個開いていて、

根の先端まで針を入れると洗浄液を根の先端まで持ってきて吸引する。

ENDO VAC (2).jpg

 青⇒ 洗浄液を根尖側に

赤⇒ 洗浄液を歯冠側に吸引

 

すると、スメア層が綺麗に取れ象牙細管が

ENDO VAC (3).jpg

 根管内を陰圧にして根の先端まで効率的に洗浄液をデリバリーして理想的だなとは思うものの・・・

 

 ただ「ENDO VAC」 

 

 

高い!! 

 

 かなりコストパフォーマンスは悪いです。(0.32mmの針はNC使えば直に目詰まりするでしょうね)

使用すれば確実に成功率が3%上がるということが保障されれば買いますが、ただただ高い道具のような気もしなくはないです。

この道具は根管形成をかなりきっちりした上で使用するツールになりますので、上手な根管形成が出来る先生が使用した方が効果的でしょうか。 

 

 お金のかかならい(ランニングコスト)道具に着目すると!!

エンドアクチベータ.jpg 

 

写真上のVibringe (たしかオランダメイド)

写真下のENDO ACTIVATOR (ラドル先生が考案)

使い方 ⇒http://endoactivator.com/video.html 

後、超音波チップ 

 

3つの違いの動画を作りました:http://www.youtube.com/watch?v=VJKb0BqQ3oo&feature=player_embedded

洗浄液の揺れなどを顕微鏡で覗いて見てみると、Vibringeは洗浄針の先が揺れるシステムです。

個人的な感想なのですが、

根尖(根の先)の洗浄効率を上げるにはニードルを出来るだけ根尖側に入れた方がいいと思うのですが、Vibringe根管に針が触れると針の振動が無くなり殆ど洗浄液は揺れない正直これで良いのか!?と

 

一方ENDO ACTIVATORは汚れが激しく浮いてきたり洗浄液も目で見て大きく揺れています。

気泡を発生させられる、根管にプラスチックチップが振れても液体は激しく揺れる点からも私的にはENDO ACTIVATORの方が安心できます。

ただ、この道具3段階に振動が変わるのですが、正直使い方が今一分らない。。。

いつ振動を大きくしたり小さくしたりする必要が出てくるのか!?

 

Vibringeの金属の洗浄針が根管に当ってスメア層が出来ないかも心配、一方ENDO ACTIVATORはプラスチックチップなのでその辺も安心です。

 

特にデンツプライのまわし者ではありませんが、このぐらいデンツプライ商品のCMしておけば今西さん(業者さん)も何かくれるだろうと淡い期待を!!(MTAください!!)

 

AAE(アメリカ歯内療法学会)でもVibringe販売はしていましたが、いつもブースは閑散としており。。。il||li(つд-。)il||li

 因みに Vibringe 7万円しました。。。(ただただ揺れるシリンジが^^;)

 

ENDO ACTIVATOR:まだ日本では販売されていませんがそのうち日本で発売の噂も聞きます。

 

 超音波の出力を下げて根管口付近で揺らすことをされている専門医の先生もおられます。

 

何がいいのか私には分りません。

2年前ぐらいにアメリカのヒゲを生やした教授が日本へ講演に来た時に

「音波と超音波どちらの方が洗浄効果は高いですか!?」と聞いたのですが、回答は

「どちらでも良いが、揺らしながらあらうことが大事」と話されていました。

 

この先少しずつ解明されていくかもしれませんね。

 

 

 

臨床的な感になりますが、

やはり液体が激しく揺れて、発泡する方がいいのではないかなぁ〜と思っています。

 

 

以上 、3ヶ月ダラダラ書いていたものになります。

 

この後だらだら修正していきますが、未完成のまま終わりそう。。。(><;)

  

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感染根管症例 2007〜2009年

新しくページを作りました!!

