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マニアックレジン: 2019年10月アーカイブ

第2大臼歯の遠心縁下の虫歯をどう治すか!?

親知らず傾いて生えていませんか!?

 

特に親知らず周りに食べカスが詰まりやすい人要注意です。

  

患者さんは40代女性

2019 EEdental YA3 (1).JPG

虫歯を指摘されここをなんとか治したいということ

問題点は、傾いた親知らずの影響で第2大臼歯の虫歯+縁下歯石

 

手順は、  

1、まずは口腔外科で親知らずを抜いてきてもらいます。

*私は基本的に抜歯はしていません

  

2、抜歯後3~4週後の軽く傷が治ったぐらいに再レントゲン+虫歯治療

 

2019 EEdental YA3 (3).JPG

レントゲン上で虫歯の部分は黒い所ですが、

この部分に虫歯が出来ると一般的にな銀歯でこのように「へ」の字に削り銀歯で修復

することが殆どです。

 

この部分の虫歯の治療は難易度が超難度で、当然予後も悪いです。

http://eedental.jp/ee_diary/2016/04/post-1369.html 

  

 

私はこの部分の虫歯には、EENO Flat(ボールタイプ)を使用し治療を行うと・・・

http://www.nishikibe.co.jp/blog/sikai/eeno.html 

 

2019 EEdental YA3 (2).JPG

虫歯、縁下歯石も綺麗に取れ、遠心のガタガタだったラインは段差のない綺麗なラインとなりました。 

 

術式は、

手の届きにくい虫歯の部分を無くなった親知らずのスペースを利用してEENO Flat(エアースケーラー)でアクセス

う蝕検知液とダブルミラーで虫歯はチェック

http://eedental.jp/ee_diary/2013/04/post-749.html 

 

フロアブルレジンチップの先端をホーのプライヤーでEENO Flatと同じ形状に変え窩洞にレジン充填 

 

すると、 

健康な咬む面は削らずピンポイントで修復を行うことが可能となります!(・∀・)ノ゛

しばらく凍みる症状が出ることがありますが、その場合まずはシミテクトなどの歯磨き粉で1カ月磨いてください。

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わざわざ、東京からレジン治療の為に・・・、お疲れさまでした。

患者さんは歯科医師の男性

正中離開を治したいとのこと

2019 EEdental ST0 (1).jpg

微妙に左右差がありますが、このぐらいなら充填に問題はありません。

 

ステインを取り、ラバーダムをして、そこから歯肉圧排をして、

レジン充填

2019 EEdental ST0 (2).jpg

*術直後でクランプで歯肉を押した痕があります。

使用レジン(OA3、OA2、乳歯色、トランス30、ホワイト、オークル) 

 

レントゲン

2019 EEdental ST0 (3).jpg

段差もなく移行的に充填出来ています!

 

最近、正中離開はラバーをして歯肉を下に下げ、更に圧排子をラバーダムの隙間から入れ

更に歯肉を下げるのと歯肉からの浸出液を圧排子で受け止めるようなことをしています。

 

後、最近はワックスアップやステントなどは使わず、全てフリーハンドで行うようになりました。

 

今回はレントゲン上のレジンのラインが自然で、非常に良い感じに見えます。

  

1週間もすればクリーピングが起き、もう少し馴染んだ感じになると思います!ヽ( ̄▽ ̄)ノ

わざわざレジンの為に遠方からお疲れ様でした。

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虫歯治療 修復材料による削る量の違い

2018年当時に治療をしていた患者さん

殆ど治療は終わっており、最後1か所という所で来院が途絶えてしまいました。

 

基本的に私は電話をして「治療がありますから来てください」などの催促はしません。

患者さんが嫌になって来院を止めたり、何らかの事情で来院が今はできない状況になったりと

色々ありますので、連絡を待つスタンスでやっております。

 

