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吸収するMTAセメント 歯根吸収ケース
- 2024年8月27日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
左上奥歯の違和感が続くとのことでレントゲンを撮らせてもらいました。
左上7の奥に左上8(親知らず)が埋まっており、その部分に深い歯周ポケットがありました。
治療の難しい近心頬側根も手づかずのような状況
患者さんの話などを聞き、まず左上7を治療してみましょうと説明し治療スタート
治療を開始すると親知らずの影響で左上7遠心頬側根側面に歯根吸収があり
その部分から歯の中に不良肉芽が入り込んできていました。。。
1回目の治療で不良肉芽を電気メスで除去、止血の為に水酸化カルシュームを貼薬
治療2回目、その部分から排膿あり。
治療3回目 MTAセメントにて穴埋め
かなり複雑な歯根吸収でした。
治療4回目根管充填
4根管ちょっと複雑な根管でした。
治療後1年
腫れや、痛み、膿などは出ていません。
治療後2年
2年予後まで見て、問題無さそうなので終診
先日他の歯を見て欲しいとのことで久しぶりに来院されたのでついでに左上も見せてもらいました。
親知らずがだいぶ伸びてきており、綺麗には生えているのですが、
長年汚れていた左上7遠心面には深い歯周ポケットが存在しています。
ただ、根管治療を行わせてもらった左上7は問題なさそう。
歯の外に出たMTAも12年の期間で吸収されています。
歯に穴が開くパターンは3つあり、
①治療による人為的なミスによるパーフォレーション
②自分の細胞(マクロファージ)による歯根吸収
③親知らず(歯)放出による隣在歯の歯根吸収
この3つがあり、特に③はレアですがたまにあります。
①、②、③、共通して言えることは歯に穴が開いた場合は早目の治療の方が細菌感染が軽度で歯の保存率は高い気がします。(私見)
今回のケース何とか10年以上持ってくれて良かったです!
更にもう10年持ってくれるといいのですが(^。^)
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