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歯内療法日記: 2016年3月アーカイブ

歯内療法学会動画

殆ど知られていない、「歯内療法先進技能習得教材」 

http://www.jea.gr.jp/movie2/

  

学会のトップページにリンクがあるのですが、一か月で再生回数10回とは・・・

(関係者しか見ていないような気がします) 

 

一応、日本歯内療法学会 教育研究委員会の一員なので告知の方をしておきます。

  

著名な先生方の貴重な治療動画ですからよろしければ一度ご覧くださいm(_ _ )m

 

 

EEデンタルも同じような動画ありますのでよろしければことらも合わせて

https://www.youtube.com/user/EEdental?guided_help_flow=1 

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根管治療後の痛み 非歯原性歯痛

以前、書いたブログ

「エンド専門医に治せない歯痛」

http://eedental.jp/ee_diary/2015/09/post-1241.html 

   

歯内療法をウリにしているEEデンタルにも年に数人

根管治療由来の非歯原性歯痛と思える患者さんの来院があります。

  

歯科に治療において、非歯原性歯痛を最も作ってしまうのが根管治療。。。

また不適切な根管治療で非歯原性歯痛を作ってしまうというのも歯科医師の間でもあまり知られていません。

(むしろ歯を抜けば痛みは治るだろうと・・・)

   

  

去年から今年にかけて3件あったのが、

オーバー貼薬、オーバー根管充填による痛み

2016 EEdental SA (1).jpg

歯の外に人工材料が押し出されています。

(たぶん水酸化Caは行為的にでしょう)

*水酸化カルシュームはメチルカプタンという神経毒も含まれており、極々極稀に痛みを感じる続ける方もいます。

 

あまり心配しなくていいですよ、かなりレアですミ(ノ゜д゜)ノ

  

  

なぜか、こんなリスクの高い科学的根拠に乏しい治療が何故か人気があり、推奨している先生もおられます。

  

正直、こういった痛みを持った患者さんを目の前にすると、

治しているのだか、体に苦痛を植え付けているのか!?と思います(-ω-;)ゞ

  

 

 

レントゲンの患者さん

話を聞くと過去に直接覆髄を行い

痛みが出たものの先生に様子をみましょうと言われ

1年間痛みと生活をし、どうにも痛む為⇒抜髄(神経を取る) 

痛み、違和感が取れない為転院して再び根管治療を受ける(その際水酸化Caの押し出し)

⇒更に症状は大きくなる

大学病院を受診して治療を受けられる。

⇒改善なし

  

   

というストーリーの後、EEデンタルに来院されました。

2016 EEdental SA (1).jpg 

  

当然患者さんは痛みを治したくて治療を希望されたのですが、

話を聞く限り、

「遠方から来てもらったけど、たぶん根管治療しても痛みは取れないよ」

「最初の原因は根管治療だったけど、既に神経系の痛みになっている可能性が高いです」

と説明 

  

 

そんなこんなで色々ありましたが、

患者さんが一度はっきりさせたいとのことで

根管治療スタート

  

3か月経過 良くなったり痛みが出たりの日々

2016 EEdental SA (2).jpg

*歯の外に飛び出した薬は歯の中からは取れません。

  

 

根尖病変もないし、やはり非原性歯痛を疑うべきだな

ということで、

その道の専門医「井川先生」に紹介状を書いて私の仕事は一時お休み 

neru.jpg  

 

井川先生への紹介から7ヶ月後の今月

患者さんから電話がかかってきて

痛みが無くなったので治療を続けたい とのこと

(やっぱスゲぇなぁ、井川先生)

   

 

通法通り、根管内洗浄を行い根管充填剤を出さないように

慎重に根管充填

2016 EEdental SA (3).jpg

いくら経っても病変などは現れていません。 

 

 

非原性歯痛は「三環系抗うつ剤」を服用し治療を行うのがトレンドです。

どうしても「うつ剤」と聞くと患者さんは抵抗がありますが、

専門医の安藤先生に聞いた話では

>【心因性疼痛って、うつ傾向との関連はありますか?】

>「心因性疼痛だけではなく、実際の慢性疼痛でも、うつとの相関を表すデータは存分にあります。」

>「ラットのモデルでも多くの研究データがあります。」

>「ただ、痛みが先か、鬱が先かという明らかなデータはありません。」
>「ニワトリと卵の話に似ている感じがあります。」

 