1年ぶりに電話があり、虫歯の治療を行いたいとのこと、

実際来てもらうと、「先生・・・、削っちゃった。。。」と

*基本的に私はこんなことで怒ることはしません、怒っても問題が解決する訳ではないので。。。 

   

実際の削った歯

2019 EEdentalII (3).jpg

ほ~~、上手なセラミックインレーの形成がしてあります。

(私も開業当時はセラミックインレーやっていました。今はデメリットの面から治療を止めました。) 

 

 

1年前のレントゲン

2019 EEdentalII (2).jpg

黒い部分に虫歯があったのは分かっていました。 

 

   

今回のケース、レジン治療で治療した場合の削除量は

2019 EEdentalII (4).jpg

おおよそこの黒い部分のみの削除で済ませれたと思います。

私が予定していた6倍以上は削ってしまっています。。。

  

セラミックインレーは適合精度を上げる為、割れないようにする為に切削量の多い治療法です。

これはセラミックという材料を選択した場合には仕方がないことだと思いますが、

この辺りの説明というのは患者さんにはありません。

(歯科医師であれば当然知っていますが・・・)

 

 

ただ、既に削ってしまったものはしょうがない! 

 

患者さんにここからレジンで治すことを説明し

2019 EEdentalII (5).jpg

1時間半後

5番はEENO Flat ボール(改)を使して側面から虫歯を削り咬合面(咬む面)は削らずに修復

5番の歯を削られていなかったのが幸い

 

治療後、偶然セラミスト(技工士)が来ており、色の話を色々聞かせてもらい

たまたま今日やった、ホワイトステインと明度コントロールをみてもらうと、

「先生は、技工士ですね!」(笑)と 

  

マニアックなシェードガイドの違いなど聞けて色の勉強ができました。

そのマニアなシェードガイド購入して色をみてみます!  

 

術前⇒術後のレントゲン

2019 EEdentalII (6).jpg

白い部分がレジンを詰めた所

  

レジンはセラミックとは違い変色するという欠点があります、

ただ個人的には歯の寿命を考えた場合というのは、必要最低限の切削の方がいいと考えています。

次のやり直しの治療の際には更に大きく削り歯が無くなります。

  

健康な部分を削って治療が成立させなければいけなかった、詰め物の接着が出来なかった時代ではありません。

 

歯に対しての考え方は先生毎にさまざまですが、歯の保存を専門に行っている歯科医師からすると

レジンというのは使い方によっては非常に良い材料だと思います!ヾ( ̄∇ ̄ )

 

追記:治療動画を編集しました。

   

 

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若い患者さんの虫歯は難しい

EEデンタル 基本的に小児の治療はやっておらず、

だいたい高校生以上の治療が99%ぐらいとなっています。

 

ただ、10代の患者さんの患者さん虫歯の発見の難しさと進行の早さには驚くことが多いです。

 

10代の女性患者さん 

2019 EEdental SY2 (2).jpg

顕微鏡で見ると黒くて穴が小さな穴があります。

 

次にレントゲン

2019 EEdental SY2 (1).JPG

疑いの目で見ると、なんとなく虫歯がありそう!?

レントゲンは白と黒で表現される影絵です。

虫歯はこの白黒画像で判断する訳ですが、この虫歯の発見には色々な誤差がでます。

 

1、術者の経験値

2、レントゲンの鮮明度

DSC04660a.jpg

*EEデンタルのデジタルレントゲン 色々な先生に「見やすいね」と言われます。

たまに患者さんに中にも「前の歯科医院のレントゲンより分かりやすい」と言います。

 

私はレントゲンの見やすいものを基準にヨシダのデンタルを購入しましたが、

鮮明度に診断が助けられています。

CBCTも根管治療目的で超マイナー機種買いましたが、根管治療の診断には非常に助けられています。

*超マイナー機種すぎて業者に「先生この機種は値引き無理ですよ」とあっさり値引き交渉はダメ!と   

  

