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歯内療法日記: 2016年10月アーカイブ

C3(要根管治療)の2時間45分の1回治療

以前、セミナーを受けて頂いたK先生からメールがあり、

右下の歯が虫歯になったので治療をしてほしい。

  

流石に千葉県から豊橋なので、

先にレントゲンを送ってもらい治療計画を立案

2016 EEdental KK 1(2).jpg 

既に虫歯が神経に達していると判断して、2時間半の予約を頂きました。

 

当日、見てみると、

2016 EEdental KK 1(1).jpg

遠心頬側咬頭も無くなり大きく歯が無くなっています。

また虫歯も中でかなり広がっています。

 

先生に抜髄になることを説明して治療スタート

2016 EEdental KK 1(3).jpg

う蝕検知液を駆使しながら顕微鏡下で虫歯を取ること20分

神経が大きく露出してしまいました。

 

そこから樋状根の根管治療をして、

その後、支台築造、レジン充填

2016 EEdental KK 1(4).jpg

治療開始から2時間半の状態

 

最後にレントゲンを撮り確認をしてみました。

2016 EEdental KK 1(5).jpg

「はい、OK」 綺麗に治療出来ています! 

 

1回法による治療

「CR+Endodontst」⇒ クレドドンティスト

 

これは2つの専門をミックスできる強みですね!ヽ(・ε・)

2016 EEdental KK 1(6).jpg

しかし、2時間半顕微鏡とにらめっこは疲れた!(笑)

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折れていた歯とC系のレジンの色合わせ

違和感があるという右下の歯

2016 EEdental SM5 (2).jpg

 

小臼歯は特殊な形態と色をしていました。

2016 EEdental SM5 (1).jpg

2段になっており、そこから色もA系からC系へ色が変化しています。

銀歯もあっておらず、小さな虫歯様の所見がみられます。

  

ただ、違和感の原因になっているだろうと推測したのは1本奥の大きな銀歯でした。

2016 EEdental SM5 (3).jpg

歯の周りに骨が溶けている所見があり・・・

歯ぐきにも6mmの歯周ポケットがあります。

*折れた部分にそって局部的に歯周ポケットが深くなることがあります。

  

実際、銀歯をはずしてみると!

2016 EEdental SM5 (4).jpg

 

やはり、折れている・・・

  

 

この歯の2股のうち前側はまだ使えそうなので

患者さんと話して、

2分割して使える半分だけ根を残し使うことにしました。

*分割抜歯:http://eedental.jp/ee_diary/2015/03/post-1142.html  

 

 

そして小さな銀歯の治療を行いC系のレジン充填

2016 EEdental SM5 (7).jpg 

ブラウンとピンクのミックスで色つけしてみました!ヾ( ̄∇ ̄)

 

レシピ  

マジェスティーLV サービカル

マジェスティーES XW

プレミス クリアー
ティント ブラウン、ピンク

 

このように実際治療をして顕微鏡で初めて

クラックと確定診断が出来ることが殆どです。

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歯が原因の歯性上顎洞炎 治療後2年→ほぼ治癒

以前ブログにさせてもらった患者さん

http://eedental.jp/ee_diary/2015/09/post-1253.html 

の2年検診

2016 EEdental HM.jpg 

大きな病変・症状も消えたそうです。

 

奥歯の根管治療はしっかり行っておかないと、

後で大きなトラブルになることもありますので注意してくださいね!( ・д・)σ

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感染根管治療に付きものの医原性の問題パート2

以前治療させてもらった歯科医師の奥さん

全体的に検査してレントゲンを撮ってみると左下の被せ物の下に大きな問題が!(p・Д・;)

2016 EEdental OY (1).jpg

何かいびつな大きな病変が見られます。

 

とりあえず残す方向で治療を始めてみると、

ガッタパチャー除去中に歯の途中から出血!

 

やっぱりねぇ・・・( ̄ー ̄;)

 

過去の神経の治療で神経管を太く削り過ぎていた為に

歯の側面に穴(ストリップパフォレーション)を開けてしまいそこから細菌感染が外に出ており

このいびつな病変像になったことがうかがえます。

 

この部分黄色の部分に穴があいていました。

2016 EEdental OY (2).jpg

そこから細菌が外に出て骨が溶けたと考えると整合性がとれます。

 

こんな感じ

 

この原因は細い神経管をゴリゴリヤスリで削り過ぎた為に起こることですヾ(・_・;)

動画の方も大学病院で1年間毎月ゴリゴリやっていたそうです。。。

(歯が痛い ⇒ 細菌がいるだろう ⇒ 削る&削る&削る ⇒ 穴が開く)

 

情熱的な先生が長期間ゴリゴリ頑張ると起こる問題かもしれません(゚ ▽ ゚ ;)エッ!!

    

今回のレントゲン図

1本奥の健康な神経が黄色

根管治療をしている神経管が青色

太さが4倍近く違います。。。

2016 EEdental OY (3).jpg

  

穴の前処置を行い、続けて治療を行うと 

遠心根にもう1本神経管が出てきてそこをきちんと処理して

MTA根管充填

2016 EEdental OY (4).jpg

穴の開いた場所もMTAで封鎖できました!

(遠心根少しMTAが外に出てしまいましたが、MTAは外に出ても唯一問題を起こしません^^;)

この後、定期的にレントゲン審査をして経過を見て行きます( ・ω・)ノ

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プロテーパー ゴールドと新たな材料

プロテーパーゴールドをもらったので使いはじめました。

DSC00067.jpg

Mワイヤーより新しいゴールドワイヤーになっています。 

 

アメリカでの販売は2014年なのですが、

2016年現在日本ではまだまだ旧式のプロテーパーが売っております。

 

日本のマーケットは舐められたもので、売れ残りの在庫処理市場なの?

