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歯内療法日記: 2023年9月アーカイブ
非歯原性歯痛の歯科治療
- 2023年9月23日 09:04
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性 小学校の頃に前歯の神経を取った歯
何の症状も無かったが、先生に指摘を受け昨年再根管治療してから咬めないとのこと
話を聞くと痛みが取れない為短期間で何度か根管治療を行っているとのこと
レントゲンを撮っても、
特別悪い所見はなく
また話を聞くと近医の口腔外科でも痛みの原因は分からず根管治療する必要あったのか!?と言われた。
根尖病変もなく私も何のために根管治療をやり治したのかよく分からない。
しいて言えば過去の根管充填材の入りが悪かったりすると、「感染するからやり替えましょう!」という先生はいますが、根管充填剤の入りでやり替えちゃダメ!
また根の先まで根管充填材を入れる為にゴリゴリ健康な歯を削るものやっちゃダメ!
患者さんが当たると痛いと言った為か、下の歯と当たらないように前歯をペラペラになるまで削ってありました。
患者さんには過去の経過や痛みから、「たぶん私が根管治療しても治らないと思います」
と言うか、歯科で今出来ることは触らないこと、ペインクリニックに行った方がいいと説明
既にかかりつけも無い状態でしたので、私が紹介状を書き井川先生の所へ行ってもらいました。
(その間、浅野先生の歯科医院へ歯ブラシ指導と掃除だけ行ってもらいました)
1年後、ペラペラの前歯がかけたとのことで来院
話を聞くと、現在井川先生の所で薬を処方されておりだいぶ痛みは引いて来ているよう
もう少し薬物療法がつづくとのことで、とりあえず応急的にレジン充填
定期的に同じ場所がかけるので、その都度小さくレジン充填
薬物療法で治療中はあまり積極的な治療はしない方がいいので、その間は患者さんにまた取れたら来てね!と説明し積極的な治療はしません。
*合計3回かけました。
そんなこんなで1年半近く経過し、症状も殆ど消えてきていたので薬を飲んでいる最中に治療を終わらせて!と井川先生から連絡があり、
前歯はセラミックにしようか!?と話し合い
術前 ⇒ 仮歯② ⇒セラミッククラウン(Set直後)
とまぁ、こんな感じでクラウンを入れさせてもらいました。
患者さんも仮歯を入れた時に綺麗になって喜んでくれました!
この後薬を減らして行き、ゼロにしていくようです。
歯科医師が『治療しましょう!』というと患者さんは「そうか治療が必要なんだ!」という構図がありますが、気軽な治療から痛みが引かなくなったなどのケースはちょくちょくあります。
イメージ的に歯科医師が、やらなくていい治療も拾っているような気はします。
1つ言わせてもらうと、私そんなに非歯原性歯痛は強くないですからね。。。
(ブログで非歯原性歯痛のこと書くのでこうなるとは思いますが・・・)
たぶん一般開業医の先生よりは強いとは思いますが、私の出来ることって、診断を行いきちんと根管治療を行い、症状の変化を見て痛みが変わらなければペインの先生へ丸投げ!
痛みが取れたら「良かったね!」だけです(笑)
歯科絡みで痛みが長期化する代表が根管治療です、まずはきちんと治療を行い痛みが引いてくるか!?
ここが治療のターニングポイントになります。
今回のケースは、痛みも取れ綺麗に治せてよかったです!(^。^)
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治療後10年以上して出来る根尖病変
- 2023年9月22日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは昔から来院して頂いている40代の女性
綺麗な治療がしてあり問題無いと思っていた右下6
2020年に一番奥の銀歯がおかしいとのことでたまたまレントゲンを撮ると
2014年のレントゲンには見られなかった根尖病変が第一大臼歯に・・・
患者さんには一応説明を行い、病変も小さいし現在症状の無い為、違和感や痛みが出るようなら治療をした方がいいと説明だけしました。
2022年になり、痛みが出てきた為近医で抗生剤をもらい飲み始め、今はたまに鈍痛がでるとのこと
レントゲンを撮ると
病変が明らかに大きくなっている。。。
患者さんに説明を行い根管治療することに
2回法で根管充填まで、根管充填材はガッタパーチャー使用
病変のあった近心根にイスムスがあり、そこからMM根が出てきました。
6か月後のレントゲン検診
根尖病変は殆ど消えて綺麗に治って来てくれています。
その後セラミッククラウンまで作成させて頂きました。
Set後の咬合チェック
いい感じの咬合接触も作れました!
技工士に感謝!