3月に完成予定が。。。^^;

1277639911.jpg 

 

感染根管と特殊症例を載せています。

http://www.eedental.jp/endo2.html

 

2007年〜2009年の私の傾向

穿通ファイル Kファイル

 

グライドパス #15Kファイル

 

根管形成Ni-Ti:

・GTファイル

・ゲイツファイル、

・オリフィスシェーパー、

・プロファイルシリーズ29、

・GTファイル、

・プロテーパー、

・TFファイル、

・GT-Xファイル


洗浄:次亜塩素酸ナトリウム、EDTA,2%クロールヘキシジン、バイオピュア

    *詳しくはそのうち

   +エンドアクチベータ

根管充填

・コンテニアスウエーブ、

・ウルトラフィルを用いたダブルインジェクション法、

・MTAを用いたアピカルバリアテクニック、

・単一ポイント、

・側方加圧変法

 

メイン

2007年:システムB+ウルトラフィル

2008年:eiダウンパック+ウルトラフィル

2009年:eiダウンパック+β(ホトショット)


仮封:ルミコン、レジン、ルミコン+レジン(2重仮封)


平均治療期間:    前歯:      2回 2〜3週間

                 奥歯:*抜髄  2〜3回 2〜4週間 

                      *感染根管3〜5回 4〜6週間


ファイル破折                 2007年  2本 (内1本除去)

                          2008年  5本 (内2本除去)

                          2009年  0本 


パフォレーション               2007年 0本

                           2008年 1本

                           2009年 1本

 

根管治療後外科的歯内療法が必要になった本数

                 2007年 2本 

                 2008年 3本

                 2009年 3本

 

治療中に発見した歯根破折      

                 2007年 1本

                 2008年 1本

                 2009年 1本

 

抜歯になった歯 (破折歯は抜歯扱いとしました)

                  2007年 2本

                 2008年 3本

                 2009年 2本


麻酔使用率          99.9%

ラバー着用率         99.9%

マイクロ使用率        100%

抗生剤投薬の割合      3〜5%ぐらい

鎮痛剤投与の割合      100%  (ロキソニン、ロキソニン+カロナール)

3MIX使用率          0% 

        

当院での支台築造率     100%

・ファイバーコア         20%

・レジンのみ           80% 

 

 

まだまだ精進の日々は続きます。

33539.gif

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2010年 『根の治療』 コンセプト

根管内洗浄について、書こうと思いはや2ヶ月、放置しまくりで。。。

で、いざ書こうと思ったのですが・・・

 

実は先週末同窓会があり根の治療のことを色々聞かれたのですが、

根の治療の「コンセプト」これに違いがあり・・・( ̄~ ̄;)

(11年前に大学で習ったことは少し変わっています)

 

これは洗浄(イリゲーション)のことを書く前に書かなくてはと、ということで今回は大きな1つの考え方を

(ただし、時代、時代でこの考え方は少しずつ異なっていきますので2010年とタイトルをいれました)

 

現在の最先端の根の治療のコンセプトは

「いかに歯の中の余分なもの(神経、細菌)を歯の外に出すか」

と言うものです。

 

時代的背景として、その昔、

根管治療は根管根管充填材を綺麗に緊密に詰めれば治療が上手く行くと考えられていました

が、この考えは「今はなしです!!」

 

昔の考えでは、『汚い床にワックスをかける』でもOKなのです。。。 (><;)

 :歯の中

ワックス:根管充填

当然、『綺麗な床にワックス』をかけた方が良い訳です。

 

歯の中(根)が綺麗になれば多くの歯は治ってきます。 

 

ただ、一度生活を始めた床は新品同様の綺麗な床には出来ません。

⇒『一度感染した歯には細菌が住みついてしまい細菌をゼロにすることは出来ません』

目標はゼロですが、ゼロにはならないことも事実です。

 無菌操作と無菌治療は異なりますからね。話すと長くなるので今回は省略 

 

 

『細菌を出来るだけ少なくした所で根管充填してして細菌を動けないように封鎖してしまうと言うのが世界的な潮流です。』 

 

