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水酸化カルシューム 貼薬剤 まとめ (根管治療・歯内療法)押し出し禁止派
- 2015年2月19日 18:04
- 歯内療法日記
先日、鳥取から根管治療していても治らないと患者さんが来院されました。
レントゲンを診てみるとまた、
水酸化カルシュームが上顎洞付近に押し出されています・・・ヽ(´Д`ヽ)
水酸化カルシュームについて:http://eedental.jp/ee_diary/2013/09/post-832.html
世界的な根管治療の貼薬剤のトレンドとしては『水酸化カルシューム』になっており
一時代に全盛を極めたホルマリン系の薬は過去のものへとなっています。
ただ、日本では一部の先生が、水酸化Caでも特殊な使い方をしており、
歯の外にまで「これでもか!」と押し出す(p・Д・;)
歯の外に薬を押し出せば、当然その歯は痛みますし、
薬剤の害により治癒も遅れる可能性もあります。
この薬の【過剰な押し出し】リスクが結構大きい!
・上顎洞炎
・歯肉の壊死
・神経のマヒ(特に下顎)
・フレアーアップ(治療したことによる大きな痛み・腫れ)
体を治しているのだか、壊しているのだか・・・^^;
去年の年末も、根管治療をして前歯の痛みが取れないと来院がありましたが、
こちらも、水酸化カルシュームがわんさか・・・
(おまけにガッタパチャー付き)(・Д・;))
普通の抜髄(初めて神経を取る)で行うべき、貼薬方法なのでしょうか?
(おかさなくていい領域では!?)
細菌は歯の外にいないのに「薬」!?
基本的に私は無貼薬派と言って歯の中には積極的に薬を使いません。
水酸化Caなどの薬剤もあまり入れません( ̄ω ̄)
なぜか!?
入れなくても治る可能性があることを知って、経験しているからです( ̄∇ ̄ )
わざわざ愛媛県から1本の根管治療に http://eedental.jp/ee_diary/2012/12/post-663.html
貼薬剤に頼り過ぎない根管治療 http://eedental.jp/ee_diary/2013/07/post-806.html
無理に水酸化押し出さなくても、感染根管(ネクローシスパルプ)も治ります。
根管充填後1年
論文でも
『貼薬した場合と無貼薬の予後に差がない』との報告も多数あります。
Sathorn C ら 2007(システマチックレビュー)など
一方、歯の中に薬を用いた方がいいという考え方の学派は
歯の中の細菌の数を効果的に減らす為には貼薬が必要といいます。
貼薬は菌の減少には有効ですが、
結果の予後に差が無ければ【貼薬なし】というのも1つの治療選択肢だとは思えませんでしょうか? w(゜o゜*)wマジ!?
ただ、1つ条件が
前提は正しい作法で行うことが前提です。
(ラバーダムをして、唾液が入らないような隔壁(壁)、仮蓋)
治療中や治療後に唾液・細菌が入る環境であればこの話は聞かなかったことにしてくださいm(_ _;)m
*根の治療の原則から外れてしまいますので、専門医の論文・データーはあてはめることができません。。。(>。<)
確かに歯の外にも細菌が住みつくことがあります。
歯の外にまで感染が及んでいている歯難治性のものからは検出はされていますが、
そんなに頻度は多くはないそうです。
残念ながら、水酸化Ca程度の薬ではバイオフィルム内の細菌は殺せませんΣ(゚ Д゚; )
そういった歯は外科をするしかありません。
私の今の考えは
【なるべくリスクの低い方法で結果が得られる方法】
が良い治療法だと思っています。( ・3・ )~♪
というようなことをふまえた、
「感染根管治療」講演スライド製作中
全然終わりが見えない。。。ヾ( ̄o ̄;)
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