2025年5月アーカイブ
使えるだけ使う歯の治療
- 2025年5月 2日 09:00
- 歯内療法日記 | EEデンタル こだわり
毎回ブログで書いていますが、条件の悪い歯になってくると歯を残すかどうかの診断は先生毎に異なります。
特に根管治療で問題の出た歯は、根管治療得意・不得意で差は出てしまいます。
理由は根管治療は歯科治療の中でも細かい作業の連続で難しいから。
まぁ、国家試験に受かれば一律で同じ知識と技術みたいなイメージを患者さんは持たれますが、
車の運転免許と同じ、一般人が試験対策の勉強をしてライセンスだけ交付してもらうようなものです。
運転免許と少し違うのは実技は免許を取った後に行うもので、そこから技術を付けて行きます。
私の時代は臨床実習がまだあった時代なので、大学病院で患者さんを診させてもらうことが出来ましたが、それでも1年で5人ぐらいの診察でした。
大学を卒業すると、大学院に行ったり、医局に入ったり進路は色々です。
私なんかは、遊びたかったのですぐに開業医に行きそこで技術の習得をしました。
ただ、この進路は個々に好きに決めていいのですが、先日聞いた話では
アメリカの大学は大学卒業すると優秀な人は専門医の道に進むようで、今一番人気があるのは歯内療法科(エンド)
理由は給料がいいから(笑)
今、歯内療法専門医になると新卒で年収は4500万だそうです。
これだけの給料が確定していればそれは頑張りますわね。
日本なんて歯科医師の平均年収は1000万を切る時代です。
*開業医の労働時間って雑務含めると週50時間は越えると思います、日曜とかの学会や勉強会時間を含めると更に労働時間は長くなります。
患者さんがそんなことは知ったこっちゃないのですが、まぁ現場の人間としては目の前の患者さんの治療をするだけです。
患者さんは50代女性
歯茎を押さえると痛い、普通にしている時は問題無いが食べ物が当たると痛い。
先生には根の方に問題があると言われた。
レントゲン
かなり根管が太く削ってあり、近心根に問題がありそうです。
治療をしてみると
近心根の側面に大きなパフォレーションがありそこをMTAで埋めました。
今の時代こんなに根管太く削らない方がいいと思うんですけどね。。。
仮歯を入れ経過をみて行きます。
半年後のレントゲン検診
普通にしている時に痛みは無いが食べた時は一過性に痛い。
根管治療から1年4ヵ月
近心根にクラックを見つけ、咬んだ時に痛みは破折だと分かる。
*最近見つけた法則として、仮歯が頻繁に外れる歯も折れていることが多い
患者さんと話し合い分割抜歯(ヘミセクション)することに
分割抜歯は裸眼で盲目的に行うより顕微鏡下でカットしてカット面をなるべく滑沢にした方がいいと感じます。
ヘミセクション後仮歯を作り直して経過観察
術後1年抜いた部分はしっかり骨が出来ており、これで治療を終了しました。
先日、久しぶりに電話がかかってきて、痛い感じが最近またし始めたとのことで来院してもらうと、
特に変な所見もなく1年前のレントゲンを同じでしたので、このまま使ってもらうこととなりました。
歯科治療は1本1本問題が異なります、また患者さん毎に痛みの感じ方もことなります。
日本ではまじめにやるとホント儲かりませんが、非常に面白みのある仕事ではあります(笑)
65歳ぐらいまではやろうと思っていますが、年々衰えを感じるので何歳まで情熱が維持できるか!?
患者さんにこんな話したら「ちょっと患者が困るからもっと働いてよ」と言われました。。。
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