(日本のデンツプライはアメリカデンツプライの子会社なので親会社に逆らえない事情は分かります)

 

アメリカの親会社に子会社の日本のデンツプライが、

「お前の国安い物しか売れないから、古いけど安く売ってやるからこれ売っておけ!」   

という構図をイメージします( -д-)

   

治療費が安い ⇒ 高い材料を使うとますます赤字 ⇒ 高いものが売れない ⇒ 売れ残りでも安ければいいでしょ?

(実際、材料屋さんと話していても良くても高い商品は売れないとのこと) 

  

私が開業した当時よりニッケルチタンファイルはおおおよそ価格が1.5倍ぐらいになっています。

7000円ぐらいだったものが、今は11000円ぐらい。

 

最近使いはじめた「Xペンドファイル」

DSC00062.jpg  

3本で12000円

しかも取説には1回使い捨てとの指示。。。

(普通は滅菌して使い回していますけど・・・)

   

こんな感じで新たなテクノロジーを搭載した良い材料がどんどん出てきていますがお値段据え置きなどありません。

企業ですから利益を出し続けないといけません。(←当たり前のことです) 

  

因みに、保険治療の根管治療はここ10年で100円ぐらいのアップ↑

(焼け石に水とはまさにこのこと!)

   

今やメーカーは世界規模で商品をグローバルに販売しています。 

日本の医療制度は社会主義(しかも市場規模が小さい)、それを取り巻く環境はバリバリの資本主義
 

  

今の日本の置かれた歯科保険治療を例えれば、「ソ連」が良い例でしょう。

物資不足で段ボールにペンキを塗ったボディーの車が走っていましたよね(笑)

  

20年前に声高々に言っていた 

「保険治療で何でも出来ます!」

「最先端なことまで保険治療で!」

確かに20年前は日本の歯科医療もかなり良い状況だったと思います。

 

ただ、今やそんなこと言う先生はいません。。。

 

残念ながら財源が固定化されてしまった為か、世界の医療の進歩に制度が取り残された感を私は感じてしまいます。。。

 

まぁ、ネットの個人輸入で今は良い商品も購入できるので

【世界の水準】に合わせた歯科医療は行いたいと個人的には思っています。
 

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「簡単な根管治療は存在しない」と改めて痛感!医原性の問題パート1

30代女性

「何度治療しても歯ぐきから膿が出る、治療の度に痛い」

とのこと

レントゲンではかなり大きな病変があり

左側1は神経が死んでしまっています。

2016 EEdental OA2 (1).jpg

先に一度根管治療をしてみましょう。  

その後、外科処置が必要になるかもしれないがまずは根管治療をしてみましょう!

http://www.eedental.jp/surgery.html 

  

顕微鏡下での治療1回目が終わると

2016 EEdental OA2 (2).jpg

歯の中に白い部分がまだ残っています。

 

「はぁ!?ガッタパチャー全て取ったと思ったのに?」

 

根の先の方には全く取れていないレントゲン像があります。

  

「まさか・・・」

と思いCTを撮らせてもらうと

2016 EEdental OA2 (3).jpg

やっぱり・・・

 

前回の治療は本来の神経管とは異なる所を削って治療をしたようです。

歯の神経はバナナのような湾曲をしたり蛇のようにクネクネしています。

 

ただし、我々が使用するファイルというヤスリは真っ直ぐなので

を間違えるとこのように神経管とは違う所に穴を開けてしまいます。

 

ですので、図で示すと

2016 EEdental OA2 (4).jpg

こんな感じ 青い部分を人工的に開けてしまった部分 

  

こうなると前の部分の治療をすることの難易度は一気に上がってしまいます。

また根の先がこのように人為的に壊されたものの成功率は40%下がるという文献もあります。

 

「マヂかよ! 何で問題ばかり起こすHファイルなんて未だに売ってんの?」と心の中で愚痴をこぼし・・・ 

 

患者さんに起こっている問題を話し治療2回目

 

先に撮ったCTから予想される湾曲度に

超音波チップの先をベンディングして曲げてしまい、

顕微鏡下でのブラインド操作(見えない部分を感覚で削る)

*歯の中にはGPの溶解剤を入れ超音波で振動させGPを溶かす

2016 EEdental OA2 (5).jpg

「キぃ~~~! 取れていない!!」

 

半分ぐらいは取れましたが・・・

  

まだ半分残っているようです。

予想して曲げた湾曲より歯の湾曲の方が強かったみたいです。

 

治療3回目

前回よりチップの湾曲を大きめにして

2016 EEdental OA2 (6).jpg

だいぶ取れましたが、たぶん歯の先から飛び出たGPが残ってしまいました。

 

CTで確認すると

2016 EEdental OA2 (8).jpg

【Y字】になっているのが確認できます。

 

やり直しの感染根管治療が難しいとされる多くは

医原的な前の先生が起こした問題の処理があるからです。

  

このような問題が起こるとより治療のオプションをたくさんもった

専門医の方が処理がいい訳です。

 

因みにこのやり方すると超音波チップ1本1万3000円が再起不能になります。。。(>。<)

 

  

今回の「CTの画像から予想される部分に超音波チップの先を曲げてアプローチする」

という考えは、

17万4000円」の破折ファイルセミナーで寺内先生が出された症例の応用をしてみました。

http://eedental.jp/ee_diary/2016/07/post-1443.html 

 

さて、この先破壊された根尖をもう一度消毒してMTAで根管充填する予定です。

  

小林先生の名言

「簡単なエンドは存在しない」

という教えを思い出した1ケースでした(・Д・;)

  

意味なくHファイルでゴリゴリは止めましょう!

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