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歯内療法日記: 2017年9月アーカイブ
歯科医院選びと歯の寿命
- 2017年9月29日 09:07
- 歯内療法日記
三流歯科医師の私がいうのもなんですが・・・
歯科治療は同じ処置を行っても、腕の差というものは如実に出てしまうものです。
当然上手な先生に治療してもらった方が術後のトラブルは少ないですが、
上手な先生でも成功率が100%にならないのが歯科治療
今回の患者さんは近医からの紹介
15年前に根管治療をしたが疲れると腫れて膿が出るとのこと
レントゲンを撮ってみると・・・
何これ!?
カス程度のガッタパチャー、近心根分岐部にパフォ、近心に根尖病変
15年前って私も歯科医師をやっていましたが、
そんなに機材がない時代ではないと思うのですが。。。(・Д・;)
患者さんはまだ30代の女性でしたので、何とか抜かずに残す方向で治療スタート
まずは、パーフォレーションリペア
その後、根管充填
*遠心根は病変もなく石灰化していた為、開けれる所までをワーキングレングスに
(病変も無いところをHファイルでゴリゴリやっても意味ありませんからね!)
根充後6カ月
おぉ~、骨が出来てきてくれていますヾ(・ω・)ノ
患者さんに聞いても腫れや痛みは無いそう。
治癒傾向が出てきたので、
かかりつけの先生の所に戻って頂きクラウンを入れてもらうことになりました。
初めての神経の治療と違い、再根管治療は細菌感染しているだけ治療は難しくなります。
また、前回の治療で医原性の問題を起こしていると更に難易度が高くなります。
つまり1回目の根管治療が歯を長く残す為の1つのポイントになります(・∀・)ノ
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3mmの穴からの抜髄根管治療+レジン充填 即日1回法
- 2017年9月 7日 09:01
- 歯内療法日記
歯の治療は術者がどれだけ
「よし!完璧!」と
自分で納得できる仕事をしても結果に結び付かないことがあります( ̄ロ ̄lll)
今回の患者さんは1本の根管治療で来院され、
その後、これを機会にしっかり治したいとのことで全て治療をさせてもらっています。
そのウチの1本の歯
術前時
詰め物の下に大きな虫歯があります。
*黒い部分
神経を保存する方向でレジン充填で行うことに
術後
かなり大きな虫歯でしたが、神経の保存を行いました。
(露髄なし MTAなし)
かなりの手ごたえのある治療でこれで大丈夫だろうと思っていると・・・
術後から咬むと痛い、冷たい物・温かいものが沁みるとのこと。。。
Hys処など沁み止めで2カ月様子をみてみましたが、
症状は一向に収まらないので患者さんと話し合って抜髄を行いました。
今回のように
神経が出ていなくても神経付近まで削ると15~20本に1本は痛みが出てしまいます。
ここからが私の特に専門のエンドの仕事
健康な歯が多く残っていたので
3mm程度の穴を開けさせてもらい
↑この穴からアプローチを行いました。
治療が終わればこの穴だけレジンで埋めておしまい!
根充+レジン充填後
MB2も治療可能です。
*因みにこれシングルポイント根充です。
患者さんからすると、
「根管治療を1回で行って大丈夫!?」
ブログ見ている先生からすると
「こんな穴から治療して髄角などの処理は!?」
大丈夫です!
きちんと取れている自信があります(笑)
穿通:#08、#10
作業長:P根23mm MB/MB2 DB根22mm
Ni-Ti ボルテックス、プロテーパーゴールド
個人的には抜髄は1回法が感染のリスクの軽減、貼薬・仮封剤の問題などからメリットが大きいと感じています。
今回のケース 治療時間1時間45分
治療費:抜髄13万+コア2万+レジン充填7万
今回フル動画で撮影をしましたので、
またそのうち依頼されている講演で道具と私の術式の説明したいと思います。
動画編集していると
3根(MB,DB,P)の穿通・拡大時間は15分30秒
MB2 の穿通・拡大時間は17分30秒 でした。
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歯を残す為に根管治療は期間・回数をかけるべきか?