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口腔外科で行う歯根端切除
- 2023年9月19日 09:00
- 歯内療法日記
患者さんは40代女性
大学病院で歯根端切除を行った歯で、患者さんが顕微鏡治療でのクラウンを希望された為
紹介状を持ってEEデンタルへ、
ん~、基本的に私は補綴はメインではないのですが・・・
お世話になっている大学病院からの紹介なので、セラミッククラウンを入れることにしました。
口腔外科で行う、根の先を切るだけの歯根端切除
私なら外科的歯内療法で逆根管充填までしますが、それは顕微鏡ないと無理なので仕方がありません。
痛みが出やすい患者さんの為、わざわざ寝た子を起こすような外科はしたくないのでこのまま補綴
が、
2022年になり、 2カ月に1かいぐらいの頻度で腫れるようになったとのこと・・・
根の先には明らかに影が見えます。
患者さんに基本的には抜歯だが最後に「外科的歯内療法」をトライしてみるか!?と提案
患者さんもなるべく抜きたくないとのことで、
外科的歯内療法(逆根管充填含む)をさせてもらいました。
病変内には剥離したセメント質も見られ、たぶん感染源はそれではないか!?と推測
1年後のレントゲン検診
病変も綺麗に消えてくれているので、このまま使ってもらうこととなりました。
大き目の根尖病変があると一般的には口腔外科で「歯根端切除」という外科処置を行いますが、
根尖病変であれば「歯内療法科」に紹介してもらった方が歯を残せる確率は上がると思います。
因みに歯根端切除 成功率50%
外科的歯内療法 成功率80%以上(上手な先生だと90%)
開業医の先生も根尖病変であれば、歯内療法の得意な先生を紹介してあげてください。
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咬み合わせから歯冠破折 から神経死(ネクローシスパルプ)
- 2023年9月16日 09:02
- 歯内療法日記
患者さんは70代女性 東京の歯科医師の先生のお母さん
左上の奥歯が今年初めから凍み始めかなり凍みていたそう、4月になり激痛が出た後凍みは治まった。
今は左上7は叩くと響く感じがあるが、気になるのは奥から2本目の左上6
レントゲンを撮ると
顕微鏡診察
患者さんにはもともと症状があり痛かったのは左上7
ただし現在痛みが引いているのは神経が死んでしまい、痛みを出す力も無くなった為一時的に症状が落ち着いている。この後、しばらく後に疲れたり、ストレスが溜った頃に腫れてくる可能性あり
今の凍みる症状は左上6(奥から2本目)この歯も左上7と同じ運命をたどると思うが、今介入すれば神経は残せる可能性はあるが、大きく削ってクラウンにする必要はある
と説明
歯科医師の息子さんと来院されていた為、話が早く
先生の方針でOKとのことで、1回目に根管治療+レジンコア、仮歯の型取りまで行いました。
1回法にて根管治療
やはり神経は死んでおり、出血は見られませんでした。
*クラウン前提での治療でも基本的に私は3mmの穴から根管治療します。その方が歯質が保存でき歯質の弱体化を出来るだけ減らせます。
2回目の治療で左上6・7に仮歯を入れ経過観察
その間に他の歯の治療を行い、3か月後
左上の症状は無くなり、根尖病変も殆ど治まってくれているように見えるので
左上7ゴールドクラウン 左上6セラミッククラウンSet
良い感じで治療出来たと思います。
年配の患者さんは、若い患者さんに比べ優位に破折が起こります。
神経がある歯でも折れる時は折れてしまいます。
その際早い段階で適切な治療を受けることで今回のように歯が保存できる場合もあります。
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セラミックアンレーに3mmの穴を開けての根管治療
- 2023年9月 9日 09:00
- 歯内療法日記
昨日のブログ内容と似た内容なのですが、
修復物の適合が良い場合には修復物に穴を開けて根管治療することもあります。
患者さんは40代女性
以前、右上の直接覆髄を行いセラミックを入れたが最近になり違和感が強くなってきている。
とのこと
レントゲン
確かに神経付近まで人工物が見られますが特に悪い感じもないので様子見としました。
1年後
温かい物が気になるようになり、ずっとモアモアした感じが続いているとのことで
電気歯髄診断を行うと数値『8』 ほぼほぼ神経死んでいる数値でした。
EEデンタルの歯髄診断機は「0」~「10(Max)」で10であれば生活反応なし
私が正常と判断するのは1~2
開業前に必要と思いヤフーオークションで購入したものですが、20年近く経過しても未だに現役で使えています(笑)
患者さんにはレントゲンに根尖病変が出る前に神経を取った方がいいと説明
当時は2回法で治療をしていました。
セラミックアンレーに3mmの穴を開け根管治療
開口量が非常に小さな患者さんでNi-Tiが入らない為、ハンドファイルで根管形成
手で根管形成するのはかなりレアですが、一応基本は抑えているのでNi-Tiと同じような形成は行います。
ロータリーファイルのありがたみが分かります。
まだロータリーファイルを使っていない先生は使った方がいいですよ、
ただし使うNi-Tiファイルのセミナーに参加してやり方を教えてもらってください。我流だとすぐにファイルを折ってしまいます。。。
術後1年
レントゲンでは問題ないように見えますが、
患者さんは「たまにもあっとする感じがあるが、生活に支障はない」
ということで様子をみてもらうことにしました。
で、最近来院されたので見せてもらうと
症状もなく、問題無く経過しております!
セラミックアンレーをくり抜いたり
銀歯をくり抜いたり:歯の長持ちさを考える歯内療法(根管治療:抜髄) - EE DENTAL_Blog
セラミックブリッジくり抜いたり:2.5mmの穴からアクセスする根管治療 - EE DENTAL_Blog
色々くり抜いて治療をしていますね(笑)
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