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根管治療前の診断ツールと根尖病変の治癒のスピード
- 2013年2月20日 10:18
- 歯内療法日記
12歳の男の子
歯ぐきから膿が出てくるとのことで来院
話を聞くと過去2度腫れており、その都度抗生剤を先生に貰って腫れを引かせたとのこと。
(抗生剤は原因除去療法ではないので再び同じ様な症状が現れてしまいます)
矯正の先生にCTを撮ってもらったが原因が分らない。。。
話を聞いて、
歯ぐきを見ると確かにフィステル(膿の出口)が!( ノ・ω・)ノ
膿の出口からガッタパチャーを入れてまずはレントゲン撮影
これは2番(側切歯)のが原因で膿が出ているみたいですね。
お母さん:「先生、CTが必要なら矯正の先生からデーターを貰ってきますが」
私:「いや、特にはいいです」(即答)
:「根の先の形から言うと、側切歯の根の完成は11歳頃なので、このレントゲンを見ると根の方に何らかの問題が起きてから1〜2年が経過しているとおもいますね」
お母さん:「何とか残りませんか?」
私:「とりあえず2番の治療をしてみて改善があるか見てみましょう」
しかし、矯正の先生がCT撮を撮るのは初めて聞きました( ̄- ̄;)
埋伏した歯もあるし、そういう時代なんですかね。
今回の根の方の問題は通常のレントゲンで十分判断が出来るケースなので、CTを撮らないケースですね( ̄ε ̄ )
(個人的には、根の治療で本当にCTが必要なケースってそれほど多くはないと思いますが、ただ今日も1ケースありましたが、ないと診断が出来ない時もあります)
診断とは術者の能力が大きく依存するものです。
能力が高い先生に診て貰う方が余計な検査はせずに済みます。
(別に私の能力が高い訳ではありませんよ(p・Д・;))
レントゲン所見的に歯の先が完成されていない為、非常に難易度の高い歯だったので、
「通常の根の治療⇒経過観察⇒必要なら外科的歯内療法」と説明させて頂きました。
また、根の先がこれだけ大きく開いているとMTAを用いた方が予後が良いので、MTAを使用させてもらうこと、MTAの副作用で歯が黒くなることが半分ぐらいのケースで見られることを説明させて頂き治療を開始
今回のケース治療して分ったことですが、
根の先端の直径が0.11mm(#110)と普通の完成された根の先に比べると、面積で約7倍近く大きく開いていました。
こういう場合はMTAが今の所ベターなのですが、残念ながら保険治療での使用は認められていません(;´∩`;)
(3000円の神経治療費に1万円の薬使う訳にはいきませんしね・・・)
今日が薬を入れて3ヶ月目
根管充填はMTA(アピカルバリア)+GP(ベータ)+レジンコア充填
わずか3ヶ月ですが、だいぶ骨が出来て来てくれています!ヽ(・∀・)ノ
かなり早い治癒形態で、12歳での前歯の抜歯は避けれそうな雰囲気が出てきてくれています。
次は1年後にレントゲン撮りにきてね!d(・ω・ )
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