もの凄く簡単に言えば、

丸太の中にいる10000匹のシロアリを悪さができない数(例えば50匹)まで減らしてしまい、チラホラとしかいないシロアリの巣にコンクリートを流し込んで今いる白アリも身動きがとれないようにする。

 

では10000匹の白アリ(細菌)を減らすことに着眼すると、

1、ガバっと巣ごと削り出し数を減らす(機械的洗浄)

2、消毒液を流し込んで数を減らす(化学的洗浄)

 

 の2つがあるのですが、これはまた次回(たぶん)

 

昔の考え方⇒現代の考え方は

根管充填までの過程:『機械的洗浄+化学的洗浄』の方に重きがおかれるようになっています。

 

これを書くとでは根管充填は軽視しているように見られるのですが違いますからね(・ε・)

 

*綺麗に根管充填がエンドの予後を左右すると言うイングル先生の報告が20年以上前にもありますが。。。

 

ただ、きちんと根管拡大・根管内洗浄したら、普通セットで根管充填も綺麗にすると思うんですよ。

 

綺麗に根管充填出来た=綺麗に根管形成した=歯の中の余分なものをある程度除去出来た

と私は考えていています。

逆に言えば、綺麗に根管充填する為にはそれまでのステップをきちんと行わないと綺麗に根管充填できません。

積み木の一番上に根管充填が来ると言ってもいいでしょう。

 

 

 

 

非常に個人的な意見なのですが、 

根管治療後の予後は根管充填が支配するのは80%間違え だと思っています。

(ガッタパチャーが長く残っているものほど根の病変は出来にくいとの報告もありますが^^;)

 

細菌さえいなければ、根管充填していなくても病変はできないものもありますし、二昔前などは綿栓根管充填と言って綿しか詰めていなくても病変が出来ていなかったものもあります。

どちらかと言えば、 「根管治療後の予後の支配は根管口をどのようにして塞ぐか!?」だと私は考えています。

 

なんか読み方によっては矛盾したことだらけですね(笑)

 

 

 

「根の治療後に細菌が入れない状態をどれだけ維持できるか!?」

 

一般の方だと難しいですかね^^;

例えば掃除で巣の中の白アリが50匹になったとしましょう。

ですが巣の外に出ていた白アリが、応援に直に駆けつけてしまいます。

根管充填後(根の治療直後)は、巣の入り口はまだ開いた状態です。

 

応援隊の白アリを中に入らせない為にするには、入り口を塞ぐ必要があります。

 

綺麗に根管充填してそのままガッタパチャーを唾液に触れるようにしてしまうと、直にガッタパチャー(ゴム)は唾液感染します。

ガッタパチャー自体歯との接着はありません、空間を埋めておくだけの材料ですね。

 

歯で言うと1つ目の封鎖扉が支台築造(土台)、2つ目が被せ物(セラミック、ゴールドクラウン)

なのです。

 

3ピース.jpg

ですからきちんとした根管治療後には

どれだけ精度の良い②支台築造(土台)を入れたのか!?(1つ目の防御壁)

精度の良い③被せ物を入れたか!?(2つ目の防御壁)

 

こちらの方が根管治療の成功率を大きく左右する因子になると思います。

 

 

 

ですから、EEデンタルでは根の治療で来院されても

セットで1つ目の防御壁の②支台築造(土台)まで治療をさせてもらっています。

 (唾液にガッタパチャーを触れさせたくないので全て直接法で土台を作ります、間接法にすると細菌感染のリスクが高くなるので。。。 かなり細かな重箱を突くレベルの話しですが、1%でも成功率を上げたいので)

 

 

 

シンプルに書くと

「余分なものを取り除き歯の中を綺麗にする。」

そして

 「土台はガッタパチャーが感染する前に入れてしまう」

  

です。 

 

 

 

 

 

ウチのブログ同級生も見ているようなので、ウソを1箇所入れておきました。

 自分で見つけてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(嘘)

 

これ読んで見学きてね^^

 

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超難度の抜髄根管(私にとって^^;)