そのうちレントゲンより虫歯の診断がしやすい器材が生まれてくれるといいのですが・・・

  

後、レントゲンの見方は、

病気はないか疑いをかけ見るというのも非常に診断の要素では大きく、

今回の場合は顕微鏡で視診を行っており、1mm以下の小さな穴を見つけていたので

2019 EEdental SY2 (1).JPG

赤の部分が虫歯だと顕微鏡視診とレントゲンを一致させ判断しました。

 

この1mm程度の黒い部分から虫歯のスタート

2019 EEdental SY2 (2).jpg

で、治療してみると、

 

 

少しずつ削ったつもりでも、あっと言う間に

 

2019 EEdental SY2 (3).jpg

近心に露髄!(歯の神経が出てくる)

 

 

つまりレントゲンで虫歯の有無を想像できても、 

実際の正確な大きさまでは分かりません。

  

治療後のレントゲン

2019 EEdental SY2 (5).JPG

レジン充填後、

2019 EEdental SY2 (4).jpg

このようにレジンで修復しましたが、 

赤の部分が推測した虫歯部分、

DSC04661.jpg 

白い所がレジンを詰めた所

*レントゲンで予想した部分よりはるかに大きな虫歯でした。

   

殆ど顕微鏡下での虫歯治療です、自分なりに必要最低限の切削治療です。

(CM:なるべく健康な部分を削らない治療には錦部さんの音波チップは役にたちます!マヂで!!)

  

 

私の臨床では、これだけ大きい虫歯は若い患者さんに見られやすいです。

逆にいえば、50代でこういったケースというのは殆ど見ませんね。

 

若い患者さんほど虫歯の進行は早いケースがあります、

今回の場合、途中から、「AIPC」に変更するのも1つでしたね。

AIPC:http://eedental.jp/ee_diary/2018/06/post-1773.html 

完全に結果論ですが、、、

*費用はかかりますが、直接覆髄法に比べAIPCの方が神経を残せる確率は高くなります。 

 

 

今後レントゲンで神経の経過を見ていきます!ヾ(・д・ )ノ

それにしても今回の虫歯は予想外に大きかった。。。

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セラミックの下の根尖病変

患者さんは50代女性

全顎検査を行うと・・・

 

2019 EEdental OM2 (1).jpg

症状はないものの、大きな黒い影が見られます。

(皮質骨を溶かすほど病変が広がっています)

 

ある意味厄介である、症状のない根尖病変。。。

 

患者さんに状況を説明し、隣の歯もなんとなく怪しいのとクラウンに大きな段差があることを説明し

2本根管治療させてもらいました。

 

仮歯で1年経過をみて、今月ようやくセラミッククラウンSet 

2019 EEdental OM2 (2).jpg

完全に骨は出来あがってはいませんが、1年経過し骨も出来てきてくれている所見が見られます。

また痛み・違和感などの症状もありません。

  

この場合私はすぐに外科的歯内療法には踏み切らず、

http://www.eedental.jp/surgery.html 

経過観察を行います。

 

レントゲン上の骨の回復に時間のかかる人もいます。

(たぶん長い間の病変で皮質骨がやられてしまっていたケースかと思います)

 

もし悪くなってしまえば、また腫れてきたり、歯ぐきから膿がでたりします、

この場合問題となる細菌感染が取れていないので、外科処置に踏み切ります。

違和感に関していえば、根管治療した歯は多少なりの違和感が残る歯もありますから

ケースbyケースでの判断となります。

 

過去にセラミックなどで歯並びを治された患者さんの根管治療は急いで治療したような感じで

このような根尖病変が見られることがありますので、多数歯の前歯をセラミックで治したような患者さんは

5年ぐらい経過したらレントゲンで診査した方がいいと思いますよ。

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虫歯が大きくても神経を保存する方向で治療する

虫歯にはC1、C2、C3、C4というカテゴリーがあり

虫歯が大きくなるにつれ数字が大きくなります。

   

