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根管内洗浄 (2011年版)

 根管内洗浄(2011年版)

 

去年書いたものと殆ど変っていないんですけど、今回も無駄に長いです(≧皿≦)

http://eedental.jp/eeblog/2010/07/post-125.html

洗浄液は,

『高濃度の5〜7%次亜塩素酸ナトリウム(NC)+17%EDTA』

これがやはり今の所最も良い組み合わせみたいですね。

*17%のEDTAは日本では購入しにくいですけど、海外では凄く安く買えます。

 

日本のどこかのメーカー作ってくれないかな、しかも安く(笑)

スメアクリーンもEDTAですが、確か3%。。。

(メーカーは高濃度EDTAと同じ作用と言っていましたが。。。そんな訳ないでしょ(;- -)σ)
 

 

感染根管治療で問題視されるE.faecalis(細菌)には高濃度のNCが一番効くみたいです。

濃度の違うNCを同じ時間で比べてみると1%NCは少し効率が悪いです。。。

 

MTADはE.faecalisあまり効いていない的なデーターも。。。(; ̄д ̄)


 

また、EDTAを単体で使用してもある程度細菌を殺す効果があるとか

(不勉強でこれはあまり知らなかった・・・)


去年と今年、1年ではあまり大きな変化はなかったですが、

でも、2006年のハワイのでのAAEに比べると

当時は、

『機械的洗浄(削る)と科学的洗浄(洗う)どちらが大切か!?』

みたいなこと言っていましたが、今は科学的洗浄をどうすると効率化出来るかが論点になってきていますね。


「Hannd-Rotary VS Ultrasonics 」と言う論文もあるようですが、時代は洗浄重視の方向に!!

 

(ただし、Ni-Tiで形成してからの洗浄話ですからねヾ(・_・;))

 

結局、Ni-Tiファイルはある条件がクリアー出来ればどこのファイルでもいいのか・・・

で、このニッケルチタンファイル思ったより根管綺麗に出来ていないみたいです。

マイクロCTの登場でこんなことが分ってきています。

 

maicroCT.jpg

 

 

 

赤い部分が:削った所

緑の部分が:削れていない所

 

結局ファイルで削るだけでは限界があります。

ですから、

削ると同時に『洗浄する』 と言うことが大切になってきます!!(・∀・)

 

 

去年とは違い、今年感じた変化を少し、

MTAD(バイオピュア)3年前のAAEより触れられなくなってきました。

⇒つまりは、あまり効果がなく研究対象から外れてきている!?


『MTAD+NC』の組み合わせもありましたが、

『EDTA+NC』の組み合わせより細菌を減らす効果は少なかったそうです。

(in vitro)

 

 

薬液で言うと、まだ2%クロールヘキシジンは言われていました。

が、NCとの組み合わせで泥状の沈殿物が出来ることが欠点なのが痛い!!


 

また、根管内の消毒で今回結構取り上げられてきたのが『レーザー』

最終日の先生なんかは「レーザー&レーザー」で「レーザー」絶賛でしたけど。

 

注)、機械的(削る)+科学的(洗浄)な消毒後にレーザーですよ。

日本のようにレーザー単体で消毒出来るとは言ってません。

違うセッションでは、「レーザーよりNCの方が洗浄効果が高い」とありましたけど。

(まぁ、当たり前と言えば・・・)



因みに、日本発祥の「3Mix-mp」・・・

「ス」の字も出てきていませんでした( ̄∇ ̄;)

 

「3Mix-mp」のHPで信じられないぐらいの成功率が書いてあるとのことなのですが・・・

(最近知りました)


 

今年、抗生剤のセッションにも参加したのですが、

セミナーの1時間半内服(飲む抗生剤)の話で根管に入れると言う話は「0分」と言うか正確には「0秒」。。。


最後、会場から根管内への抗生剤の質問出ていましたが、

「知らない」的な発言で10秒で質問が終わりましたヾ(・_・;)チョット‥


1時間半、抗生剤の論文や、各学会のガイドラインをあれだけ出しまくっていた先生が・・・

 


是非、根管内に抗生剤を使用するというアプローチの発表を!!


面白いと思うんですよね、ただあの成功率見るとデーターに信憑性が。。。


薄過ぎる( ´д`)

今年のAAEは月星先生が「歯牙移植」の話を、

小林先生が「根管内洗浄システム」の発表を行っていました。


月星先生は次にアルゼンチンで講演をするとのこと、

小林先生は最後のAAEでの発表のようでした。

(個人的にスライドのことでメールさせて頂きました。)


後、

去年まとめていなかった、

根管内のDelivery Systems(洗浄システム)をまとめると

・Positive  Pressure

・Passive  Pressure

・Negative  Pressure


や、

Conventional Irrigation

Activation of Irrigation

Lasers


 

その他、

分け方は色々あるのですが、小林先生の分け方が一番分りやすかったので、これを書かせてもらいました。


簡単にどのような物があるかを書くと、

Positive が「シリンジ洗浄」 

Passive  が「エンドアクチベーター」、「超音波」

Negative が「エンド・バック」


 

で、どれが良いのか!?( ・3・;)


一番効果的なのは『Negative Pressure』と言うことを多くのセッションで言われていました。


現在の『Negative Pressure』の代表格「ENDVac」

ただ、この道具も日本で買えません。


すみません、日本では買えないものだらけです (( ゜C_゜;))ェ...


