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咬合性外傷による歯肉炎
- 2022年6月10日 09:08
- EEデンタル こだわり
歯を治している人間からすると、歯を失う最も怖いものが咬合(咬む力)
ある程度虫歯とか根尖病変は治すことが出来ても、咬合だけはコントロールできない・・・
今週も天然歯の歯根破折ケースの治療を行いましたが、折れる歯などを予見することはできません。
先日、こんな不思議なケースがありました。
3カ月前の歯科検診の際に前歯の歯肉に腫れがあり、うずく感じもあった。
かかりつけの先生には歯肉炎だからよく歯を磨くように指導を受ける。
もなかなか改善しない為、EEデンタルへ
この歯は2013年に私が治療(根管治療+セラミッククラウン)させてもらった歯
確かにクラウンを入れた歯の一部が炎症でただれている。
レントゲンを撮ると
全く悪い感じはない、クラウンの適合も悪くはない。
患者さんの歯磨き能力は高く、いつもきちんと磨けている方でした。
ですので、3カ月も歯肉炎が継続するのはおかしい。
が、歯肉炎の原因が見つからない。。。
患者さんも困っての来院だったので、どうしたものか・・・
ふと、先日の顕微鏡歯科学会でのチッコロ軍曹の講演のなかで
TCH(Tooth Contacting Habit)で歯頚部歯肉に歯肉炎が起こるとの1例を思い出す。
ちょっと、かみ合わせを見させてもらうと、さすがに10年近く前に入れたものだったので咬み合わせが強くなってきている。
患者さんに前歯の当たりを聞くと、以前より前歯の当たりが強くなっているとのこと
前歯に人差し指の腹を置き、カチカチ咬んでもらうと明らかに唇側に歯が逃げる。
まさか噛み合わせ!?
患者さんに了承を得て少しだけセラミッククラウンを削らせてもらいました。
咬合調整から10日後
え~、歯肉炎が無くなっている!(左から2本目が歯肉炎があったセラミッククラウン)
あれだけ3カ月も磨いて取れなかった歯肉炎がわずか10日で(笑)
チッコロ軍曹の話聞いておいて良かったわぁ~!
*今度、お土産でも持参します。
前歯の天然歯の中に人工物が1本あり、かみ合わせによる経年変化の差で起こってしまったのかな!?
と推測
患者さんに言うと驚かれるのですが、歯を支えている骨というは日々新陳代謝していますし、咬むという力が加わることで、歯と言うのは僅かではありますが、日に日に動きます。
塵も積もで日々の僅かな動きが5年、10年経過すれば多少の誤差になります。
歯と同じような物性のものがあればいいのですが、人工物で治す限り入れた時の状態をずっと維持させるというのはまず不可能。。。
今回のケース、推測からたまたま治ってくれましたが、
私は噛み合わせの専門ではないので噛み合わせのトラブルで来院されても治療はできませんので悪しからず(笑)
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