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歯内療法日記: 2019年10月アーカイブ
治療痕が分かりにくい3mmの穴からの根管治療
- 2019年10月22日 09:04
- 歯内療法日記
他の歯の虫歯治療で久しぶりに来院された患者さん
治療後ふと、レントゲンで根管治療後の経過観察の歯があったと歯を見ると
仮歯の歯ともう1本治療したような。。。
カルテを見て、あっ、そうそう6番の歯の根管治療をしたんだった(汗)
患者さんは30代女性
去年の11月に歯ぐきが腫れたと来院
レントゲンを撮ると
やっぱり。。。
実は歯の色
黄色の矢印:1本だけ歯の色が違います。
*神経が死んでしまうと歯の中の血液のタンパク質変性により、歯の色が茶褐色に変色することがあります。
2本の神経が死んでしまっているよう。。。
腫れてるのは6番の歯で、根分岐部まで骨が無くなっている感じ。。。
6番は過去に一度も削った形跡はなく、かみ合わせが強くて神経が死んでしまったのか!?
方針は
5番:根管治療+土台+仮歯
6番:根管治療+土台+レジン充填
いつもの3mm程度の穴から
MB、MB2、DB、Pの4根管の根管治療を行いました。
で最初の写真が、術後5カ月
詰めた自分もよく分からない。。。
で、肝心なレントゲン
5カ月でだいぶ骨の改善がみられます。
この後、4番の虫歯をレジンで治して、仮歯の5番をセラミッククラウンにする予定です!
全く一般的な治療法ではありませんが、
歯内療法とレジンの2つを得意とするので、EEデンタルではたまにこんな治療しております( ・∀・)ノ゙
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EEデンタル2018年 歯内療法専門医 根管治療傾向
- 2019年10月 9日 09:17
- 歯内療法日記
EEデンタル2016年 歯内療法専門医 根管治療傾向
http://eedental.jp/ee_diary/2017/01/ee2016.html
2017年
http://eedental.jp/ee_diary/2018/05/ee2017.html
と同じ内容で、
1月にスタッフに集計してもらったのですが、
今年も放置してしまい、忘れていました(笑)
2018年 根管治療総本数:144本
抜髄:19本(前歯2本 小臼歯5本 大臼歯 12本)
感染根管:125本(前歯40本 小臼歯22本 大臼歯63本)
*治療本数は去年が186本⇒144本と2割程度減っています。
ここ数年で歯内療法歯科医院が増えてきているので相対的に減っているのかと思います。
去年の講演でも話させてもらいましたが、
保険医療機関での自費根管治療が禁止されない限り、歯内療法専門医だけで歯科医院経営するには厳しい環境かと思います。
私が開業した2007年前は「自費で歯内療法!?何考えてんだお前!!」みたいな風潮だったのですが。。。
http://eedental.jp/ee_diary/2011/02/post-243.html
数年前に厚生局に電話で「保険医療機関での自費根管治療ってありですか!?」
と尋ねたら「保険と自費の線引は時代時代で変わるので何とも言えない」
と超曖昧な回答を頂きました。
さて、話を戻して
【外科】
外科的歯内療法:12本
ヘミセクション・トライセクション:0本
【レスキュー】
パーフォレーションリペア:10本
ファイル除去:9本
MTA根管充填:81本
感染根管で根尖径が#50以上のものに行っています、抜髄でのMTAの使用はまずしません。
【自分のエラー】
フレアーアップ:0本
極端に少ない年となりました。
*フレアーアップは間違った根管治療をしていると発現頻度が多くなるので、今の術式は大きく間違えたことをしているようではなさそうです。
私が起こした「ファイル破折」:2本(←ゼロにしようとは思っているのですが・・・)
私が起こした「パーフォレーション」:0本(←顕微鏡を使用すればそんなに起こるものではありませんね)
治療回数:平均約2回
前歯 1回37本 2回4本 3回4本 4回1本 5回3本
小臼歯 1回15本 2回7本 3回0本 4回1本
大臼歯 1回17本 2回40本 3回7本 4回3本 5回1本 6回1本 7回1本
約9割の歯は3回以内での通院、約1割の歯が4回以上の通院回数となっています。
例年とおおよそ同じ傾向だったかと思います!(・ω・)
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セラミックの下の根尖病変
患者さんは50代女性
全顎検査を行うと・・・
症状はないものの、大きな黒い影が見られます。
(皮質骨を溶かすほど病変が広がっています)
ある意味厄介である、症状のない根尖病変。。。
患者さんに状況を説明し、隣の歯もなんとなく怪しいのとクラウンに大きな段差があることを説明し
2本根管治療させてもらいました。
仮歯で1年経過をみて、今月ようやくセラミッククラウンSet
