歯根破折は分からない
- 2024年8月21日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは60代女性
今年の3月に腫れてきた為かかりつけを受診
そこで根管治療を行ったが、咬んで痛いの収まらず、再び腫れて来た。
現在頬の辺りが腫れているとのこと、
レントゲンを撮ると
右上5に透過像が見られるのですが、根の先から歯根破折を起こしたようにも見えますし、
上顎洞を避けるように病変が下に降りてきているようにも見える。。。
患者さんには折れている可能性があることを説明
自分なりの診断はこちら⇒歯根破折歯のフィステル(サイナストラクト)と診断法 - EE DENTAL_Blog
今回の場合はポケットもなく、フィステルもないので折れてはいないか!?
何にせよ、治療して中を見て確定診断する必要はありそう。
1回目の治療で、仮歯、レジンコア、上部ガッタパーチャーを除去すると・・・
中央部から根の先にかけはっきりとしたクラックが・・・
患者さんには折れていること説明さえてもらい、後学の為に1枚レントゲンを撮らせてもらいました。
ガッタパーチャーを取ると、うっすら破折線が確認できます。
患者さんにレントゲンの見方で説明するのは、
「レントゲンは金属の濃淡を表すものでそこから何を読み取るか。 金属濃度が高ければ白く映り、口の中など金属の無い場所は黒く映る。 歯や骨もカルシュームという金属が入っており虫歯や根尖病変でカルシュームが少なくなると黒くなってくる。 正常所見では灰色の部分が正常所見の所に黒いものが出てくるとそこを怪しいと判断します」
破折線も歯が割れ開いた所なので、レントゲンでは黒い線で見えます。
根尖病変と破折歯は所見が非常に似ており、識別するのが非常に難しいです。
こちらは、折れている可能性が高いと思っていたのですが、
歯が折れていると思ったら。。。(歯根破折) - EE DENTAL_Blog
根尖病変であり治癒したケース
患者さんは術前時に診断が全て付き、治療を始められるようなイメージを持っている方もいますが、実は破折という病名は『術者が破折線を確認して病名が付けられるもの』なんです。
今回の患者さん残せるような雰囲気はあったのですが、歯根破折だったので抜歯してインプラントしてもらうこととなりました。。。
破折の診断というのは難しいし、患者さんに破折と伝えるのも気が引ける(T。T)
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