Home> マニアックレジン: 2022年9月アーカイブ

マニアックレジン: 2022年9月アーカイブ

神経付近まの大きな虫歯 抜髄 (根管治療) 確定!?

患者さんは20代男性 

右下にC2ぐらいの虫歯があるので治したいとのことで来院

 

口の中を見せてもらうと

2022 EEdental ITT (1).jpg 

確かに右下6にレジンで治せそうぐらいの虫歯がありそう

 

で、レントゲンで確認

2022 EEdental ITT (2).jpg

えぇ~、これはかなり大きな虫歯! C2というよりはステージが1つ高いC3

しかも歯が折れている(赤い線)!?

 

一見小さな虫歯に見えたのですが、顕微鏡で精査すると

2022 EEdental ITT (3).jpg

歯が割れている・・・

 

これは、レントゲン撮らない先生が治療すると誤診する典型的なパターン

  

患者さんに歯が折れていること、虫歯の大きさがかなりマズイことを説明

 

現時点で10のうち8~9の確率で神経を取ることになる、その場合残る歯質が半分ぐらいになるので

クラウンになると治療方針を説明

  

ただ、ここまで虫歯が大きくても痛みなどの症状は一切ない。

また根尖も非常に綺麗なレントゲン所見。

 

今回のケースは初めて見るような歯で外側のエナメル質は残り、中で虫歯が大きく進行している。

  

治療計画書には

抜髄(13万)+レジンコア(2万)+仮歯(2万)

と書かせて頂きました。

  

患者さんは治療したいとのことで1回法で根管治療からレジンコアまで治療時間2時間を予定

 

治療当日

「症状ないし、神経保存トライしてみる!?」と患者さんに提案

患者さん残せれば神経保存したいとのことで、トライさせてもらいました。

 

まず破折片の抜歯を行い

2022 EEdental ITT (4).jpg

破折片は歯茎の中で折れており、更に治療の難易度が上がる

歯茎の上で割れていればラッキーだったのですが、仕方がない。

2022 EEdental ITT (5).jpg

中はレントゲン所見と同じように虫歯大爆発でドロドロの状態

 

この状態で考えたのはシールドレストレーション+AIPCのミックス治療

 

神経が出ないように慎重に削って行きます。

2022 EEdental ITT (6).jpg

う蝕検知液で、染めて青く染まる部分=虫歯 色で削る部分を判断

気長にかつ効率的に、5倍速、ラウンドバー、EENOボール・スフィアで削って行きます。

 

なんとか歯髄付近以外の虫歯は取り切れました。

 

神経手前の最後1層の虫歯はわざと残します。

2022 EEdental ITT (7).jpg

残した虫歯の上にテンポラリーセメント ソフトを置き、虫歯部分の強化を図る。

*虫歯部分が数か月後に強い歯に変わるという薬

 

その後レジン充填

2022 EEdental ITT (9).jpg

基本的に私は虫歯除去後からラバーダムします。

ラバーダム信者ではないので、ラバーダムしないと成功しないとは思っていません。

 

ラバーダムすると開口量(口の開く量)の問題で削りにくくなります。

効率的にピンポイントで虫歯を取りきるまでは私はラバーダムをしません。

  

虫歯を削った後の詰める作業時にはラバーダムを行い唾液が詰める場所に触れないようにします。

 

術前⇒術後 のレントゲン 

2022 EEdental ITT (8).jpg

良い感じで治療出来ています。

 

2時間かけて神経の保存からレジン充填まで行いました。 

 

虫歯1本の治療で2時間かける歯科医院ってかなりレアだと思います(笑)

 

治療費:歯髄保存2.5万 レジン充填7.5万 +TAX

この後、短期で痛みが出ないか!?

長期的に神経か死んでこないか経過を見ていきます。

 

  

患者さんの残りの人生を考えると何とか神経が残ってくれればなと思います!(・o・)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

矯正治療中の虫歯

現在矯正はマウスピースで行う矯正治療と従来通りワイヤーではを動かす2つがあります。

軽度の矯正であればマウスピースでもいいとされています。

歯を大きく動かす場合などはワイヤー矯正の方がいいとされます。

 

ただ、この2つ大きく異なるのは「歯の磨きやすさ」

マウスピースは取り外し式の為、毎回通常通り歯磨きができます。

一方ワイヤー矯正は歯にブラケット(金属のボタン)とワイヤーが来るので歯磨きが非常にしにくいです。

その為、虫歯になりやすい人で歯磨きが出来ないと虫歯の発生装置にもなっていしまいます。

 

ですから、ワイヤータイプの矯正装置であればなお一層歯磨きを頑張ってもらう必要があります。

また定期的に歯科医院で虫歯がないか!?チェックしてもらった方がいいのですが・・・

 

問題はここ!