完全に骨は出来あがってはいませんが、1年経過し骨も出来てきてくれている所見が見られます。
また痛み・違和感などの症状もありません。
この場合私はすぐに外科的歯内療法には踏み切らず、
http://www.eedental.jp/surgery.html
経過観察を行います。
レントゲン上の骨の回復に時間のかかる人もいます。
(たぶん長い間の病変で皮質骨がやられてしまっていたケースかと思います)
もし悪くなってしまえば、また腫れてきたり、歯ぐきから膿がでたりします、
この場合問題となる細菌感染が取れていないので、外科処置に踏み切ります。
違和感に関していえば、根管治療した歯は多少なりの違和感が残る歯もありますから
ケースbyケースでの判断となります。
過去にセラミックなどで歯並びを治された患者さんの根管治療は急いで治療したような感じで
このような根尖病変が見られることがありますので、多数歯の前歯をセラミックで治したような患者さんは
5年ぐらい経過したらレントゲンで診査した方がいいと思いますよ。
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虫歯が大きくても神経を保存する方向で治療する
虫歯にはC1、C2、C3、C4というカテゴリーがあり
虫歯が大きくなるにつれ数字が大きくなります。
C1:エナメル質に限局する虫歯(経過観察でいい場合が多い)
C2:象牙質に達した虫歯(削って詰める、削って被せる)
C3:歯髄に達した虫歯(神経を取る治療)
C4:歯冠部が崩壊した大きな虫歯(抜歯)
これは視診とレントゲンで決めるのですが、かなりざっくりとした仕分であり、
特に厄介なのが、C2からC3に移行している途中のケース
これは白、黒線引ができる訳ではなく言わば、C2を白、C3を黒とすると間のグレーの範囲が大きく、
特に治療方針が分かれるのが知らない間に進行している虫歯が大きくなったC3よりのC2
ここではこの虫歯を「C2.8」とさせてもらいます。
私が保険治療をやっていた時にはこのC2.8
レントゲンで虫歯が大きいなぁと判断すると治療方針は神経を取るという方針をとっていました。
これは1日20~30人(1時間に3人)近くを診察しないといけないのでと言うのが理由です。
(虫歯を丁寧に削るのは非常に手間と時間がかかります)
ただ、1人の患者さんに時間をかけれるようになった今の「C2.8」の方針は
「レントゲン上で虫歯がかなり進行しており神経付近まできています」
「とりあえず今回は神経を残す方針で、慎重に削って行きます」
「神経が多少露出しても神経が残せそうなら覆髄法で神経を残します」
「治療後、ズキズキ痛みが出るようだったらその時には神経の処置を行います」
と説明しています。
前日のこの患者さんも
http://eedental.jp/ee_diary/2019/09/post-1957.html
最初の治療計画では4本神経を取る必要があると治療計画を立てましたが、
時間をかけて治療を行うと神経の治療は1本で済みました。
神経が残せたと思っても、
イメージ的には「C2.8」20本治療すると1~2本ぐらい痛み(症状)が出てしまい後で神経の治療が必要となることもあります。
ただ、手間さえかければ虫歯が大きくても半数以上の歯の神経は残すことができます。
*レントゲン上で明らかなC3や根尖に透過像のあるケースは神経の治療を行います。
今回のケースも術前時に神経の治療になる可能性:大
とりあえず、ゴールドアンレーの下の虫歯を丁寧に削っていくと説明
ゴールドの下、また歯ぐきの中に大きな虫歯が。。。
対合歯がクラウン予定で金属アレルギーの疑いがあったのでレジンアンレーで修復を行いました。
神経保存を行いレジン充填
7か月が経過しましたが、今の所問題はでていません。
術前⇒7カ月後
*先日ネット相談にもありましたが、ゴールド修復が優れているというのは全く言えないと個人的には思います。
術後に関して、
歯科治療は全て小外科手術です、虫歯の大きかった歯の治療を行うと
・しみる症状や多少の一過性の痛みが出る場合があります。
我慢できる一過性の多少の痛みなどはまずは1カ月程度様子をみてください。
しみるに関しては、歯磨き粉を「シミテクト」に代えてもらい1カ月磨いてください。
様子をみてはいけない痛み
・ズキズキ脈を打つような痛みが続く場合
・温かいものでしみて、そこからズキズキする
この症状は処置が違うという体のサインなので私は神経の治療が必要と判断しています。
術後すぐは症状があった歯でも1カ月後に症状が弱くなり、3カ月程度で症状が消える場合もあります。
逆に術後痛みが出なくても数年後に痛みが出てしまうケースも極々稀にあります。
患者さんによって痛みの感受性は異なりますので、個々での判断になります。
術後1カ月経っても痛みがある場合はご相談ください。
また神経の治療が必要になった場合は、神経の治療費と土台の治療費が別途必要になります。
以上、C3よりのC2の治療のお話でした。
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