つまり、この薬はうつ病と同じ所で起こす脳の問題に効果がある訳です。

脳の思い込み・勘違で作りだした「痛み」に関してはこの薬を使った方が痛みが取れる可能性がある訳です。

 

  

悩んでいる患者さんへ

「痛み」とは脳が出すシグナルで危ないなど危機を感じる時にでます。

 

また「痛み」とは自分が脳で作っているもので、

生命の危機を感じなくても、不安などの思い込みで感じ作ってしまうこともあります。

 

私が患者さんに言えるのは、

1、歯のことばかり考えない

2、自分で治りたい、治すと思う(イメージ)すること

3、専門という先生にかかること

4、ネットから離れる(←ある一定以上はホント害になる)

 

何か痛い、気になる

→先生の処置に何か問題がある?

→ネットで検索

→どうでもいいガセ情報をゲット

→先生に不信感が出る

→不安になる

痛みが大きくなったと勘違い

→またネットで検索

 

素人さんが症状をネットで検索しても不安因子を拾うだけ

koro.jpg

(´ヘ`;)

 

根管治療後はしばらく痛みが出るものです、その間は気になれば痛み止めを服用してください。  

 

以上、私が言えるポイントは

・適切な根管治療を受ける

・治療後痛みが出てしまったら痛み止めをうまく使う

・不安を理由にネットばかり見ない

・痛みが長く続く場合は歯内療法専門医へ

・非歯原性歯痛と疑いをかけられたら痛みの専門医にかかる

・痛みが一度定着すると痛みが取れるのも時間がかかる

 

  

今回の患者さん、大阪の方でしたが、帰り際

「先生の所に来てホントよかったです」

と、

 

患者さんの治したい気持ちと、たまたま運が良かっただけかと思いますが、治って良かったですd(・ω・ )
 

  

「非原性疼痛」で来院される方の多くは神経質過ぎる方が多い気がします。   

koro3.jpg 

 

痛みを作り出している患者さんもいますので、あまり歯のことばかりネットで検索しないようにしてくださいね(⌒_⌒;)

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セラミッククラウンを入れるなら根管治療はしっかりと

3年前に口の中の金属を白く治したが

最近膿が出てくるという患者さん

 

レントゲンを撮ってみると

2016 EEdental OM (1).jpg

あらら、かなり大きく骨が溶けています。

  

この根管治療でセラミッククラウンはチャレンジだね・・・(p・Д・;)

 

根管治療は家の基礎工事です。

model.jpg

家を建てる際、基礎に問題がある所に家なんて建てないでしょ?

(土地に問題があれば地盤改良するでしょ?)

  

 

そこが歯を長持ちさせるポイントの1つ

上のレントゲンをドラクエでいうと

2016 EEdental Endo.jpg

毒の沼地に豪華な家を築いたようなものだから、

そら住んでいれば健康に悪いわね( ̄ー ̄A)

    

歯を残すポイント2

正直被せ物(クラウン)って、適合良く封鎖性が確保出来ていればどんな材料用いても歯の寿命には大きく左右しません。

ie.jpg

城でも家でも基礎が大切

(クラウンの咬合状態も重要な要素ですが・・・)

  

保険の被せ物(銀歯)でも根管治療+土台さえしっかり出来ていれば10年以上は持つと思います。

 

日本の保険制度は

基礎工事(根管治療)は自費治療は認めておらず、

家の外観(被せ物)には自費治療を認めています。

  

歯のことを考えれば逆の方がいいと思うのですが・・・

 

 

今回のケース、

太い、フィンやらイスムスがあり根管充填してみると

【術前 ⇒ 術後】

2016 EEdental OM (2).jpg

2根管1根尖+イスムス/フィン

治療回数3回

 

今後定期的にレントゲンを撮って経過をみます

 

自費治療のセラミックを入れるなら

根管治療はしっかりしておいた方がいいですよ!(・ω・)ノ

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根尖病変の治り早いねぇ~!

