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根尖病変の根の先端大きく削っても・・・
- 2026年7月29日 09:00
- 歯内療法日記
根尖病変の原因は歯の中に入った細菌です。
この細菌の大きさは0.003~0.006mmで歯の象牙細管の中にも入り込んでいます。
細菌を除去する為に歯をヤスリのような道具で削る訳ですが、マニアックな道具で最も細いものは0.06mm、太い物ものになると1.40mmと20倍以上の差があります。
昔は細菌は削って減らして貼薬剤で細菌を死滅させるというものでしたので、太い削る道具が必要でしたが、
現代においては、太く削ることによるリスクもあるので、なるべく削る量は抑えて消毒液を効率的に根の先まで行きわたらせて、細菌の数をなるべく減らすという考えに変わっています。
ただ、この変革に沿って治療をしている先生は少ないと思います。
理由は、赤字分野にも関わらず道具を色々そろえる為に設備投資が必要になること、長年やっていた術式を大きく代える必要がある。(これが意外と難しいです)
ですから、根尖病変が中々治らず長期間根管治療をやっていた歯などは、根の先の根尖が大きく削られてしまい治りにくい状態にされてしまっていることもあります。
この根の先の取り扱いも現代においては聖域とされなるべく根の先の形状は維持させた方がいいという考え方に変わっています。
今回のケースも、解剖学的には根の先は0.4mm程度なのですが、前の治療により根の先は1.0mm以上になっていました。
歯科医師は根の先に細菌がいてここを削れば治ると考えがちなのですが、この考え方も間違っています。
根の先はなるべく削らず、まずは次亜塩素酸などによる消毒で治るかトライした方がいいです。
患者さんは30代女性
20年前に銀歯を入れた歯、2年前にセラミックに替えた。
先日検診に初めて行った歯科医院で「抜歯してインプラントにする必要あり」と先生に言われた。
噛んでも痛くはないが、時々痛い時がある(歯の奥の方)。過去にも一度フィステルが出来た。
抜かずに治療出来るかしりたいとのこと
レントゲン
近心頬側根、口蓋根に根尖病変が見られます。
ただ、このレントゲンを見て、「これ抜いてインプラントにするの!?」というのが心の中で思った感想
歯内療法専門医や大学病院紹介してあげる選択肢はないのでしょうか・・・
過去に入れてもらったレジンコア、セラミックアンレーの適合も問題無かったので
3mm程度の穴を開けてそこから根管治療をスタート
案の定、口蓋根がかなり大きく削られており、ガッタパーチャーが根尖口外に少し飛び出ました。
*過去の治療で出口が大きく削られていると、これはちょくちょく起こります。
仕方がないんですが、何故ここまで削る!?と思います。
*根尖大きく削っても治らないと早く周知されるといいんですが・・・
根管はバナナのように湾曲しており太い硬いファイルで削っても外湾
根尖が本来解剖学的な出口が0.4mm程度の今回の歯の根尖孔が1mm近くに開いていたのでMTAセメントを使用しました。
またMTAも根尖からはみ出ました。(これはまず問題は起こしません)
コラーゲンを先に詰めてMTAセメントが出ないようにする術式もありますが、もの凄い少ししか使わないコラーゲンの為に材料費1万円を患者さんから請求するべきか!?
またそのコラーゲンが汚染していたらそれが原因で感染源になることも・・・
因みに、今回のケースも3mmの穴からMB2は処理しています。(MB,MB2,DBはガッタパーチャー、P根のみMTAセメント)
術後1年
MB根の根尖は綺麗に治ってきてくれました。
P根の根尖病変も小さくなってきていますが、人工材料(ガッタパーチャー、MTAセメント)の周りに透過像が見られます。
ただ、これは細菌感染によるものではないので、このままでも問題は起こしません。
また経験上外に出たMTAセメント(プロルート)は5年ぐらいで殆ど吸収されてきます。
術後1年の口腔内
下から2番目の歯が治療させてもらった歯、咬合面中心にレジンで穴埋めしています。
今回のケースに関してはもう1年後もレントゲンを撮らせてもらおうと思います。
歯科医師が過去の治療で太く削り過ぎた歯、
今回は治ってくれましたが実は根の先を削り過ぎた歯というのは治療の成功率も低くなります。
ただ、患者さんの心情的には、揺れてもいなく折れてもいない歯なら何とか残したいですよね^^;
抜歯判定をされた歯でも一度歯内療法専門に相談した方がいいと思いますよ。
先生による根の治療の得意度により、残せる・残せない大きく異なりますのでね!
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