定期的に歯科医院に行っていても、虫歯の見逃しは出てしまいます。

 

私がお願いしている同級生の矯正の先生は

「自分は歯を動かす専門で、虫歯の発見や治療は素人レベルだからフォローよろしく!」

と歯科医師ながら虫歯はノータッチです。

 

話を聞くと矯正の先生は虫歯の発見は苦手のようです。

ただ、このように最初から割り切って云ってもらえると周りがそのフォローをすればいいのですが、

厄介なのが、定期的に歯科医院でチェックしているにも関わらず虫歯が大きくなり痛みが出て、

患者さんがおかしいと判断し、歯科医院に行くと「あ~、大きな虫歯あるねぇ~」とまるで他人事の先生

 

今回の患者さん、20歳の男性

10歳の頃から虫歯治療でお母さんが連れてきてくれ診させて頂いていますが、

1年ちょっと前からかかりつけで矯正を始めたとのことでしたが、電話がかかってきて

前歯がズキズキ痛いとのこと・・・

 

来院してもらいレントゲンを撮ると、痛みのある右上1は大きな虫歯から歯髄炎を起こしている。。。

患者さん、お母さんに説明を行い抜髄+レジン充填

 

その治療した隣の歯を見ると、

2022 EEdental KAY (1).jpg

抜髄対象にも思える大きな虫歯が更に2本。。。

 

患者さんは定期的に歯科医院に行きチェックしてもらっているにも関わらず、ここまで大きな虫歯

  

幸いこの2本は症状も無かったことより、神経の保存を行う方向でレジン充填

2022 EEdental KAY (2).jpg

側切歯はピンクスポットが見えてましたので露髄したと判断し覆髄を行いました。

   

虫歯を作ってしまうのは患者さんの歯磨きの不足の面はあります。

が、

ここまで虫歯を大きくなるまで発見できないのは歯科医師に責任の一端はあります。

 

ワイヤー矯正をしている患者さんは、ある程度虫歯を見つけられる先生の元で定期的にチェックしてもらった方がいいですよ。

歯科医師でも虫歯の発見能力には大きな差があるのが実情です。

 

今回の患者さんまだまだ若いのでなるべく神経が保存できるといいのですが・・・

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

大きな虫歯と歯髄保存

歯の神経を取る・取らない これは先生毎に判断が分かれる所があり、

「虫歯が大きい=神経を取る」という傾向があります。 

 

ただ、虫歯が大きくても残せる神経は残せます。

 

 

基本的に私は虫歯の大きさより、症状と根尖のレントゲン所見を基準にすることが多いです。 

 

患者さんは50代男性 1カ月前に奥歯がジャリジャリしてから物が詰まりやすくなった。

他の歯科医院で治療したが詰め物が外れた とのこと。

2022 EEdental KR (1).jpg 

かなり大きく穴が開いています、が痛みなどの症状は一切ないそうです。 

   

患者さんに虫歯の大きいが神経の残す治療をトライするか!?説明を行い

歯髄保存を行いました。

口腔内 術前 ⇒ レジン充填後 

2022 EEdental KR (4).jpg

レントゲン

2022 EEdental KR (3).jpg

かなり大きな虫歯でした、ピンクスポットのような歯髄が透けて見えるところまで虫歯がしんこうしていましたが、とりあえず神経保存

 

この後、大きなズキズキする痛み、温かいもので誘発される痛みが出てしまえば、神経を取る治療をする予定です。

ここまで虫歯が大きくても神経が残る時は残ります。

 

イメージ的には10本に1本ぐらいが神経を取ることになります。

逆に言えば虫歯が大きくても手間をかけきちんと治療することで9割近くは神経保存が出来ます。

 

個人的には症状がない歯に関しては、歯髄保存にチャレンジする価値はあると思います!(・ω・)ノ

 

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

勘頼りの手探りの治療と見える治療

患者さんは40代女性

全顎検査をさせて頂くと、顕微鏡下で明らかに虫歯が残ったレジン充填の痕。。。

  

患者さん的な思いは、

全ての歯科医師が完璧に虫歯を取り段差の無いように治療してくれている

とお思いでしょうが、ところがどっこい

  

一般的に奥歯にの虫歯の治療ってほぼ手の感覚だけで行うことが殆どで、

う蝕検知液を何度も使用して、デンタルミラーで確認の繰り返しは非常に手間と時間がかかりそこまで丁寧に治療をしてくれる歯科医院は少ないと思われます。

 

レントゲンを撮ると

2022 EEdental SIY (1).jpg

かなり大きな虫歯が残っています。

下手したら露髄(神経が出そう)しそう・・・

 

患者さんも虫歯なら治療しておきたいとのことで治療をさせてもらうと

全て顕微鏡下で治療を行います。

2022 EEdental SIY (2).jpg

かなりの虫歯が出てきた為、レントゲンの白いレジン部分が大きくなっています。

 

最近、患者さんが帰りがけに言われましたが、

「先生がブログで書いていた、『手間をかけてでも1回できちんと治療した方がいい』というのは身をもって体験できた。ホントにそう思う」と話されていましたが、

歯の治療って何度も同じ治療が出来る訳ではありません、治療という名の行為と引き換えにもれなく歯の寿命を短くしております。

 

自費治療が良くて保険治療がダメということはありません。

ただ、言えるのは歯科治療の多くは術者の知識と技術でその多くが決まってしまっているということです。

保険治療でも上手な先生は上手ですし、自費治療でも下手な先生が行えば・・・

 

歯科治療は色々奥が深いです(^。^;)

  • Comments (Close): 0
  • TrackBack (Close): 0

Home> マニアックレジン: 2022年9月アーカイブ

購読
Powerd By

Return to page top