- 2017年9月 6日 09:20
- 歯内療法日記
患者さんの中には根管治療(神経の治療)は何度でもできると思われている患者さんがおられますが、
実際根管治療は多くて3回で治療の打ち止めとなり次は抜歯となります。
なぜか?と言われれば「治療の度に歯を削り歯が無くなる」からです(・д・)
先日、根管治療中に転院してこられた患者さんの歯
歯ぐきの上にはほぼ歯がありません。
患者さんに聞くと3回目の根管治療中とのこと。
このように治療の度に歯が無くなり大体3回目だとこの状況が多いですねヽ( ̄△ ̄;)
また、治療の成功率をみても
1回目より2回目、2回目より3回目とどんどん成功率は低くなります。
この原因は色々ありますが、個人的には治療による人為的なことが大きな要素だと感じます。
先日来院された患者さんのレントゲン
歯ぐきの上のはほぼ歯がなく、壁も作らず細菌がどんどん歯に中に入ってくる状況で歯の中をゴリゴリ削り(黄色)、歯の外にはノンエビデンス治療の水酸化Caの押し出し。。。(赤色)
http://eedental.jp/ee_diary/2015/02/post-823.html
どちらかというと日本では「貼薬」といって
薬で菌を排除しようとする治療に重きがおかれますが・・・
他の国の根管治療は貼薬には重きが置かれていません。
アメリカの歯内療法専門医では3割は何も貼薬しないとのアンケート結果もあります。
*私も無貼薬派でここ10年以上殆ど無貼薬ですが問題なく治療しています。
この貼薬で治す方法
最大のデメリットは期間がかかり過ぎる。。。
(その他にも害を言えば、ホルマリン系☠の薬は体にも害がある、薬を入れると歯が弱体化する、一度入れた薬は除去が難しいなどキリがありません)
時間がかかるとどうなるのか?
治療中の歯のスペースを埋めようと周りの歯が動いてきます。
咬み合う上の歯は下に降りる、隣の歯は傾いてきます( ̄Д ̄;)
これは生体の反応であり、どの人でも起こってしまいます。
「歯が動く」半年以上根管治療を行っている歯にはよく見られます。
上記のレントゲンの患者さんも長い間痛みに悩まされ続けましたが・・・
EEデンタルで治療後2回の治療で落ち着き根管充填となりました┐( ̄_ ̄)┌
*やったのは菌が入らないように治療し直しただけです。
ただし歯が動いてセラミッククラウンを入れても・・・
歯の高さが凸凹になってしまいます。
(多くの場合でこれでも問題は殆ど起こりません)
この動いた歯を元に戻すには矯正治療(80~100万)しかありません。。。
*矯正治療は矯正治療でデメリット(歯根吸収、歯肉退縮など)も存在します。
**因みに今回治療させてもらった患者さんも矯正した方がいいと言われ、着手した根管治療でトラぶってEEデンタルに来院されました。(全く症状が無かった歯を触ったが故に・・・)
私見ではありますが、医療特に歯科治療は
が自分の歯で長く咬めるポイントになるかと思います。
転院してくる人でたまに前の先生に矯正した方がいいと言われたという患者さんがいます が、「これですんの!?」という人もいます・・・( ̄ー ̄;)
(個性正常咬合じゃ駄目な訳!? 自分の奥さんも子供も模型バリの咬み合わせ!?)
あまり言うと怒られてしまうので、結論です。
特にトラブルになりやすい根管治療は注意してください。
http://eedental.jp/ee_diary/2013/09/post-843.html
個人的に同じ歯を4~6カ月触って改善が無ければ転院された方が無難だと思います。
歯科医師自ら白旗振るような先生いませんからね(・Д・;)
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