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歯内療法日記: 2012年6月アーカイブ
ファイルの整理(根管治療・歯内療法)
- 2012年6月26日 08:00
- 歯内療法日記
たぶん机の上だけで50万円分ぐらいあります。
使わなくなったファイルも結構あるなぁ・・・
ニッケル・チタン(Ni-Ti)ファイルって、
殆ど好みの問題で、大体どのファイル使っても今は上手にできますね!
4年前の6番の抜髄
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根管治療におけるファイル破折
- 2012年6月20日 20:08
- 歯内療法日記
はぁ〜、ファイル折ってしまいました。。。(T。T;)
左が新品のファイル
右が折れたファイル
ほぼ新品で第4世代の折れにくいGTXファイルを使用していたのですが、
その時は突然やってきました。。。il||li(つд-。)il||li
折れた瞬間手に伝わってくる嫌な軽さ
折れた瞬間出てくる脂汗。。。
どれだけ折れない配慮をしていても金属の針金なので折れてしまいます。
まず、レントゲンを撮ってみたのですが、
不幸中の幸い!?
ファイルは歯の中に留まってくれています。
でも、ここまで長く折れていると私の今の技術で除去するのはかなりリスキー(-д-;)
ファイルを除去するのは非常に難しく、リスクのある治療になります。
下手に取りに行ったが為に「すみません、この歯抜歯します」になることもあります。
EEデンタルでは各患者さんに滅菌した清潔なファイルを使用しており、ファイル自体が体に悪さをすることはまずありません。
先生によっては歯の中のファイルをまるで悪人のように悪く言う先生がおられますが・・・
では、その先生に私が聞きたいのは、
歯の中に入れる「メタルコア」はいいの!?
口の中の「銀歯」はいいの!?
歯の中で折れている金属が駄目なら当然、「メタルコア」も「銀歯」もなしの治療になりますよね!?(・ε・;)
今回のケースは患者さんにレントゲンを見せて、折れたこと、取る為のリスクの話をして、
この後徹底的に消毒して詰め物をすると説明をさせて頂きました。
ただ、ファイルと歯の間には顕微鏡で歯を拡大すると、微妙な隙間があるのでそこをどういう風に隙間を詰めるか!?(´・ω・`)
そこはこちらも専門(「専門が折るなよ」と突っ込まれそうですが)
ファイルと歯の隙間にかなり軟らかいタイプのガッタパチャーを流し込み
まるで跡形もないように治療を行いました(でも実施は折れているんですけど・・・)
ファイルが折れないような配慮は最大限します。
また折れた時に「取った方がその歯が長持ちするのか!?」
また「取らない方が歯にとっていいのか!?」
考えます。
これは今の私の技術に依存する部分も多々あります。(技術があれば取る為のリスクを少なくできます)
今回の歯は10年、20年問題の起きない根管になってくれるように祈ります
また20年後問題を起こした際に「あっ、たぶん簡単に除去できるよ!」と言える技術もそれまでに身に付けておかないと・・・
はぁ〜、ファイルを折ると1日がブルーだ。。。(lll-ω-)
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2012年 歯内療法学会
- 2012年6月17日 23:44
- 歯内療法日記
朝4時に起きたのですが・・・
雨が降っていたので、
「はい、今日は波乗り止め!」
と言うことで朝7:00の新幹線に乗り一路東京へ
AKBに
いや、ガンダムカフェ
を素通りで(;´・д・)
『歯内療法学会』に行ってきました。
須田教授の話が私的に面白かったです。
・『排膿の為の根管開放は行ってはならない』 Cohen S 2006
アメリカの先生らしい発言で
・『根尖の形成を小さめにして、垂直加圧がよいとされる』 Whitworth.J
安心しました、私も今はこう考えていますヾ( ̄∇ ̄=ノ
年間の抜髄、感染根管の数もお話になられていましたが、
メモするの忘れたのでネットで調べてみると、
http://www.niph.go.jp/soshiki/koku/oralhealth/juq/jyukyu/docu22/docu22_1.pdf#search='
社会 診療保険データー
平成17年の月あたりの歯科診療行為回数は、抜髄処置73.4 万件、感染根管処置99.2 万件、計172.6 万件であり、年換算すると2,072万件と推計された。治療充足率は87 〜 93%であり、推計上、年間158 〜 312 万本の根尖透過像保有歯が要治療であっても処置されていないことが示された。
*須田教授のH21年のデーターはネットで見つかりませんでした(5分しか調べてないけどね)
やっぱり、抜髄処置より感染根管処置の方が多いですね。
日本の根管治療の成功率って(汗)
推定50~60%。。。(; ̄д ̄)ハァ↓↓
もっと抜髄処置時にを細菌が入らないような配慮をして行えば、感染根管処置の割合ってもっと減ると思うんですが・・・
現状:【抜髄⇒失敗⇒感染根管処置⇒失敗⇒感染根管処置⇒失敗⇒抜歯】
大臼歯部のラバーダム義務化しちゃって、
【抜髄⇒成功】 の割合が増えれば、
感染根管×2、クラウン×2、抜歯の医療費は必要なくなるので「医療費の削減」が出来ると思うんですよ。
その削減出来た医療費は抜髄の費用に半分でも上乗してもらえれば、
・患者さんもハッピー(痛い思いもせず、歯も残り、来院回数も減る)
・歯科医師もハッピー(収入が増える!? インプラントの先生は減収かも・・・)
・国もハッピー(保険医療は国が25%を負担しているので)
良いことずくしなのにねぇ〜q(^-^q) q(^0^)p (p^-^)p
今回の一番の目的
私の好きな先生の一人の清水先生の治療動画を見ましたが、
「マヂで!」と思うぐらいアグレッシブエンド!