感染根管治療後の骨の治りは個人差があるものなのですが、

今回のケース

2016 EEdental IM.jpg

驚くほど骨の治りが早い!ヾ(゚ ロ ゚ )ツ

 

治療回数3回 期間2カ月  費用12万+TaX(仮歯までの費用です)

 

この後、患者さんの希望で

セラミックブリッジを作って行きます。

  

大きな病変でも治る時は治りますよ!

またきちんと根管治療しておくことでセラミックが長く使えます(^。^)

model.jpg

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原因不明の膿

近所の先生から

「他院で何回か根管治療をらしいけど腫れを繰り返すようです」

「難しそうな歯だから先生診てくれる?」

 

  

19歳の大学生の患者さん、  

初診で見てみると

2016 EEdental IM1.jpg

ここから膿が出てくるそう

 

話を聞くと2年前に抜髄、

1年後に腫れて感染根管治療を行ったとのこと

   

レントゲンでの診察

2016EEdental IM (1).jpg

冠部歯髄部分を大きく削り過ぎてパフォレーション?

パフォレーション:歯の一部に人為的に穴を開けてしまう(削り過ぎ)

  

19歳ですし何とか歯の保存が出来ればいいのですが・・・(´Д`;)

 

意外と患者さんは知らないのが、

毎回同じ条件で治療を受けられていると思われていますが、違います。

治療の度に自分の歯は徐々に減り、それに伴うトラブルは治療の度に増えます。

実際は、

治療の度に歯の治療難易度は上がり、抜歯へと近づいて行っているのです。

  

 

この歯、治療を開始してみても、

予想していた部分にパフォレーションはなし

  

2回目の治療時も同じ所から膿が出てくるのでレントゲン撮影

2016EEdental IM (2).jpg

う~ん、原因がよく分からない・・・( ̄△ ̄ゞ)

 

 

と思っていたのですが、

根管洗浄でNCを入れて顕微鏡で観察していると

近心頬側根の根中央部から、超微妙な出血が!( ̄ω ̄A)

*私は高濃度の次亜塩素酸Naを使用するので、しばらく軟組織に触れているとそこから出血してきます。

  

 

えぇ~、こんな所にパフォレーション!!!!!( ̄Д ̄;)

顕微鏡で観察していていてもまったく分からないぐらいの小さな穴

 

 

出血部分の止血をして、

その日のうちにMTAにてパフォレーションリペア

2016EEdental IM (3).jpg

黄色○の白いものがMTAセメントです。

  

歯の上(髄床底付近)にあると思われた問題が

実は、もう少し下の細い神経管の側面にパフォが。。。

  

専門用語で側面にあるパフォを【ストリップパーフォレーション】と言います。

動画(1分30秒辺り)

https://www.youtube.com/watch?v=ZDODkzJcmeQ  

 

   

*今回のパフォの大きさは0.1mmぐらいで小さすぎる穴の為

 初回治療では顕微鏡でも確認できませんでした。 

 

なぜパフォが問題なのか?

  

歯の中は細菌まみれです、その歯の中で繁殖し続ける細菌が

0.1mmの穴から出て行ってしまい体と戦争をする訳です。

その戦争で死んだ体の兵士が膿という残骸になる訳です。

  

因みに細菌の大きさは0.003~0.006mm程度ですから

0.1mmあれば十分な出入り口になります。  

パフォは「魔界と人間界の扉が開いた状態」なのです。

  

  

この部分の穴埋めを行うと、あら不思議

何カ月もあったフィステル(膿の出口)も綺麗に無くなり

 

しならく経過をみた所で根管充填

2016EEdental IM (4).jpg

今後定期的に経過を診て行きます(・∀・)  

  

  

歯の中の神経を削る際にハンドファイルだと

どうしても術者の削りやすい場所ばかり削ってしまいます。

また歯の厚みには限りがあるので、削り過ぎると歯に穴が開いてしまい

今回のようなトラブルになってしまう訳です。

  

 

 

いやぁ~、

顕微鏡があるとこんな偶然にも出会えるんですね!(・з・)ノ

 

 

しかし、近所の先生の

「難しそうな歯」という診断お見事ですヽ(・ε・)

  

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