根の治療は『抜髄』『感染根管』に分ります。

 

何が違うのか

抜髄:神経が生きており、細菌感染が非常に軽度 

感染根管:神経は死んでしまい、細菌感染が起こり膿などが出てくる

 

また治療の難度で比べると

抜髄<<<感染根管

「感染根管の』方が難しくなり治療期間も長くなります。

 

その理由は、

1位:細菌の感染(場合によっては膿が出てきます)

   http://www.youtube.com/watch?v=MFm6Tf2te_Y&feature=related

2位:前の先生の治療した痕、傷、の修正が必要になる(レッジ、折れたファイル、パフォレーション:歯に穴が開いている)

  折れたファイル  http://www.youtube.com/watch?v=O5UQsoI8GBE

  パフォレーション http://www.youtube.com/watch?v=1bGv2hljO5I

3位:人工物(被せ物・土台)を外す必要があり、

    残っている歯も少ないので取り方を間違えると抜歯になる。。。( ノω-、)  

   http://www.youtube.com/watch?v=VylhjFoUAH4 

 

EEデンタルではこのような理由から感染根管の方が治療費を高く設定しています。

と言うか世界的に見ても厄介な感染根管処置の方が治療費は高いのですが、我が国日本の保険治療は手間のかかる感染根管治療の方が安いです。

 

不思議。。。(?。?)

 

感染根管が難しいと言いましたが、抜髄の中にも難しい歯は存在します。

その1症例を

術前

CI3.jpg

6歳永久歯が虫歯になってしまい。。。

受診された時には既に神経を殺す薬が入っていました。

 

治療すると根管口(入り口4つ)は直に見つかっても全て入り口1/3の所で石灰化して道が無くなっているTT

と言ったところで1回目の1時間半が経過・・・

石灰化.jpg

赤⇒の部分から下にファイルが入っていきませんでした。。。

 

作戦を変え2回目の治療

超音波で石灰化している部分を根気よく削り((φ(・д・。)

(お得意のチマチマです) 

 

 

 で、5回目にようやく根管充填

 

CI6.jpg 

 

9歳の子でしたが神経管の太さは80代の方並の神経管の細さでした。。。

 

 

今年1番難しかった

抜髄でした(><;)

 

 

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歯の横にもできる病変(側枝が原因の)

根の病変は歯の先端に出来るものなのですが今回はちょっと珍しいケースを

 

歯の先端に病変ができる理由は、根の先端に神経の出口がある為です。

模型.jpg

                    

その出口から細菌が歯の外に出る為、病変は根の先に出来ることが多いですφ(・ω・ )

 

ただ稀に歯の側面(横)に出来ることがあります。

 

これは歯の神経管の走行によるもので、

歯の横に抜け穴状の出口があり、そこに感染が起こると、根の横に病変が出来てきます(><;)

その横の枝に感染が起こると赤丸のように歯の横の骨が無くなります。

*黒い部分が細菌に犯され骨が無くなった部分

図11.jpg 

 

図で表すと

模型.jpg

 

 

 

 この辺に神経の出口がある

 

 

 

 私たち歯科医師が使用する道具は直線的な道具で歯の横に出来た病変になると・・・

専門的なアプローチが必要になることがあります ゚Д゚)φ.....

 

*上のレントゲンは根管充填後で根管治療直後(5番、6番:奥歯2本)です。

 

専門的アプローチ。。。

言葉にするとカッコいいのですが、なんてことはないいつもの術式をちょっとだけ変更したものです(笑)

 

 で、根充後3カ月後

図12.jpg

 

青い⇒の部分に骨が出来あがりつつあります

 

3ヶ月ですからかなり改善の早いケースですが、

歯の横に病変が出来てもきちんと根管治療をしてやると治る歯は治ってきますφ(。・c_,・。)

 

患者さんも「長年も違和感が消えた」とおっしゃられていました。

 

もう少しすれば骨の密度も上がってくると思います。

よかった、よかった(^―^)

 

図13.jpg 

 

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