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虫歯が大きくても神経を保存する方向で治療する
虫歯にはC1、C2、C3、C4というカテゴリーがあり
虫歯が大きくなるにつれ数字が大きくなります。
C1:エナメル質に限局する虫歯(経過観察でいい場合が多い)
C2:象牙質に達した虫歯(削って詰める、削って被せる)
C3:歯髄に達した虫歯(神経を取る治療)
C4:歯冠部が崩壊した大きな虫歯(抜歯)
これは視診とレントゲンで決めるのですが、かなりざっくりとした仕分であり、
特に厄介なのが、C2からC3に移行している途中のケース
これは白、黒線引ができる訳ではなく言わば、C2を白、C3を黒とすると間のグレーの範囲が大きく、
特に治療方針が分かれるのが知らない間に進行している虫歯が大きくなったC3よりのC2
ここではこの虫歯を「C2.8」とさせてもらいます。
私が保険治療をやっていた時にはこのC2.8
レントゲンで虫歯が大きいなぁと判断すると治療方針は神経を取るという方針をとっていました。
これは1日20~30人(1時間に3人)近くを診察しないといけないのでと言うのが理由です。
(虫歯を丁寧に削るのは非常に手間と時間がかかります)
ただ、1人の患者さんに時間をかけれるようになった今の「C2.8」の方針は
「レントゲン上で虫歯がかなり進行しており神経付近まできています」
「とりあえず今回は神経を残す方針で、慎重に削って行きます」
「神経が多少露出しても神経が残せそうなら覆髄法で神経を残します」
「治療後、ズキズキ痛みが出るようだったらその時には神経の処置を行います」
と説明しています。
前日のこの患者さんも
http://eedental.jp/ee_diary/2019/09/post-1957.html
最初の治療計画では4本神経を取る必要があると治療計画を立てましたが、
時間をかけて治療を行うと神経の治療は1本で済みました。
神経が残せたと思っても、
イメージ的には「C2.8」20本治療すると1~2本ぐらい痛み(症状)が出てしまい後で神経の治療が必要となることもあります。
ただ、手間さえかければ虫歯が大きくても半数以上の歯の神経は残すことができます。
*レントゲン上で明らかなC3や根尖に透過像のあるケースは神経の治療を行います。
今回のケースも術前時に神経の治療になる可能性:大
とりあえず、ゴールドアンレーの下の虫歯を丁寧に削っていくと説明
ゴールドの下、また歯ぐきの中に大きな虫歯が。。。
対合歯がクラウン予定で金属アレルギーの疑いがあったのでレジンアンレーで修復を行いました。
神経保存を行いレジン充填
7か月が経過しましたが、今の所問題はでていません。
術前⇒7カ月後
*先日ネット相談にもありましたが、ゴールド修復が優れているというのは全く言えないと個人的には思います。
術後に関して、
歯科治療は全て小外科手術です、虫歯の大きかった歯の治療を行うと
・しみる症状や多少の一過性の痛みが出る場合があります。
我慢できる一過性の多少の痛みなどはまずは1カ月程度様子をみてください。
しみるに関しては、歯磨き粉を「シミテクト」に代えてもらい1カ月磨いてください。
様子をみてはいけない痛み
・ズキズキ脈を打つような痛みが続く場合
・温かいものでしみて、そこからズキズキする
この症状は処置が違うという体のサインなので私は神経の治療が必要と判断しています。
術後すぐは症状があった歯でも1カ月後に症状が弱くなり、3カ月程度で症状が消える場合もあります。
逆に術後痛みが出なくても数年後に痛みが出てしまうケースも極々稀にあります。
患者さんによって痛みの感受性は異なりますので、個々での判断になります。
術後1カ月経っても痛みがある場合はご相談ください。
また神経の治療が必要になった場合は、神経の治療費と土台の治療費が別途必要になります。
以上、C3よりのC2の治療のお話でした。
si
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