あんなに根尖を突いて出血させているとは(笑)
講演も非常に面白かったです。
・0.4%ぐらいに近心頬側根が2根見られる
・MM根は1%との報告があるが、清水先生の臨床では36%にMM根か見られた。
・湾曲根管では#25以上のハンドファイルではトランスポーテーションを起こしている。
・Ni-Tiファイルでは贅沢品ではなく必需品
・アピカルストップは作らなくて良い
(私もわざわざ作る必要はないと思っています、怒られそうですが「過去の産物」のような・・・)
2週前のペン大の先生とエンドの幹は大きくは変らないのですが、枝の部分は多々違う所がありそうな感じでした
ホント、エンドは細かな枝の部分はいくつもに分れ、どの枝が正解なのか・・・
またゴールデンルールはどこにあるのか・・・(= ̄ω ̄=)
まぁ、卑怯者の私は各先生の良いとこ取りで、なるべくエラーが少なくなるような臨床をこなして行こうかと(笑)
清水先生の一番参考になったスライドが(無許可m(_ _)m)
「THINK OUTSIDE THE BOX」
なるほど! こう考えればいいのか!
色々勉強になる1日でしたd(ゝc_,・)
でも、会場で1つショックなことが・・・
波情報見ていたら、今日は結構波良かったみたいなのです。。。Σ( ̄ロ ̄lll)
私もよくよく運のない男だな。(byシャア)
あっ、でも、その代わりに、昼休みにガンダムカフェ寄って
「マグカップ」買ってきました(≧∇≦)/
「ザクをシャアに渡さにゃならんのだ」 (byガデム)
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運命の分れる歯根破折と歯冠破折の説明
- 2012年6月 8日 09:21
- 歯内療法日記
根の治療を専門でしているとホント多くの 『破折』を診ます。
と同時に歯科治療の限界さえ感じてしまいます。
歯科で言う歯が「折れる」
でも、折れ方によって予後は大きく違ってきます(゜ロ゜;)
赤い線の範囲で折れているものを
「歯冠破折」
この場合はまだ残せる見込みがあります。
http://eedental.jp/ee_diary/2012/02/post-460.html
問題なのは緑の部分、
「歯根破折」
と言って、多くの場合で予後不良で抜歯になってしまいます。
接着修復もありますが・・・
http://eedental.jp/ee_diary/2010/03/post-69.html
(一応講習は効きましたが・・・ あまりしていません(ー△ー;))
先日も銀歯を入れた所がどうも違和感があるとのことで、レントゲンを撮ってみたのですが
特に悪い所見もなく・・・
2週間ほど様子をみていたのですが、全く症状が変らないとのことで、治療をしてみました。
すると・・・
真っ二つに折れていました。。。(´_`。)
*吉岡先生に教えてもらいましたが、根管治療した歯 3~10年で1.5〜3.7%に垂直破折が起こっているそうです。
この歯は、患者さんに説明をして抜かせてもらいました(´Д`;)
*折れた歯の内面を見てみると感染が長く続いていたのか、ピンク色のガッタパチャーが黒く変色をしてしまっています。
でも、おかしくないですか!?
よく「神経を取った歯はモロくなるので大きく削って銀歯にしないといけない!」 と話が出ますが・・・
折れています( ̄Д)=3
残念ながら、教科書通りに治療しても歯は折れてしまうのです。
じゃあ、大きく削らず被せなければいいのでは!?
でも、折れます(´_`。)
じゃあ、神経のある歯は折れないか!?