C1:エナメル質に限局する虫歯(経過観察でいい場合が多い)

C2:象牙質に達した虫歯(削って詰める、削って被せる)

C3:歯髄に達した虫歯(神経を取る治療)

C4:歯冠部が崩壊した大きな虫歯(抜歯)

 

これは視診とレントゲンで決めるのですが、かなりざっくりとした仕分であり、

特に厄介なのが、C2からC3に移行している途中のケース

これは白、黒線引ができる訳ではなく言わば、C2を白、C3を黒とすると間のグレーの範囲が大きく、

特に治療方針が分かれるのが知らない間に進行している虫歯が大きくなったC3よりのC2

 

ここではこの虫歯を「C2.8」とさせてもらいます。

 

私が保険治療をやっていた時にはこのC2.8

レントゲンで虫歯が大きいなぁと判断すると治療方針は神経を取るという方針をとっていました。

これは1日20~30人(1時間に3人)近くを診察しないといけないのでと言うのが理由です。

(虫歯を丁寧に削るのは非常に手間と時間がかかります)  

 

ただ、1人の患者さんに時間をかけれるようになった今の「C2.8」の方針は

「レントゲン上で虫歯がかなり進行しており神経付近まできています」

「とりあえず今回は神経を残す方針で、慎重に削って行きます」

「神経が多少露出しても神経が残せそうなら覆髄法で神経を残します」

「治療後、ズキズキ痛みが出るようだったらその時には神経の処置を行います」

と説明しています。

 

前日のこの患者さんも

http://eedental.jp/ee_diary/2019/09/post-1957.html 

最初の治療計画では4本神経を取る必要があると治療計画を立てましたが、

時間をかけて治療を行うと神経の治療は1本で済みました。

 

神経が残せたと思っても、 

イメージ的には「C2.8」20本治療すると1~2本ぐらい痛み(症状)が出てしまい後で神経の治療が必要となることもあります。

ただ、手間さえかければ虫歯が大きくても半数以上の歯の神経は残すことができます。

*レントゲン上で明らかなC3や根尖に透過像のあるケースは神経の治療を行います。

 

  

今回のケースも術前時に神経の治療になる可能性:大 

とりあえず、ゴールドアンレーの下の虫歯を丁寧に削っていくと説明

2019 EEdental KK1 (1).jpg

ゴールドの下、また歯ぐきの中に大きな虫歯が。。。

対合歯がクラウン予定で金属アレルギーの疑いがあったのでレジンアンレーで修復を行いました。 

 

神経保存を行いレジン充填

2019 EEdental KK1 (2).jpg

7か月が経過しましたが、今の所問題はでていません。

   

術前⇒7カ月後

2019 EEdental KK1 (3).jpg

*先日ネット相談にもありましたが、ゴールド修復が優れているというのは全く言えないと個人的には思います。

 

術後に関して、

歯科治療は全て小外科手術です、虫歯の大きかった歯の治療を行うと

・しみる症状や多少の一過性の痛みが出る場合があります。

我慢できる一過性の多少の痛みなどはまずは1カ月程度様子をみてください。

しみるに関しては、歯磨き粉を「シミテクト」に代えてもらい1カ月磨いてください。

 

様子をみてはいけない痛み

・ズキズキ脈を打つような痛みが続く場合

・温かいものでしみて、そこからズキズキする

この症状は処置が違うという体のサインなので私は神経の治療が必要と判断しています。

 

術後すぐは症状があった歯でも1カ月後に症状が弱くなり、3カ月程度で症状が消える場合もあります。

逆に術後痛みが出なくても数年後に痛みが出てしまうケースも極々稀にあります。

 

患者さんによって痛みの感受性は異なりますので、個々での判断になります。

術後1カ月経っても痛みがある場合はご相談ください。

 

また神経の治療が必要になった場合は、神経の治療費と土台の治療費が別途必要になります

 

以上、C3よりのC2の治療のお話でした。

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