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根管治療前のレントゲンから読み取る読影能力

レントゲンを撮ると何が分かると思いますか!?

 

私が患者さんに説明しているのは、

「レントゲンは金属の濃淡を表している白黒画像で、その白黒画像から術者が何を読み取るか!?」

「つまり、数値化で分かるデーターではなく想像力を働かせて読み取るものなのです」

  

ですから、同じレントゲンを見ても経験の浅い先生と専門分野の先生では読み取り方(診断)も大きく変わる場合があります。

 

またレントゲンは機種などにもより、鮮鋭度が変わります。

写真はできるだけ綺麗な方が見やすいです。(ピンボケでは細かい部分は分かりませんよね!?)

 

 

患者さんは40代女性

初診時にレントゲンを撮ると見にくいですが大きな病変のようなものを確認

2020 EEdental NaT (0).jpg

以前の治療で「折れているかも!?」と言われたとのこと。

 

そういう歯は着手 ⇒ ごめんなさいこの歯は抜歯です。 になりかねないので

他の悪い歯の治療を優先させ、この歯は症状が出たら着手しようと計画

  

 

半年後・・・

 

痛みが出てしまい、治療を希望された為治療スタート

2020 EEdental NaT (1).jpg

ちょっと病変が大きくなっているかも・・・

 

何より上顎洞底線の連続性がない

2020 EEdental NaT (2).jpg

病変が上顎洞を押し上げている可能性が高い。

ただ、病変の全容が殆ど分からない(上顎洞などに接しているような場合は病変が見にくいです)

 

とりあえずCBCTで解析

2020 EEdental NaT (0) (1).jpg

シュナイダー膜が頑張っているのか、上顎洞炎にはなっていない様子 

 

次に冠状断で見てみると、

2020 EEdental NaT (0) (2).jpg

どうやらMB根が根尖病変の原因らしい! 

太くて長いメタルが入っています。

(個人的には、クラックの疑いがあればレジン系コアの方がベターだと思うのですが・・・)

  

一度きとんと根管を探し

2020 EEdental NaT (3).jpg 

2回目には症状が治まったことより2回目に根管充填!

MB根穿通は出来ませんでしたが、手づかずで汚れたいた「フィン」部分を徹底的に清掃

  

3か月後

2020 EEdental NaT (4).jpg

根尖病変に治癒傾向が現れ、上顎洞底線も下に下がってきてくれています。

*白い線に変化があります。

治ってきてくれてよかった! 

 

 

根の治療はレントゲンから読み取る能力も結果には影響を及ぼします。

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