いや、折れます(´_`。)
何をしても折れる時は折れるんですよ 。。。
ただ、破折には大きな傾向があり、
歯根破折は有意に根管治療(神経の治療)をした歯に見られます(゜ロ゜;)
でも、ですよ、歯科医師が言う、
・神経を取った歯はモロくなる
・神経を取った歯は枯れ木同然になる
と言うのは半分以上「嘘」なのです・・・(また歯科界のタブーに触れている!?)
象牙質の物性は有髄歯も無髄歯も変わりない Sedgley 1992年
神経を取った歯でも殆ど神経のある歯と質は大きくは変りません。
(機械的性質は象牙質を大きく削った方が下がります)
水分量が減ると言っても文献上、2%という報告や9%で殆ど変りありません。(歯の外の唾液からでも水分は吸収できるでしょ!?)
歯内療法専門医の文献マニアの吉岡先生(http://www.geocities.jp/tyendo/01notice.htm )のスライドでも
『象牙質の硬さの減少は、VRFにとって深刻な問題ではない』と言っていました。
ですので、
神経を取った歯は大きく削って被せないといけないという理論の裏付けは見事に・・・
裏返されます(・ω・ノ)ノ
医療とは日進月歩で変化しているのですが、何故か日本では過去の考えを採用して
それに見合わせた半分嘘の理論をつけています。
ただし、元々大きく削ってあった歯の根の治療をすると、
更に歯の強度は激落してしまうので歯の補強の為にも被せてしまった方が良い場合もあります。
こんな感じの歯の右から左まで削ってある歯はもの凄く強度が落ちます。(構造的に65%強度が落ちるとの報告も)
ぶっちゃけて言えば、
最初から、レジンで治せばこんなに削らず済むんですが・・・
気づくとここ4年、私は抜髄した歯でも被せていませんでした(((。・-・)
手間はかかりますが、足りない部分だけにゴールドアンレーを入れたりしたり、
最近は、レジン(CR)を詰めて終わっています。
http://eedental.jp/eeblog/2010/12/post-202.html
日本では全く一般的ではないですが、海外では既に「アリ」の治療法のようです。
手間がかかり過ぎるので嫌われる方法ですが・・・(*゜ロ゜)ノミ
レジンを1日で一気に詰めてしまうことで、接着回数1回の稀な治療ができます。
(1日でレジンのモノブロックとして処理できる点は強度の面では有利では!?)
作戦名:「モノブロック」:ガンダムっぽい!
これはやり過ぎたかも・・・
歯の強度も考えていますが、
一番考えているのは、 「再根管治療時」なのですヾ(^д^)
神経の治療は専門医が行っても100%上手く行くことはありません。
ですから、再治療のことまで考え咬めるようにする必要があります。
まだ多くの歯が残っている歯にセラミッククラウン系のものを入れると・・・
再治療時、歯ぐきの上には殆ど歯は残りません。(歯ぐきの下の歯しか残りません)
逆に上のゴールドアンレーみたいな形体で留めておくと、根の治療後再び部分的な詰め物で治療を終わらせることも可能です〆(`・∀・´o)
言わば、ピラミッドのように一度作ったら誰も受け付けないものを作っては・・・
駄目だと思うんだけどねぇ〜(超私見)
話を戻して、該当する方は硬い物を食べる時は気を付けてください。
破折の傾向
・根管治療をした歯に多い(神経を取った歯は感覚が鈍感になりやすいとの報告もあり、神経のある歯より強い力で咬んでしまうのかも)
・40~60代の女性に多く見られる(EEデンタルでも7割は女性です)
・上顎では小臼歯、下顎では大臼歯に破折が見られやすい(確かに多い)
・抜歯の理由第1位は歯根破折であったとの報告も多数ある
・歯科医師がコントロール出来るものではない
根管治療において、
・不用意に根管を太く削ると折れやすくなる(根尖は大きく開けない、テーパーは必要最小限に)
・側方加圧の過度なスプレッダー操作は破折のリスクを上げる
・垂直加圧より、側方加圧の方が垂直破折を起こしやすい
・ファイル操作時には根管内に潤滑剤(NC,EDTEなど)を入れる
・NC,EDTA,水酸化Caは歯質を弱体化させる
その他、
・ポスト形成は破折のリスクを上げる
・メタルコアよりレジン系のコアの方が良い
・破折歯は大きな痛みは出にくい
・レントゲン、CTでは診断しきれない(破折に対して4度以内)
・接着修復で歯を保存できる時もある
ホント破折どうにかならないかな・・・( ´-ω-`)
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