4年前のバンクーバーのAAEで「END Vac」が発売された時、

クロスフィールド(ヨシダの子会社)が薬事を取りに行くと言っていたんですが!?



あれから4年・・・


いつ!?ヾ(・ω・`;)

ただ、システム自体が高いので日本の市場では受けず利益が出ないの分っているんで日本で発売するのは難しいですね。。。


結局、保険医療制度自体は福祉という名の「社会主義」でそこを取り巻いているのは「資本主義」・・・

どこかで歪はでてしまいますよね。。。(。_。;)



 

開業医としては出来るだけローコストで効果的な洗浄消毒を考えないといけないですよね。


と、話を戻します(汗)



では、『Passive  Pressure』に目を向けてみると、

【「Sonic」(音波域)VS 「Ultrasonic」(超音波)】


この2つの結論から言うと、

「Ultrasonic」の方が「Sonic」より効率的に根管内を綺麗に出来たとの論文もあるそうです。


興味があれば、

Sabins RA, Johnson JH, Hellstein JW. J Endod2003;29:674-8




で、最もショッキングだったのが、私が6万円もの大金をはたいて海外通販で買った

「エンドアクチベーター」(Sonic)


どうやら「?」みたい。。。(@_@;)




小林先生に見せて頂いたスライドにも否定的なが論文4つ・・・


他のセッションでも同じようなスライドが出てきましたが、

「Sonic」(エンドアクチベータ)と特に道具を必要としない普通のシリンジ洗浄でもバイオフィルムの除去に差は無かった・・・(@_@;)(@_@;)



小林先生も講演の中で

「Not So Good...」




が〜〜〜ん!!( ̄□ ̄;)




もうすぐ日本で認可が下りて「ENDO ACTIVATOR」発売するのに良いのかこんなこと書いて・・・

(ごめんなさい、デンツプライの人) 



まぁ、私デンツプライ(メーカー)と何の関係もない一開業医ですから(笑)

(デンツプライは世界一の歯科メーカーですから変な所から圧力かかるか!?)




道具なんてこんなものでしょう(-ω-;)



小林先生が「みくに工業」と開発している、

「Negative Pressure」が出来る道具に期待ですね!!(・∀・)


メーカーの人と話しましたが、「デモ品」貸してもらえそうかも!?


その際にはまたブログに!!



また、懲りずに道具に頼るか・・・

(小林先生が開発した道具のユーザーとしては次も期待してしまう)



そうそう、今年の洗浄のセッションで、

「作業長に切ったガッタパチャーを上下運動させる」と

「End Vac」と同じような効果があると言っていた先生もいました。



ホ、本当か!?(∀ ̄;)



今、直に出来る洗浄システムは、

どこの歯科医院にもある「超音波」


その後、出来ればNC満たした根管で、マスターポイント上下運動!!

*マスターポイントはきちんとアピカルゲージング(根尖の直径を調べて)してくださいね ノ(ゝω・)


と言うか私は昨日からシステム代えました。

エンドアクチベーターは・・・

何かに使える日が来るだろう!!

 

来るだろう。。。

来るだ。。

 

 

見学に来て、「エンドアクチベーター」見て買ってしまった先生

「すみません!!」m(__;)m

(使わないより使った方がいいのは変わりませんから^^;)



 


でも、個人的な感想を言わせてもらえば、

アメリカってメーカーよりの先生が発表すると正反対の結果を言うこともあるので・・・


例えば、

LSX+エンドバック(ディスカス社よりの先生)が良いと言っていたら、

(LSX:ライトスピードの新しいやつ、テーパーは少なく根管を太く削るシステム)

プロテーパーのようなグレートテーパーのNi-Ti+エンドバックが良いとか。。。



吉松先生にが言うにはアメリカでは結構『大きな利権』が動き回っているようで、

ある意味CM合戦!!


エンドユーザー(両方かかっていますよ)は賢くならないとね(>△<;)





【今年の結論】

薬液:6%NC(60℃加温)+17%EDTA

洗浄システム:「Endo Vac」

     なければ「超音波」+「GP上下運動」




あっ、

隔壁+ラバーダムはマストですからね、仮封もストッピングでは。。。

洗浄だけこだわってもあまり意味ありませんからね!!(>ε<;)


 


以上2011年度改定版でした。

 

 

読んでくれた先生はエンドの経験値が0.5は上がったはず!!

 

 

 

 

 

ただし0.5/10000のですが。。。           そんなに簡単に上がらないって (ノ゜д゜)ノ      

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