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マニアックレジン: 2025年4月アーカイブ

治療出来ないと言われた歯

患者さんは20代男性

歯科医院に行ったら「歯の色が変わっており虫歯かもしれない、ただウチでは治療できない」と言われた。

とのこと

現在、症状などは一切ない。 

 

レントゲン

2025 EEdental SUS (1).jpg

レジン充填がしてありますが、その下にかなり大きな虫歯がありそうです。

 

一般的に言えば神経治療になりそうな歯ですが、痛みなど症状は一切ないとのころから覆髄+レジン充填をすることに

ただし、術後痛みが出るようなら後で神経治療の必要があると説明

 

治療時間:1時間15分

2025 EEdental SUS (2).jpg 

かなり大きな虫歯がありましたが、この歯にはレジンの下にサホライドも塗ってあり、

前の先生はわざと虫歯を残す「シールドレストレーション」をしたかもしれませんが・・・

 

たまにあるのですが、大人の歯にサホライド塗る!?と毎回思います。 

サホライドは銀イオンの力で虫歯の進行抑制をする材料なのですが、デメリットとして歯の色が黒く変色します。

これは1歳、2歳の歯科治療がまだできないような子供に使う材料で、個人的には大人の歯にこの薬品を塗るなら患者さんの了解を得てから行うべきだと思います。

審美的に汚く見えるし、次の歯科医師もまさかサホライドの影響で黒変しているとは思いもよりませんからね。

 

オペークという下地を隠すレジンを使用し

2025 EEdental SUS (3).jpg

う蝕検知液を使い虫歯は全て除去しましたが、サホライドによる黒変部を全て削って取ると300%神経は出てしまうので、下の黒変した部分をレジンで何とかごまかしました。

これだったら次に見た歯科医師も「あれ!?おかしい」とは思わないでしょう。

*すみません、充填した部分に気泡があり見えにくいですね。 

 

歯科治療は前の治療の修正も即座に行う必要があり、ホント1本1本がライブです(^。^;)

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神経保存活用術

今の親御さんの虫歯に対する意識は、ふた昔前に比べるとかなり高く

虫歯なし=当たり前

複数本虫歯=ネグレクト

とも捉えられます。

また虫歯1本作ると非常に落ち込むお母さんもいます。

 

ただ、安心してください。

歯科医師でも子供に虫歯を作ってしまいます(笑)

しかも複数本。。。

  

4年前の術前

2025 EEdental INS (1).jpg

同級生の小児歯科でレントゲンを撮った際に「虫歯あるよ」と指摘を受ける。。。

 

個人的には虫歯を見つけるのは結構得意なんですが、

この虫歯、歯と歯の間の歯茎のきわから虫歯が出来ており完全にステルス虫歯

やはりレントゲンを撮らないと虫歯は分からないなと再認識

  

同級生には、これは井野先生が治療した方がいいと言われ、 

メチャクチャ久しぶりに乳歯の虫歯治療をすることにしました。

レントゲンからでも神経付近まで進行しており、「神経を出さないように慎重にやらないとな」思ってスタートすると

ものの1分で露髄(神経が出る)

「あ~、覆髄(神経保護)するか・・・」

セラカルという材料で神経保護を行った後レジン充填

  

そこから半年して、神経死んでいないかチェックのレントゲンを撮ると

2025 EEdental INS (2).jpg

今度は奥から2本目のDにC2・・・

ここでチョコレート禁止令&おやつの回数の制限を発令

 

前回露髄させてしまったので、今度はエキスカを使いシールドレストレーションで神経保護を行うことに

*シールドレストレーション:虫歯を残したまま詰め物をして虫歯の進行を止める方法

シールドレストレーション 

2025 EEdental INS (3).jpg

虫歯を残したままレジン充填

6歳でしたが、30分頑張ってくれて麻酔から切削、レジン充填まで動かず全て顕微鏡下で治療できました。 

  

 

最近になり、咬むと何か痛い時があるとのことで久しぶりにレントゲンを撮り

神経死んでいないかチェック

2025 EEdental INS (4).jpg

数日パンなどを咬むと痛かったそうで、レントゲンを撮った日には痛みはない。

どうやら歯の交換期で歯根吸収が起こり症状が出ているようで特に治療は必要無さそうです。

このまま無事に永久歯に移行してくれればと願っております。 

  

すみません、私は小児やっていませんのでこのブログ見て問い合わせされても治療は行えません。

小学校の高学年ぐらいになると治療出来る子は多くなります。

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古くなってきた修復物

治した人工物は必ず寿命があります。

たまに「何年ぐらいですか!?」など聞かれますが、

私の考えは「一生持つことはないですが、問題が出るまで使ってください」です。

 

同じ材料を用いても、患者さんの咬む力だったり、扱い方・メンテナンスの仕方、後口の中の質にもより劣化は様々です。

  

先日来院して頂いた患者さん

2013年にメタルアンレーをレジン充填にて修復しました。

2025 EEdental TAK (1).jpg

当時のことをよく覚えており、名古屋での会合前に急いで治療し、時間は1時間45分ぐらいかかりました。 (今ならもうちょっと早く詰めれると思います)

 

現在の口の中

2025 EEdental TAK (2).jpg 

レジンのマージン部に着色が目立つようになってきましたが、機能的には全く問題ありません。 

また第2大臼歯と同じような咬耗も見られ、きちんと機能してくれています。

 

個人的にはこの状態であれば何も触りません、もし大きくかけたなどの問題が出た際に何か治療を考えます。  

 

たまに患者さんで先生に「古いからやり替えを勧められた」などたまに聞きますが、大きな問題さえなければそのままにしておくのも1法ではあります。

積極的な治療はむしろ歯の寿命を短くすることの方が多いですからね(¬з¬)σ

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